余りにも非常で冷徹な結末に驚いてしまいます。この作品でハードボイルドというジャンルは確立したといってもいいでしょう。
しかし、「マルタの鷹」を有名にしたのは映画かもしれません。ボギーことハンフリー・ボガートの初主演作、名匠ジョン・ヒューストン監督のデビュー作。
しかし、「マルタの鷹」を有名にしたのは映画かもしれません。ボギーことハンフリー・ボガートの初主演作、名匠ジョン・ヒューストン監督のデビュー作。
マルタの鷹
予告編
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それにしてもハンフリー・ボガートはカッコイイ!見事なはまり役です。
原作に忠実に映像化しており、フィルム・ノワールの傑作となった作品です。
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後年、フレッド・ジンネマン監督の『暴力行為』などでアンニュイで疲れきった女を演じたメリー・アスターや地獄コンビといわれたピーター・ローレとシドニー・グリーンストリート、ノワールの名脇役イライジャ・クックJr.らがそろい踏みで暗いハードボイルドの雰囲気を一応は盛り上げます。
いくら原作に忠実に映画化したとはいえ、やはり原作の面白さとは異なります。原作では心理描写や説明が徹底して排され簡潔な文体(ハードボイルド文体)で構成されています。このことによって、登場人物が何を考えているのかとか、なぜそのような行動を取るのかとかが分からないということがおこるんですね。これが独特なスタイルというか、ムードを醸し出しているんです。
ガラスの鍵
「マルタの鷹」に続いて発表された長編4作目となる「ガラスの鍵」。ダシール・ハメットがもっとも好きだった作品だと言われています。
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賭博師ボーモントは友人の実業家であり市政の黒幕・マドヴィッグに、次の選挙で地元の上院議員を後押しすると打ち明けられる。その矢先、上院議員の息子が殺され、マドヴィッグの犯行を匂わせる手紙が関係者に届けられる。友人を窮地から救うためボーモントは事件の解明に乗り出す。
男の義理と友情、命を賭けた駆け引き。今となってはハードボイルド探偵小説の王道ともいえるテーマが盛り込まれています。
探偵役を務める主人公のネド・ボーモンは、ダシール・ハメットの全作品中でも本作にしか登場しません。サム・スペードかコンチネンタル・オプかに探偵を統一していたらもっと読者に認知されたのかもしれません。が、サム・スペードもコンチネンタル・オプも、いえネド・ボーモンにしても魅力的ですからねぇ。無理、というか意味ないですよねぇ。
探偵役を務める主人公のネド・ボーモンは、ダシール・ハメットの全作品中でも本作にしか登場しません。サム・スペードかコンチネンタル・オプかに探偵を統一していたらもっと読者に認知されたのかもしれません。が、サム・スペードもコンチネンタル・オプも、いえネド・ボーモンにしても魅力的ですからねぇ。無理、というか意味ないですよねぇ。
本名サミュエル・ダシール・ハメット、通称はサム (Sam) 。ダシール・ハメットはピンカートン探偵社で実際に探偵として働いていたということと、作品に登場する人物は全て知人をモデルにしているということが作品にリアリティがある秘密なのかもしれませんね。
活字離れと言われている若者に是非手に取ってもらいたい作家、作品です。
活字離れと言われている若者に是非手に取ってもらいたい作家、作品です。