【アメリカン・ビューティー】第72回(2000年度)アカデミー賞を振り返る!【ケヴィン・スペイシー】
2021年5月10日 更新

【アメリカン・ビューティー】第72回(2000年度)アカデミー賞を振り返る!【ケヴィン・スペイシー】

2000年と言えば、PlayStation 2が発売された年。 シドニーオリンピックや九州・沖縄サミットが開催された、20世紀最後の年であった。そんな2000年のアカデミー賞を振り返ってみよう。

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第72回アカデミー賞

第72回アカデミー賞は2000年3月26日に行われたアカデミー賞発表・授賞式である。

結果は、サム・メンデスがアメリカの抱える闇を描いた『アメリカン・ビューティー』が、作品賞、監督賞、主演男優賞を含む5部門を受賞した。

本年のアカデミー賞では、授賞式の18日前に55体のオスカー像が盗まれた。授賞式前に52体がロサンゼルス市内の食料品店のゴミ箱で見つかったが、アカデミーはすでに別のオスカーを用意した後だった。

作品賞『アメリカン・ビューティー』(American Beauty)

アメリカ郊外の町に住む中流家庭の中年男・レスターが、ある日娘の親友アンジェラに一目惚れしてしまい、そこから家族が破綻していく様をシニカルに描いた作品。そのような映画に「アメリカの美」という題名をつけることは、アメリカ社会に対して皮肉的な意味を込めている。

「アメリカン・ビューティー」とはバラの品種の一つで、色は真紅。発祥の地はアメリカ合衆国である。映画の中でこのバラは様々な意味をもたせてある。

例えば「豊かな家庭の象徴」としてレスターの妻キャロラインが自宅の庭に赤いバラを栽培していたり、「官能の象徴」としてレスターの妄想の中でアンジェラと共に赤いバラの花弁が登場したりする。
アメリカン・ビューティー

アメリカン・ビューティー

作品賞のその他の候補作は以下の通り。

インサイダー
グリーンマイル
サイダーハウス・ルール
シックス・センス

監督賞:サム・メンデス『アメリカン・ビューティー』

監督賞も『アメリカン・ビューティー』からの受賞。

サム・メンデスは、イギリス人の演出家・映画監督。今作が監督デビュー作であったが、このアカデミー監督賞のほか、ゴールデングローブ賞 監督賞も獲得する大ヒットとなった。2000年にはイギリス王室より大英帝国勲章を与えられた。

2012年には『007』シリーズ第23作『007 スカイフォール』が、イギリス歴代興業1位を記録するヒットとなる。
サム・メンデス(Sam Mendes)

サム・メンデス(Sam Mendes)

他の監督賞ノミネートと作品は以下の通り。

マイケル・マン(インサイダー)
ラッセ・ハルストレム(サイダーハウス・ルール)
M・ナイト・シャマラン(シックス・センス)
スパイク・ジョーンズ(マルコヴィッチの穴)

主演男優賞:ケヴィン・スペイシー 『アメリカン・ビューティー』

主演男優賞も『アメリカン・ビューティー』からの受賞となった。

ケヴィン・スペイシーは娘の同級生に恋する中年男性レスター・バーナム役を演じての受賞。1995年の『ユージュアル・サスペクツ』に続き、2回目のオスカー受賞だが、主演男優賞はこれが初めて。

スペイシーといえば、2006年公開の『スーパーマン リターンズ』で、かつてジーン・ハックマンが演じた悪役レックス・ルーサーを演じたが、ハックマンと見まがうほどの出来栄えで、批評家や観衆に大いに評価された。
ケヴィン・スペイシー(Kevin Spacey)

ケヴィン・スペイシー(Kevin Spacey)

主演男優賞のノミネートは以下の通り。

ラッセル・クロウ(インサイダー)
ショーン・ペン(ギター弾きの恋)
デンゼル・ワシントン(ザ・ハリケーン)
リチャード・ファーンズワース(ストレイト・ストーリー)

主演女優賞:ヒラリー・スワンク『ボーイズ・ドント・クライ』

『ボーイズ・ドント・クライ』は、ブランドン・ティーナとして知られる、ネブラスカ州で殺害された実在の人物の人生を描いた作品。

ヒラリー・スワンクは、ブランドン・ティーナ役を演じて受賞した。ゴールデングローブ賞 主演女優賞 (ドラマ部門)のほか、インディペンデント・スピリット賞やニューヨーク映画批評家協会賞などで数々の主演女優賞を獲得した。
ヒラリー・スワンク(Hilary Swank)

ヒラリー・スワンク(Hilary Swank)

他に主演女優賞にノミネートされた方は以下の通り。

ジュリアン・ムーア(ことの終わり)
アネット・ベニング(アメリカン・ビューティー)
メリル・ストリープ(ミュージック・オブ・ハート)
ジャネット・マクティア(Tumbleweeds)

助演男優賞:マイケル・ケイン『サイダーハウス・ルール』

『サイダーハウス・ルール』は、ジョン・アーヴィングの同名小説を映画化したもので、脚本はアーヴィング自らが書いている。さらにアーヴィングは駅員として出演もしている。

マイケル・ケインは、主人公の父親のような存在である医師ウィルバー・ラーチ役で出演。1986年の『ハンナとその姉妹』に続き、2度目のアカデミー助演男優賞受賞となった。
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