【消費中心世界をリードした】セゾングループ「パルコ」
2017年11月10日 更新

【消費中心世界をリードした】セゾングループ「パルコ」

私、ジバニャンLOVEが今年(2017年)6月に、「セゾンからアイドルが生まれた」という記事を書いたのですが、コメントで、「西武グループ、セゾングループの歴史の知識のなさ」を指摘していただきました。まだまだ勉強途中なのですが、1980年代の「消費中心世界」をリードしたセゾングループの中から、「パルコ」の歴史を、書いてみたいと思います。

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この記事でご指摘を受けました・・・。

パルコとは。

パルコ

パルコ

パルコは、それまでにないまったく新しい業態の、未知の商品分野を開発した、革新的企業です。

池袋の西武百貨店に隣接する「丸物百貨店」という企業をセゾンの前身:西武流通グループが買収します。(丸物百貨店側からの要請。)
なお、パルコは「東京丸物」の法人格を引継いだのみではなく、村野藤吾設計の「東京丸物」の建物を改装しただけで現在も「池袋パルコ」として営業しており、こちらの方が丸物の事業を継承していると見ることも可能である。
あの独特の形をした池袋のパルコには、著名な設計士がいたんですね。
1918年、渡辺節建築事務所に入所。日本興業銀行本店、ダイビル本館、綿業会館等の設計に携わった。渡辺からは、建築に費用を惜しまないことが客を呼び、ひいては施主の利益になることを叩き込まれる。1929年、渡辺節建築事務所を退所し、村野建築事務所開設。日中戦争・第二次世界大戦中は実作の機会は少なく、不遇の時期を過ごした。1949年、村野・森建築事務所に改称。1955年、日本芸術院会員。1967年、文化勲章受章。日本芸術院賞、日本建築学会賞など受賞多数。
代表作の一つ、日生劇場(1963年築)は花崗岩で仕上げた古典主義的な外観やアコヤ貝を使った幻想的な内部空間などが、当時の主流であったモダニズム建築の立場から「反動的」といった批判も受けた。1968年からは迎賓館本館(旧赤坂離宮)の改修も手がけた。また、村野は和風建築の設計にも手腕を発揮し、戦後の数寄屋建築の傑作として知られる佳水園なども設計した。
大阪を拠点に創作活動を行い、建築批評界では丹下健三とよく比較された。90歳を超えても創作意欲は落ちず、死の前日まで仕事をしていた。
2005年に宇部市渡辺翁記念会館(1937年築)が村野の作品として初めて国の重要文化財に指定された。翌2006年、世界平和記念聖堂(1953年築)が、丹下健三の広島平和記念資料館(1955年築)とともに、戦後建築としては初めて重要文化財(建造物)に指定された。
こういう、コストをかけていいものを作り、その後で資金を回収する、という事業スタイルはなんか格好いいですね。最近はコストダウンコストダウンばかりの時代なので・・・。

1969年、パルコ誕生。

若い世代向けのファッションビルとして、パルコは開業します。
そしてパルコは、東急グループが拠点としていた渋谷への進出を狙います。

渋谷は、成長する消費市場として後背地に高所得層の存在する地域であり、ここに、劇場を持った専門店の集合体である「ファッションの文化館」を設計しました。

「公園通り」の名づけ親。

パルコは、渋谷駅から少し離れた場所に、意図的に用地を確保し、1973年に開店します。
そして、パルコにつながる人通りの少なかった道を、「公園通り」と名付けて、ストリートごとファッションの街にしてしまいます。
1970年(昭和45年)、渋谷区役所や渋谷公会堂が現在地に完成し、これに合せて「区役所通り」と呼ばれていた。1973年(昭和48年)6月14日、西武百貨店系列(当時)の渋谷パルコがオープンしたことを機会に、当時の渋谷区役所通商店街による発案で改称して「渋谷公園通り」と命名された。北側の代々木公園へ至る坂道であり、「パルコ(parco)」がイタリア語で「公園」を意味していたことが由来である。
広末涼子のデビュー曲「majiで恋する5秒前」にも「公園通りを歩く」という歌詞がありますね。
デートで歩く道の代表格なんですね。
渋谷にパルコが登場したことにより、ファッションの街としての渋谷が急速に発展し、その勢いは、大阪心斎橋や岐阜、札幌などにもパルコが設立されるもとにもなりました。
1975年にパート2、1981年にパート3が渋谷に開設されるなど、急速に発展し、店舗の集合体という新しい業態を確立します。

「西武劇場」の併設。

1973年5月23日に「西武劇場」として開場。オープニング記念公演は武満徹企画・構成の5日間にわたる「MUSIC TODAY 今日の音楽」。ピアニストのピーター・ゼルキン、高橋悠治らが出演した。また1974年から1988年まで連年上演された細川俊之と木の実ナナの主演によるミュージカル『ショーガール』は、当時の若者に強く支持され、パルコの支持者増加につながった。
1985年に現名称に改称。客席数458席と小規模ホールながら、三谷幸喜作品など、演劇を中心に人気作・話題作を数多く上演している。2006年3月26日から同6月25日まで、アスベスト除去工事のため一時休館した。
渋谷パルコの建て替えに伴い、2016年8月7日を以て一時休館。最終公演は『ラヴ・レターズ』(8月1日 - 8月7日)。
なお、2019年に再オープン予定している。なお、パルコプロデュース公演は休館中も外部会場で公演が継続される。
現在のPARCO劇場ですね。
PARCO劇場。

PARCO劇場。

この、既に東急グループというライバルのいる渋谷という街へ進出し、新しい街を作るというパルコの執念、すごいですね。

宣伝のうまさにより発展するパルコ。

それまでの、いわゆる「老舗」「名門」というテナントが軒をつらねる百貨店ではなく、パルコは、パルコとしての主張性を持ち、パルコ自体がテナントを選ぶという業態を作り出します。
デザイン感覚は極めて斬新なものであって、「パルコ文化」とも言われるアイデンティティを確立しました。
「じゃあね」のかわりに、みんなで踊れ。3年先で、待ってるよ。
パルコの一時休業前の最後のイベントのキャッチコピーのようです。
なんともオシャレですね。
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