近畿日本ツーリスト
松下電器-Panasonic・National
結末
WiLLによる効果は参加企業の間でも様々で、家電量販店や自動車ショールーム店頭など従来に無い販路の開拓に成功した企業もある一方で、売上増に結びつかず目に見える成果のなかった企業もある。また、対象世代が就職氷河期世代であったことやITバブル崩壊後の経済情勢も不利に働いた。加えて、参加企業は各業種に1社という制約が設けられていたことから(ブランドライセンスの関係から)、「ライバルにブランドを押さえられるよりは」との観点から参加を決めた企業もあると見られ、これら参加企業間の温度差が、2004年のプロジェクトの事実上の瓦解につながった。いわゆる強者連合(勝ち組連合)による企画でも、必ずしも大成功するわけではない、というブランディング上の教訓を残した。消費者は「ブランド」で購入するとマーケッターは思いがちだが、実際の消費者は商品実物を手にとって判断を行うということが再認識された。