アドベンチャーゲームは日本のパソコンで進化した!
2020年2月28日 更新

アドベンチャーゲームは日本のパソコンで進化した!

80年代の名作アドベンチャーゲーム。当初は英単語での入力・・・辞書は必須でした・・・

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最初のアドベンチャーゲームはテキストタイプ(文字のみ)

コロッサル・ケーブ・アドベンチャー

コロッサル・ケーブ・アドベンチャー

最初のアドベンチャーゲームと言われています。
1975年とも1976年とも言われていますが正確な日付は把握されていません。
アドベンチャーゲームの基本となっています。
ミステリーハウスに代表されるグラフィック付が登場

ミステリーハウスに代表されるグラフィック付が登場

パソコンの性能が上がるにつれ、線画の表示から色付のグラフィックに進化していきます。

カラー描画のADVが登場

但し、アドベンチャーゲームは辞書が必須でした・・・

但し、アドベンチャーゲームは辞書が必須でした・・・

初期のADVゲームは日本語の質問に対して英語で答える形式でした。

当時のADVゲームは英単語を調べる為に辞書が必須なのでした。

※動詞+名詞で入力が多かったように記憶してます。
「デゼニランド」で3ヶ月以上進めない場面がありました・・・

「PUSH BUTTON」※ボタンを押す
「ソレハデキマセン」

「PULE BUTTON」※ボタンを引く 
「ソレハデキマセン」

押しても引いてもだめ・・・どうすりゃいいんだ・・・?
3ヵ月悩んだ挙句、単語のスペルミスだと指摘され・・・・
×「PULE」→○「PULL」
へこみました・・・
アドベンチャーゲームの日本語入力は難しい・・・

アドベンチャーゲームの日本語入力は難しい・・・

やがてADVゲームは日本語の質問に対して日本語で答えるようになりましたが・・・
上記の画面では最初に
「ドウスル?」
と表示されています。そこでプレイヤーが「サガス」と入力すると
「ナニヲ?」
と表示されます。
続けてプレイヤーは「カベ」
と入力します。
 ・
 ・
 ・
単純に単語探しのゲーム。
ここで問題になるのが入力する単語は正解を入力しないと先に進めない点です。
ここで言う正解はADVを作ったプログラマーの指定した言葉です。

例えば「ドウスル?」
と言う問いに対しての答えをプログラマーは「サガス」「ミル」「タタク」「コワス」をあらかじめゲームソフトに組み込んでおきます。
「サガス」「ミル」「タタク」「コワス」以外の単語を入力すると
「ソレハデキマセン」
と表示されるのです。
ゲームプレイヤーが入力しそうな言葉をあらかじめ入れておかなけれ話がば先に進まなくなるのですが、その単語は膨大な量になります。
「ドアを開ける」

「ドア」は
英単語では「DOOR」なのですが
日本語にすると「ドア」「トビラ」「ト」
と、単語がいくつもあります。

「開く」は
英単語では「OPEN」
日本語にすると「ヒラク」「アケル」「オープン」
など、同じ意味の単語が増えていきます。
(英語に比べ、日本語は同じ意味の単語が複数存在する為)
「OPEN」=「開く」「開ける」「オープン」
日本語入力のできるADVは手間の掛かるプログラム作業になってしまいました。

現在のコマンド選択式ADVは日本で生まれた。

コマンド選択方式はこれまでのADVゲームにとって画期的なシステムといってよいでしょう。
ADVのゲーム性とテンポが飛躍的に進化しました。
プログラマー側にとっては、余計な単語を無数に準備する必要がなくなり、プレイヤー側にとっては言葉探しに悩む必要がなくなったのです。

但し、デメリットもあります。それは順番に選択肢を選べばゲームクリアーできる単純化につながる点です。

この点を危惧してトラップを仕掛けるADVがあります。
それは選択肢の順番を間違うとゲームオーバーやゲームクリアーできないルートに進むなどです。

それでもこれまでの単語入力に比べるとぐっと難度が下がり遊び易くなったのは事実です。
※近年のADVはこの手のトラップも見かけなくなりました。ノベル形式で最後までストーリーを見せる事に重点を置いているからです。
これまで述べたように、テキスト形式のADVは日本では不評でした。
日本語は英語のように単純ではなく、一つの意味に対して複数の言葉、表現方法があるからです。

逆にフルカラーのグラフィックのADVが日本で主流になってからも、アメリカのADVソフトの売上げ上位には常にテキストタイプが長い間ランクインされていました。

懐かしい日本の名作ADV

初期ADVは「ミステリーハウス」などの線画表示のものがありますが、ここではカラー描画以降のものを紹介します。
「ドリームランド」 マイクロキャビン 1983年

「ドリームランド」 マイクロキャビン 1983年

日本で初めてのアドベンチャーゲーム「ミステリーハウス」を作ったマイクロキャビンの2作目。
『ミステリーハウス』(MYSTERY HOUSE)とは、1980年代に登場したアドベンチャーゲームのタイトル。日本では同名の2本のソフトが存在する。
1.1980年、アメリカのシエラオンライン(Sierra On-Line)からApple II用に発売されたソフト。世界初のグラフィックアドベンチャーゲーム。日本では1983年にスタークラフトからFM-7などの機種への和訳移植版が発売。
2.1982年、日本でマイクロキャビン(当時はマイクロキャビン四日市)からMZ-2000用に発売されたソフト。
「スターアーサー伝説I 惑星メフィウス」 T&E SO...

「スターアーサー伝説I 惑星メフィウス」 T&E SOFT 1983年

スターアーサー伝説3部作の第一弾。
後に「暗黒星雲」「テラ4001」が発売。

パソコンユーザーにアドベンチャーゲームを広めるきっかけとなった作品。
「デゼニランド」 ハドソン 1983年

「デゼニランド」 ハドソン 1983年

埼玉県に建設されたデゼニランドのアトラクションを体験しながら、お宝の三月磨臼(みつきまうす)をゲットするゲーム。
東京ディズニーランドが1983年4月にオープン。
デゼニランドは1983年9月発売とリアルタイムな内容でした。

英単語でのコマンド入力ですが「ATTACH」という単語を入力しなければいかない場面がありここで挫折者が続出したとか・・・
「鍵穴殺人事件」 シンキングラビット 1983年

「鍵穴殺人事件」 シンキングラビット 1983年

シンキングラビットはパズルゲーム「倉庫番」を発売した会社ですね。
「ポートピア連続殺人事件」 エニックス 1983年

「ポートピア連続殺人事件」 エニックス 1983年

堀井雄二ミステリー三部作の第一作目。
ファミコン版が有名ですが、パソコン版より2年後の1985年に発売されたアレンジ移植版となります。
ちなみにファミコン版はファミコンで最初のAVGです。
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  • むちゃくちゃですね 2021/6/30 21:30

    >日本語は英語のように単純ではなく、一つの意味に対して複数の言葉、表現方法があるからです。
    英語にも同一意味に対応する複数の言葉や表現方法なんて普通にありまくりますよ。
    (というか、人工言語でもない限り単一の意味に単一の単語しか存在しない言葉なんて逆に難しいです)
    なにかを持ち上げるために他所の言語まで貶めるのはまったく感心しません。
    そもそも本当に初期の洋ADVを遊んでいた人間なら、むしろその点での苦労もしていると思うんですが……。

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