『おたくのビデオ』とは?
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おたくが誕生した1980年代を舞台にそのライフスタイルを描く青春群像劇。第1話は「1982 おたくのビデオ」、第2話は「1985 続・おたくのビデオ」と題されており、後半はおたく文化が日本のトップ産業となる架空の未来が舞台となり、『宇宙戦艦ヤマト』に似た宇宙船でおたくたちが宇宙へ旅立って終わる。なお、このエンディングはもともとガイナックス制作の『ふしぎの海のナディア』でラストシーンとして考えられたもの再利用である。
人気マンガを原作とするアニメ作品が多い中、『おたくのビデオ』は完全オリジナルの作品として制作されました。その背景には、1989年に発生した東京・埼玉連続幼女誘拐殺人事件があり、被疑者・宮崎勤さんの存在があったといいます。
この事件によって、おたくは危険因子や犯罪予備軍として見なす風潮が世間に生まれ、おたくの実像を描こうとしたのが『おたくのビデオ』制作にあたってのテーマでした。
実写映像として、ドキュメンタリー形式で本物のおたくを出演させているところも特徴的です。そのほとんどは制作会社であるガイナックスの社員のようで、フェイクドキュメンタリーではあるものの、全員、本物のおたくなのだそうですよ。
この事件によって、おたくは危険因子や犯罪予備軍として見なす風潮が世間に生まれ、おたくの実像を描こうとしたのが『おたくのビデオ』制作にあたってのテーマでした。
実写映像として、ドキュメンタリー形式で本物のおたくを出演させているところも特徴的です。そのほとんどは制作会社であるガイナックスの社員のようで、フェイクドキュメンタリーではあるものの、全員、本物のおたくなのだそうですよ。
『おたくのビデオ』の本編動画・ストーリー
Vol.1:1982 おたくのビデオ
主人公は、テニス同好会に所属していた大学生・久保健。たまたま再会した同級生・田中スエオに誘われ、同人サークルに参加したことで、おたく属性に目覚めていきます。
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おたく文化は多岐に渡り、アニメ・SF・特撮・ゲーム・プロレス・アイドルといった知識を貪欲に吸収していく久保。おたくとしての活動に夢中になるばかり、交際していた彼女・上野美子を蔑ろにしてしまい、二人は次第に疎遠になっていきます。
Vol.2:1985 続・おたくのビデオ
ある日、久保は美子の自宅に電話してみると、知らない男性が出ます。電話の向こうでは、久保からの電話であることを知り、明らかに動揺している美子の声も聞こえてきました。
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これによって全てを察した久保は、さらに、おたくの道を極めようとします。自分のことを振った美子を見返す意味でも成功を収めたいと考え、久保は田中やおたく仲間に協力を請い、ガレージキット販売会社『クランプリ』(略してG.P)を設立します。
G.Pの事業は成功し、瞬く間に会社は大きくなっていきました。しかし、グローバルな事業展開を視野に入れ、一時的に久保が中国に出向すると事態は急変してしまうのでした…
G.Pの事業は成功し、瞬く間に会社は大きくなっていきました。しかし、グローバルな事業展開を視野に入れ、一時的に久保が中国に出向すると事態は急変してしまうのでした…
『おたくのビデオ』の魅力とは?
インタビューに答えるおたくの実写映像
フェイクドキュメンタリーでありながら、本物のおたくが出演しているインタビュー映像。そのほとんどはガイナックスの社員というので、ある意味、ガイナックスはおたくたちの集まりだということも伺えますよね。
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おたくの実態に迫るといったテーマで制作された『おたくのビデオ』。この実写パートは、そういった方向性に沿って挿入されたものなのでしょう。
素人らしさ漂う映像にリアリティーが感じられ、あくまで自分の趣味に没頭するおたくたちの姿は実態を捉えたものだと思います。統計学に基づいたデータ集計・分析も成されており、多岐に渡るジャンルやそれぞれの楽しみ方に言及しているところも面白いです。
素人らしさ漂う映像にリアリティーが感じられ、あくまで自分の趣味に没頭するおたくたちの姿は実態を捉えたものだと思います。統計学に基づいたデータ集計・分析も成されており、多岐に渡るジャンルやそれぞれの楽しみ方に言及しているところも面白いです。
ガイナックスらしさ溢れる演出の数々
オープニング映像から、真っ黒な背景に白の明朝体文字を用いる後の『新世紀エヴァンゲリオン』に見られる演出が採用されています。アニメファンなら思わずニンマリさせられるポイントだといえるでしょう。
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本編に登場するイラストには、明らかに『ふしぎの海のナディア』のキングを思わせるようなキャラクターが描かれていたり、『トップをねらえ!』に登場するガンバスターを彷彿とさせるようなロボットのフィギュアが登場しています。
ストーリー性以外の仕掛けも多く、本編は一瞬たりとも見逃せません。ガイナックス作品ではないコンテンツのネタも扱っていますので、1980年代・1990年代をおたくとして過ごした世代には堪らないと思いますよ。
ストーリー性以外の仕掛けも多く、本編は一瞬たりとも見逃せません。ガイナックス作品ではないコンテンツのネタも扱っていますので、1980年代・1990年代をおたくとして過ごした世代には堪らないと思いますよ。
『おたくのビデオ』の口コミ・評価
実際に『おたくのビデオ』を視聴したユーザーのコメントをTwiterからピックアップさせていただきます。視聴前・視聴後の参考になると思いますので、それぞれの口コミ・評価をご覧になってみてください。
1991年制作の「おたくのビデオ」には、リュックバンダナのキャラは居ないから、もっと後期なんだろうな。10年ぼっちを懐かしがるって、制作した層は若かったんだなぁと今でも思う。
— 伊吹 巡 (@zonko) March 9, 2021
おたくのビデオはマジでおもろいから見てほしい。一切合切エヴァとは関係ないけど。
— みたらし (@mtrc1019) March 11, 2021
制作:ガイナックス
発売:1991年
話数:全2話