死体洗いのアルバイト
もうひとつ現代的な怪談を紹介しておこう。こちらも都市伝説としては比較的メジャーな《死体洗いのアルバイト》である。
しかし都市伝説ではあっても、怪談かと言われるとちょっと微妙かもしれない。
内容としても誰か被害者が発生したというわけでもなく、ただ「薬剤のプールに入った死体を管理する仕事がある」という程度のものである。
そういう抽象的な話だから時期や場所などが特定されているわけでもない。一応、医学系の大学が舞台になりがちなようではあるが。
さてこの話、出典があるという説が存在している。大江健三郎「死者の奢り」である。
しかし都市伝説ではあっても、怪談かと言われるとちょっと微妙かもしれない。
内容としても誰か被害者が発生したというわけでもなく、ただ「薬剤のプールに入った死体を管理する仕事がある」という程度のものである。
そういう抽象的な話だから時期や場所などが特定されているわけでもない。一応、医学系の大学が舞台になりがちなようではあるが。
さてこの話、出典があるという説が存在している。大江健三郎「死者の奢り」である。
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「死者の奢り」は1957年の作品。芥川賞候補にもなっている。
舞台は大学の医学部で、主人公は薬剤付けになっている死体を別の水槽に移すというアルバイトに臨む――という話である。
もちろんテーマは怪談ではなく、堕胎しようか迷っている女学生が出てきたり、結局仕事が無意味なものに終わりそうであったりと純文学的な色が濃い。
とはいえ《死体を扱う》《死体が入っている薬剤の水槽》《大学の医学部》《アルバイト》という要素が一致しているということ、そして「死者の奢り」の知名度が《知っている人は知っているが知らない人はまったく知らない》という絶妙な位置にいる事から、「死体洗いのアルバイト」伝説と「死者の奢り」には強い結びつきがあるのだろうという説には賛成したい。
舞台は大学の医学部で、主人公は薬剤付けになっている死体を別の水槽に移すというアルバイトに臨む――という話である。
もちろんテーマは怪談ではなく、堕胎しようか迷っている女学生が出てきたり、結局仕事が無意味なものに終わりそうであったりと純文学的な色が濃い。
とはいえ《死体を扱う》《死体が入っている薬剤の水槽》《大学の医学部》《アルバイト》という要素が一致しているということ、そして「死者の奢り」の知名度が《知っている人は知っているが知らない人はまったく知らない》という絶妙な位置にいる事から、「死体洗いのアルバイト」伝説と「死者の奢り」には強い結びつきがあるのだろうという説には賛成したい。
生き人形
さて話題を怪談に戻すために、我らが怪談王稲川淳二先生のご紹介をいたしましょう。
元々テレビタレント、俳優として活動していた稲川淳二は、1986年のオールナイトフジで「生き人形」を披露します。
元々テレビタレント、俳優として活動していた稲川淳二は、1986年のオールナイトフジで「生き人形」を披露します。
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稲川はある日、高速道路で少女人形を目にした。そして後日、友人から人形を使った舞台の出演を依頼されるのだが、その人形というのが高速道路で見かけたあの少女人形にそっくりだったのである。
嫌な予感に襲われる稲川。実際、舞台前、舞台中、そして舞台後まで人形に関わった人々は次々と不幸と遭遇していくのである。
そんななかで稲川は気づく。関係者はみんな右手に怪我をしている。そして少女人形の右手にも傷がついているのであった。
……という感じのあらすじです。かなり簡略化しています。
それまでリアクション芸人のような事もしていた稲川先生ですが、この時期をきっかけに急激に《怪談の人》としての存在感を上げていきます。
ちなみにwikiには「生き人形」の余談のようなものが紹介されていまして、
嫌な予感に襲われる稲川。実際、舞台前、舞台中、そして舞台後まで人形に関わった人々は次々と不幸と遭遇していくのである。
そんななかで稲川は気づく。関係者はみんな右手に怪我をしている。そして少女人形の右手にも傷がついているのであった。
……という感じのあらすじです。かなり簡略化しています。
それまでリアクション芸人のような事もしていた稲川先生ですが、この時期をきっかけに急激に《怪談の人》としての存在感を上げていきます。
ちなみにwikiには「生き人形」の余談のようなものが紹介されていまして、
この話に関わった者には災いが起きると言われており、漫画化した永久保貴一も様々な体験をしている。漫画の執筆中には、稲川淳二へのインタビュー時に編集担当者や父親、アシスタントが階段で足を踏み外し足を怪我、漫画を描くための机の上が水浸しになる、漫画を描いている最中に怪音が響き体調を崩す、編集部のミスにより当初40ページだった予定が30ページにまで内容を削除される、右手以外の右半身に痛みを伴う異常が現れるなどの現象に見舞われた。
>>編集部のミスにより当初40ページだった予定が30ページにまで内容を削除される
こわすぎる(迫真)
こわすぎる(迫真)