アニメ『戦闘メカ ザブングル』の最終回ってどうだった?
2020年12月31日 更新

アニメ『戦闘メカ ザブングル』の最終回ってどうだった?

子供のときに観てたけど、最終回ってどんなだったっけ?そんな作品ってけっこうありますよね。そんな方のために、最終回のあらすじをお届けします。これであなたも思い出せるはず?『戦闘メカ ザブングル』はこんな感じでした。ザブングルは男の子!

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『戦闘メカ ザブングル』

制作:名古屋テレビ、創通エージェンシー、日本サンライズ
放送期間:1982年2月6日から1983年1月29日
放送時間:土曜17:30から18:00
放送局:テレビ朝日系列
放送話数:全50話
主題歌:「疾風ザブングル」串田あきら

スタッフ

原案:矢立肇
原作:富野由悠季、鈴木良武
総監督:富野由悠季
演出:菊池一仁(最終回担当)ほか
脚本:伊東恒久(最終回担当)ほか
ストーリーボード:菊池一仁(最終回担当)ほか
作画監督:坂本三郎(最終回担当)ほか
作画監督チーフ:湖川友謙
キャラクターデザイン:湖川友謙
メカニカルデザイン:大河原邦男
メカニカルゲストデザイン:出渕裕
美術:池田繁美
音楽:馬飼野康二

キャスト

ジロン:小滝進
エルチ:横尾まり
ラグ:島津冴子
コトセット:広森信吾
ブルメ:古川登志夫
チル:TARAKO

ティンプ:銀河万丈
カシム:緒方賢一
ビラム:戸谷公次

ナレーター:銀河万丈

『戦闘メカ ザブングル』とは

イノセントと呼ばれる支配階級の人々がドーム都市に住み、シビリアンと呼ばれる庶民階級の人々がその外に住む惑星ゾラ。そこには「泥棒、殺人を含むあらゆる犯罪は三日逃げ切れば全て免罪」という『3日限りの掟』があった。しかし両親を殺された少年ジロンは、その掟を破って犯人のティンプを追う。やがてジロンは交易商人キャリング・カーゴのエルチ、盗賊集団サンドラットのラグと共に、反イノセント組織ソルトと合流する…。

『機動戦士ガンダム』の富野喜幸が、名義を富野由悠季と改めて監督した最初の作品。日本サンライズ創立10周年記念作品でもある。

『戦闘メカ ザブングル』の最終回

第50話「みんな 走れ!」

ナレーション「イノセントの中で独裁をもくろむ男カシム・キングとその一党との最後の決戦にのぞみます。ソルトとアイアン・ギアーとザブングルとギャリアたち。さーて最終回を」

ジロンは攻撃を3つに分けると指示する。ラグのアイアン・ギアーは左翼の艦隊を狙う。ビリンとマリアたちソルト隊は側面から援護。残りのウォーカーマシンはジロンと共に正面から攻撃。そこへメディックが「Xポイントの中にはカシムについてないイノセントだっているはずだ。皆殺しはよくないぞ」と言った。

仲間たちに囲まれながらジロンは、通信装置でドームにいるイノセントたちに語りかける。
ジロン「俺はジロン・アモス、シビリアンだ。イノセントがぜんぶ悪いとは思っちゃいない。アーサーさんから教えてもらったからね。俺たちと戦いたくない者は脱出しろ。ドクターマネの医療グループには生体強化のための技術があるはずだ。それさえ受ければドームの外でも暮らしていけるんだろう?」

その通信を聞いて、たくさんの飛行機がドームから脱出してくる。だが爆発。攻撃しているのはカシムだった。

ジロンたちは総攻撃を開始。
エルチ(…すべての悪のみなもと、カシム・キングはあたしの手で倒してみせるわ)
エルチはジロンについていく。進むウォーカー・ギャリア。
ジロン「数を出せばいいってもんじゃないの!」

進むソルトたち。
ティンプ「ええい、右からも来やがったか!ぼやぼやするな!右翼部隊を狙え!」
ティンプはビラムにアイアン・ギアーに向けてミサイルを撃つよう要請する。だが発射されたミサイルは互いにぶつかったり、味方のところに落ちたりとあてにならない。

テレビで通話しているティンプ。
ティンプ「ビラム!どこまで俺たちの足を引っ張る気だ!もう頼まん、引っ込んでろ!」
ビラム「それが雇い主に向かって言う言葉か!下賤なブレーカーの分際で何をほざく!」
カシムもモニターに現れる。
カシム「ビラム!連中は防御線を突破したぞ。何とかせんか!」
ビラム「あんたこそ何もしてないなら銃ぐらい持ったらどうです!」
カシム「それが上司に対する口の利き方か!」
笑うティンプ。

ティンプは戦争はプロに任せてすっこんでなと言い、お前たちだけに任せておけるかとビラムは言う。
カシム「ええい、うろたえるな、見苦しい。たかがシビリアンどもの寄せ集めではないか!」
ビラム「彼らをここまで増長させた責任を棚に置いて」
カシム「貴様のような役立たずを信じたわしが間違いだったとわかったよ!」
ティンプ「この場に及んで責任のなすりあいかよ!」
そこへ砲撃が着弾。
前進しているジロンたち。
ジロン「このまま砲撃を続けて前進だ!弾をケチるなよ!」

ティンプ「野郎、そう簡単にいくかよ!ありったけの弾、ぶち込んでやれ!ウォーカーマシンもな!…へっ、その上で適当な頃を見計らってとんずらするぜ」

敵の反撃の前に進めなくなったジロンたち。ラグにもっと援護を厚くしてくれと、チルに伝えさせる。

ラグはコトセットにアイアン・ギアーの必殺戦法を命じた。ウォーカーマシンに変形し、最大パワーでジャンプする。森を越えて前進し、敵は逃げ惑う。
ラグ「よっしゃあ、アイアン・ギアー、跳べえ!Xポイントを踏ん付けろお!」
足がドームを踏み抜いた。

ジロン「アイアン・ギアーの開けてくれた突破口からXポイントに入る!」
前進する一同。逃げて行く敵兵。

先行するエルチの前に、ティンプの乗るブラッカリィが現れた。
ティンプ「ご苦労だったな、姉ちゃん。疲れただろう?」
ファットマンがウォーカーマシンで挑むがまるでかなわない。そこへジロンが登場。
ティンプ「来たなあ!てめえだけは何としても!」
エルチはカシムを倒すため先へと向かい、ジロンとティンプの戦いになる。足で蹴られて、崖を滑り落ちて行ってしまうブラッカリィ。

カシム「ビラム!やつらはとうとうドーム内に侵入してきたぞ!」
モニターを見て不利を覚るカシム。ビラムもすでに逃亡している。

ザブングルに乗ったエルチが、ビラムを見つけた。
エルチ「みーつけた!ビラム!お礼はたっぷりさせてもらうから!」
ビラム「や、やめろ!私はカシム・キングの命令通りに動いただけだ」
そこへカシムの声が聞こえる。
カシム「見苦しいぞ、ビラム!お前の魂胆がよーくわかった。エルチともども始末してやる。野蛮で下品なシビリアンと身勝手なイノセント、ちょうどいいわ!死ねー!」
カシムはミサイルを発射した。その無数に撃たれたミサイルの一発が、大型ミサイルを倒す。カシムとビラムは、その下敷きになってしまった。エルチも目を負傷。傾いたザブングルは、ファットマンによって外へ押し出される。大爆発。

その大爆発でドームから煙が上がる。四散して飛び散るブルーストーン。それはXポイントの中心をやっつけた証拠だった。
何も目が見えなくなったエルチ。ザブングルを進めるが倒れてしまう。座席から下に落ちたエルチは戻ろうとするが、場所がわからず苦労する。
エルチ「こ、こんな、こんなことぐらいで、こんなことぐらいでエルチ・カーゴが負けてたまるかよーっ!」

ブラッカリィが、ザブングルの前に現れた。
ティンプ「たまんなく好きなんだよね、そういうのさ」
ジロンが登場するが、エルチを人質に取られてしまった。ティンプはエルチを渡す代わりに、アイアン・ギアーをよこせと言う。
エルチ「ジロン、だめ、甘い言葉に乗っちゃ!あなたの両親を虫けらのように殺した男よ!」
ジロンは言われるままに、ウォーカー・ギャリアの背を向ける。それをティンプが後ろから撃つが、ジロンはそれを避けた。

ラグやブルメたちが援護に駆け付けた。ブラッカリィの操縦席に乗り込んで殴り合う。ウォーカー・ギャリアのキックでブラッカリィは倒れた。
ティンプ「兄ちゃん、今日はここまでだ。また会おう。ホーラと違って、俺は不滅だぜ」
ティンプは逃げ去った。

勝利に歓喜する一同。エルチの周りに集まるジロンたち。目が見えないエルチは、ファットマンの残された衣服の切れ端を手にして号泣する。

夕方。勝利の宴会が行われている。エルチがいなくなり、ジロンが探しに行ったとチルが言う。
チル「ラグ、いいの?おっかけなくって?」
責めるチルに、ラグは平手打ち。大声で泣き出すチル。ラグも顔を伏せる。
ラグ「…ジロンの馬鹿」

荒野を進む、エルチを乗せたザブングル。
エルチ「みんなに迷惑をかけて、これからもみんなの足手まといになるなんて、あたしは嫌よ。もう誰にも会いたくない」
だがザブングルはガス欠で動きが遅くなり、止まった。オオカミの遠吠えが聞こえる。大声で泣き出してしまうエルチ。
エルチ「ジローン!」
すると、あいよ、という声。向こうからジロンの乗るウォーカー・ギャリアが駆けて来た。再びザブングルで逃げ出すエルチ。

ジロン「エルチ、俺だよ。お前のジロンが追いかけてきたんだよお」
逃げるザブングルは岩につまづいて倒れた。コクピットから放り出されるエルチ。
エルチ「ジロン・アモス、さよならーっ!」
だがウォーカー・ギャリアのてのひらが、地面に落ちる前に受け止めた。

ジロン「見えないままで、ひとりで暮らすなんて無理だよ。エルチ、俺だってエルチの手足と目の代わりぐらいできるぜ?」
エルチ「でもあたし、みんなに迷惑かけた…」
ジロン「お前は…俺が嫌いか?」
エルチ「嫌いなわけないでしょ」
ジロン「アイアン・ギアーやソルトの連中は?」
エルチ「嫌いなわけないじゃない!」
「じゃあ、決まりだ」とジロンは言って、エルチを抱きかかえる。キス。抱きかかえて、来た道を走って戻る。朝日が昇ってきた。向こうから仲間たちが駆けてくる。おーい!とジロン。手をふるエルチ。

ファットマンも生き残っていた。エルチを奪い、抱きかかえて走るファットマン。ラグはジロンに抱き着いてキスをした。

走る一同の前には、ホーラとゲラバの姿が。さらにその前にはティンプまで。

これまでの登場キャラクターたちが手を振って流れて行く。最後にはカシムが現れて、笑い声と共に手を振った。

その後の『戦闘メカ ザブングル』

1983年7月9日に劇場版として『ザブングル グラフィティ』が上映されています。同時上映は高橋良輔監督の『ドキュメント 太陽の牙ダグラム』。テレビ版を編集して新作カットを加えたものとなっています。

『伝説巨神イデオン』の後、「皆殺しの富野」とまで言われるようになってしまった富野由悠季監督ですが、本作は明るく元気ですね!最後のみなが手を振るシーンなども含めて、後の2002年『OVERMANキングゲイナー』へとつながっているように思えました。余談ですが富野監督は、自分の職業を「アニメ演出家」と呼称しています。

また本作の特徴と言えば、キャラクターデザイン湖川友謙による「ネジのような目」だったりしますが、ほかに主役機の交代があります。タイトルにもなっているザブングルから、ジロンはウォーカー・ギャリアに乗り換えます。これはのちに『聖戦士ダンバイン』ではダンバインからビルバイン、『重戦機エルガイム』ではエルガイムからエルガイムMK-II、『機動戦士Ζガンダム』ではガンダムMK-IIからZガンダムへと定番化していきました。

富野監督はこの後、同じ枠で『聖戦士ダンバイン』、さらに『重戦機エルガイム』『機動戦士Ζガンダム』『機動戦士ガンダムΖΖ』と次々と作品を発表していきます。パワフルですね!

ちなみにカッコいいオープニング曲の作詞者・井荻麟(いおぎりん)とは富野監督の別名です。日本サンライズ事務所のある上井草駅の「隣」が「井荻」駅だからだそうです。この名義で「翔べ!ガンダム」など自作のオープニング、エンディングをたくさん作詞しています。他、富野名義で小説もたくさん執筆されています。本当にパワフルですね!

最近は「ザブングル」と言えばお笑いコンビを真っ先に思い浮かべる方も多いと思うのですが、もちろん名前の由来はこのアニメ。一説には富野監督の許可は得ていないそうですが、真実はどうなんでしょう?
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