無責任艦長タイラー
艦長にまで出世してしまった主人公の活躍を描くSFコメディ。軍人として何ひとつ取り柄がなく、いいかげんな性格の主人公が、悪運の強さで問題を解決していくのがたまらなく爽快。また、主人公に振り回される、まわりのクルーの狼狽ぶりも爆笑ポイントとして見逃すことができない。回を重ねるごとに主人公とクルーの間に絆が育まれていく過程も、丹念に描かれており群像ドラマとしても見ごたえ充分。
作品概要
作品表現や宣伝・販売の手法について実験的な要素が数多く盛り込まれ、後に一般的になるビデオなどメディアでの販売を前提としてテレビ放送を行うテレビアニメの先駆者となった。また、ライトノベルが市民権を得ていなかった時代に(ライトノベルがアニメ化されるなど市民権を得るには21世紀を待たねばならなかった)初めてTVシリーズとしてアニメ化された作品でもある。テレビアニメと並行して関連CDやビデオを発売し、同時にCDショップで無料配布したタイラー新聞、テレホンサービスの「8585(パコパコ)ダイヤル」、各種イベント開催などメディアミックス展開を積極的に展開し、関係各社にメディアミックスに関する多くのノウハウを提供することとなった。
テレビアニメ作品としては成功といえるだけの収益を挙げ、関連作品も制作されている。原作と比較した場合、主人公タイラーの設定などが象徴的ではあるがアニメ向きの設定へと大幅な改変が行われているが、自身もアニメファン(というよりオタク)として名高い原作者の吉岡平により、後に小説シリーズそのものが大幅にリライトされ、アニメの路線に近いものへと変えられてゆくことになる(そのリライト版の小説のあとがきで、「今だから語れるが、当時アニメ版には非常に不満があった。しかし時間もたち多数の外伝シリーズなどの執筆を経たのちは、逆にアニメ版の影響を多大に受けるようになっていた。」との心境の変遷を、原作者本人が実際に語っている。)。
合言葉は愛と正義と無責任。
宇宙は僕にど〜んと任せなさい。