雲のように風のように
宮中の常識にとらわれない自由奔放な銀河の正妃への道程と、新皇帝の座を巡っての陰謀、さらにそんな国情を逆手にとっての謀反の勃発といったドラマが入り乱れ、コミカルながらも壮大な偽史が描かれる。長編とはいえ全編がわずか80分の作品のため、展開をやや急ぎすぎてしまているのが残念ではあるが、丁寧な語り口で物語の興奮を充分に味わえる佳作。
雲のように風のように CM
ストーリー(ネタばれあり、未見の方は注意して下さい)
その素乾国の皇帝が急死した。次に玉座が埋まるまで、宮廷内は官吏や皇太后の陰謀がいよいよ渦巻く。亡き先帝の后・琴皇太后は私欲のため皇太子の暗殺を企て、宦官たちは私利のため新皇帝の後宮(花嫁)を用意しようと宮女狩りを決定した。
宮女狩りとは、宦官が全国各地に赴き、花嫁候補となる妙齢の娘を宮廷に連れ帰ること。緒陀県(おだけん)という地方にも、宮女募集のお触れが立った。
コリューンはまだ17歳で即位したばかり、忠臣もいないし内部にも敵がいたため結構簡単に滅ぼされてしまいます。まあ当然コリューンは死にます。はい。でも殺されるわけではないです。王宮に最後まで残ったのは結局コリューンと後宮の人達だけで、コリューンは後宮の人達を逃がすために一人イリューダという反乱軍の親玉に会いに行きます。でもまあ受けいられるはずもなく馬小屋に囚われてしまいます。そこで立ち上がったのが正妃の銀河です。何とかコリューンに会うことが出来たのに、「必ず逃げて」と渡した拳銃でコリューンは自殺してしまいます。
タツノコプロ出身の演出家・鳥海永行が監督。スタジオジブリ作品に多く参加しているアニメーターの近藤勝也が作画監督を務めている。
原作は日本ファンタジーノベル大賞の第1回大賞受賞作で、三井不動産販売株式会社の創立20周年記念事業の一環として制作・放映。