『ガンプラり歩き旅』その81 ~21世紀に向けてバンダイが始めた“HGUC”! まずはマシュマーとラカンのザクⅢ~
2021年6月21日 更新

『ガンプラり歩き旅』その81 ~21世紀に向けてバンダイが始めた“HGUC”! まずはマシュマーとラカンのザクⅢ~

ガンプラ! あの熱きガンダムブーム。あの時代を生きた男子であれば、誰もが胸高鳴り、玩具屋や文房具屋を探し求め走ったガンプラを、メカ単位での紹介をする大好評連載。 新展開では『機動戦士Zガンダム』(1985年)『機動戦士ガンダムZZ』(1986年)『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』(1988年)まで、旧キットから最新のHGUCまで、商品の発売順に、再現画像と共に網羅紹介していこうという趣向になっております!

4,580 view
HGUCが、無条件で旧キットに勝っているところは、フロントスカートの可動とビームキャノンギミック、後はパーツによる色分けがかなりがんばっているところであろうか。
ビームキャノンを構えたザクⅢ改

ビームキャノンを構えたザクⅢ改

.
しかし、このザクⅢ改におけるパーツ色分けでは、理解不可能な現象も起きている。
ノーマルとは形の違うザクⅢ改のビーム・ライフル

ノーマルとは形の違うザクⅢ改のビーム・ライフル

.
ザクⅢ改のランナーは、ライトグリーン2枚、ダークグリーン2枚、レッド1枚の他に、関節部や指先、バックパックなどを構成するミディアムブルーのランナー2枚、計、4色6枚で構成されているのだが。
こちらは後発になるノーマルのザクⅢ

こちらは後発になるノーマルのザクⅢ

.
確かに、指先や肘や膝の関節などは、ミディアムブルーで成型されていること、それ自体はさすがの色分けなのだが、本来のアニメ指定色では、濃いグレーで彩られていたはずのバックパックやライフル、バーニアノズルなどまでもがミディアムブルーで成型されているのだ。
主な相違点は、左肩アーマー、バックパック、リアスカート...

主な相違点は、左肩アーマー、バックパック、リアスカートアーマー

.
しかも、不思議なことにそれら「本来グレーで塗られているべきパーツ」が全てミディアムブルーのFランナーに集められているのだ。
もちろん、フロントスカートのビームキャノンは健在

もちろん、フロントスカートのビームキャノンは健在

.
「本来、グレーだったはずのビーム・ライフルが、なぜかミディアムブルーで成型されている」と書くと、1stガンダムの各モビル・スーツのHGUCの逆パロディのようにも聞こえるが、ひょっとすると本来は、このFランナーは、最初はグレーで成型するつもりでパーツ配置が設計されたのではないだろうか?
銃剣付きのビーム・ライフルが、印象をガラリと変える

銃剣付きのビーム・ライフルが、印象をガラリと変える

.
それが(まぁ確実に)コスト的な問題で、本来この商品一つで使える色数が4色で賄わなければならず、グレーとミディアムブルー、どちらかで2色を統一する必要性があって、結果、ミディアムブルーが選択され、残念ながらFランナーがミディアムブルーで一括成型されることになってしまったのではないか。
ダブリンを襲うラカンのザクⅢ!

ダブリンを襲うラカンのザクⅢ!

.
穿ちすぎかもしれないが、むしろそう思うしかないほどに「これって本来グレーだろ」とツッコむしかないパーツ群が、Fランナーにまとめられている。
スカートのビームキャノンがエゥーゴを襲う!

スカートのビームキャノンがエゥーゴを襲う!

.
……というか、むしろ指先や肘、膝関節なども、アニメの色指定を見ている限りでは、ミディアムブルーというわけでは決してなく、素直にグレーで統一した方が「普通にアニメ色指定に似ている」解決法があったような気がするのだが……。
ラカンのグレーのザクⅢと、マシュマーのグリーンのザクⅢ...

ラカンのグレーのザクⅢと、マシュマーのグリーンのザクⅢ改の両雄並び立ち!

.
『ガンダムZZ』には、ザクⅢ同様にジムもジムⅢというのが登場するが、どちらもザク、ジムの後継機の決定打とはならず、マイナーな存在に甘んじてしまった。
その「結果」自体がある意味で、『ガンダムZZ』という作品そのものをも象徴しているのかもしれない。
40 件

思い出を語ろう

     
  • 記事コメント
  • Facebookでコメント
  • コメントはまだありません

    コメントを書く
    ※投稿の受け付けから公開までお時間を頂く場合があります。

あなたにおすすめ

関連する記事こんな記事も人気です♪

『ガンプラり歩き旅』その82 ~HGUCで初めて1/144キット化されたキュベレイを、あえてエルピー・プル専用機を選んでみた!~

『ガンプラり歩き旅』その82 ~HGUCで初めて1/144キット化されたキュベレイを、あえてエルピー・プル専用機を選んでみた!~

ガンプラ! あの熱きガンダムブーム。あの時代を生きた男子であれば、誰もが胸高鳴り、玩具屋や文房具屋を探し求め走ったガンプラを、メカ単位での紹介をする大好評連載。 新展開では『機動戦士Zガンダム』(1985年)『機動戦士ガンダムZZ』(1986年)『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』(1988年)まで、旧キットから最新のHGUCまで、商品の発売順に、再現画像と共に網羅紹介していこうという趣向になっております!
市川大河 | 5,520 view
『ガンプラり歩き旅』その75 ~1986年に既に存在していた“リゲルグ”という名の「究極の『アタリ』のゲルググ」~

『ガンプラり歩き旅』その75 ~1986年に既に存在していた“リゲルグ”という名の「究極の『アタリ』のゲルググ」~

ガンプラ! あの熱きガンダムブーム。あの時代を生きた男子であれば、誰もが胸高鳴り、玩具屋や文房具屋を探し求め走ったガンプラを、メカ単位での紹介をする大好評連載。 新展開では『機動戦士Zガンダム』(1985年)『機動戦士ガンダムZZ』(1986年)『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』(1988年)まで、旧キットから最新のHGUCまで、商品の発売順に、再現画像と共に網羅紹介していこうという趣向になっております!
市川大河 | 11,694 view
『ガンプラり歩き旅』その71 ~吹き荒れろ! ガザの嵐だ、ネオジオンのガザD参上!~

『ガンプラり歩き旅』その71 ~吹き荒れろ! ガザの嵐だ、ネオジオンのガザD参上!~

ガンプラ! あの熱きガンダムブーム。あの時代を生きた男子であれば、誰もが胸高鳴り、玩具屋や文房具屋を探し求め走ったガンプラを、メカ単位での紹介をする大好評連載。 新展開では『機動戦士Zガンダム』(1985年)『機動戦士ガンダムZZ』(1986年)『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』(1988年)まで、旧キットから最新のHGUCまで、商品の発売順に、再現画像と共に網羅紹介していこうという趣向になっております!
市川大河 | 6,057 view
『ガンプラり歩き旅』その33 ~1日ザクではない、旧ザクだ!~

『ガンプラり歩き旅』その33 ~1日ザクではない、旧ザクだ!~

ガンプラ! あの熱きガンダムブーム。あの時代を生きた男子であれば、誰もが胸高鳴り、玩具屋や文房具屋を探し求め走ったガンプラを、今改めて当時のキットから現代キットまで発売年代順に、メカ単位での紹介をする大好評連載の第33回は、『機動戦士ガンダム』(1979年)本編では、既に旧式モビルスーツとして扱われていた、旧ザクことザクⅠの紹介です!
市川大河 | 7,989 view
『ガンプラり歩き旅』その30 ~ジオン驚異のメカニズム! 20年目の復活のザク! 後編 量産型編~

『ガンプラり歩き旅』その30 ~ジオン驚異のメカニズム! 20年目の復活のザク! 後編 量産型編~

ガンプラ! あの熱きガンダムブーム。あの時代を生きた男子であれば、誰もが胸高鳴り、玩具屋や文房具屋を探し求め走ったガンプラを、今改めて当時のキットから現代キットまで発売年代順に、メカ単位での紹介をする大好評連載の第30回は、ガンダムメカマニアの56%(推定)が「ガンダムより好き」と即答する、量産型ザク!
市川大河 | 14,605 view

この記事のキーワード

カテゴリ一覧・年代別に探す

あの頃ナウ あなたの「あの頃」を簡単検索!!「生まれた年」「検索したい年齢」を選択するだけ!
リクエスト