「袴田事件」の無実を訴える死刑囚、袴田巌さんを描いた漫画が公開中!!
日本プロボクシング協会・袴田巌支援委員会の発案で、元プロボクサーで漫画家の森重水が作画を務める、袴田巌さんの事件(通称:袴田事件)を描いた漫画「スプリット・デシジョン ―袴田巌 無実の元プロボクサー―」が、現在東日本ボクシング協会のホームページにてネット配信中です。
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7月に堂々の完結!英語版も発表されました!
2019年2月より月一回のペースで更新され、7月に公開された最終話(第6話)「終了ゴングが鳴る日まで」で物語が完結した同作。英語版も制作され、日本語版とともにYouTubeでも公開中となっています。支援委員会は、漫画を通じて国内外に袴田事件の冤罪を訴えていきたいとのこと。以下はYouTubeで公開中の日本語版の1話~4話。
スプリット・デシジョン~袴田巌 無実の元プロボクサー~ 第1話~第4話
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こちらで全話公開中です!
20世紀最大の冤罪?60年代に発生した「袴田事件」とは
このたび漫画が公開中の「袴田事件」とは、1966年6月に静岡県で発生した強盗殺人放火事件。王こがね味噌橋本藤作商店の専務の家が放火され、中から一家4人の他殺体が発見されました。そして翌7月、従業員として働いていた元プロボクサー・袴田巖さんの部屋から微量の血痕の付いたパジャマが発見され、袴田さんは逮捕されました。
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逮捕された袴田さんですが、当初は犯行を否認していたものの、度重なる取り調べにより自白に追い込まれ、同年9月に強盗殺人などの罪で起訴されました。その後の裁判では一転して無実を主張したものの、味噌工場のタンク内から「血染めの衣類」が発見されるなどしたため、1968年に静岡地裁で死刑判決、1980年には死刑が確定しました。
超速まとめニュース : 【社会】弁護団「みそ漬けシャツの色矛盾」 「袴田事件」検察証拠引用へ[18/01/18] https://t.co/i3aSVGrXj7 pic.twitter.com/8qsmxycLGD
— 超速まとめ (@matomeall) January 20, 2018
こちらが「血染めの衣類」のひとつであるシャツ。証拠ねつ造の品との疑いがあります。
死刑確定後も、冤罪を主張し続けた袴田さん。2010年には衆参両院議員による「袴田巌死刑囚救援議員連盟」が設立され、超党派による袴田さんを支援する輪が広がりました。翌2011年には第二次再審請求審において証拠とされた衣類の再鑑定を実施。そして2014年3月、ついに静岡地裁は袴田さんの死刑と拘置の執行を停止する決定を出したのです。
袴田さんが釈放された際の映像。
袴田巌さん、東京拘置所から釈放
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47年に及ぶ勾留に耐え抜き釈放された袴田さんですが、しかしながらこれで無罪を勝ち取った訳ではありません。静岡地方検察庁は静岡地裁の決定を不服として即時抗告し、2018年には東京高裁が、静岡地裁の決定を取り消す判断を下しているためです(但し、袴田さんの生活状況を鑑み釈放は継続)。まだまだ終わりの見えない「袴田事件」。果たして袴田さんが無実を勝ち取る日が来るのか、これからも注視しておきたいところです。
こちらは近年の袴田さん。