「必殺仕事人」のコンセプトを現代に投影したドラマ「ハングマン」、 彼らは何をしたかったのか。
2022年11月1日 更新

「必殺仕事人」のコンセプトを現代に投影したドラマ「ハングマン」、 彼らは何をしたかったのか。

その昔テレビドラマで人気を博した「ハングマン」。一見刑事物のようなのですが、実はそうじゃないという摩訶不思議なドラマでした。悪人を罰するという勧善懲悪で、言わば最後にスカッとできる内容。「ハングマン」が悪人たちに制裁を加えるというものなのですが、逮捕する訳でなく殺害する訳でもないんですよ。実際に「ハングマン」は何をしたかったのでしょうか。今回は、「ハングマン」についての解説をします。

2,489 view

社会に蔓延る悪人を裁く「ハングマン」

ザ・ハングマン6スペシャル 予告+OP&ED【HD】

「ハングマン」取りまとまる首領となるのが「ゴッド」。その「ゴッド」の指令により、法の目を掻い潜って悪事を続ける悪人たちを、コードネームを持った「ハングマン」が制裁を加えるドラマになっています。

当時、朝日放送によって制作された人気時代劇必殺シリーズ、「必殺仕事人」のコンセプトをそのまま現代に持ってきたような内容になっています。必殺シリーズと同様に「ハングマン」のストーリーにも、時代にマッチした社会風刺や世相が数多く盛り込まれていました。

制裁の方法

闇の処刑執行人が自○党に制裁を加えます。

劇中に行われる「制裁」とは、犯罪者に対して様々な罠やトリックを仕掛け、その悪行を世間一般に公表すること。逮捕して法で裁くのではなく、悪人が利用している社会的地位を抹殺するという手法をとっています。

必殺シリーズのコンセプトをそのまま現代に持ってきたということでしたが、ハングマンの場合は仕事人のように、悪人を殺害することはしません。当初はハードボイルド路線だったので、レギュラーの殉職退場なども描かれていました。しかし、シリーズを追うにつれて、何故かコメディ要素が増加していきます。

悪人の社会的地位を抹殺するとはいいながら、あんな脅かしの中で引き出した証言には、証拠能力があるのでしょうか。警察に連行されても、極限の中で出た証言だけなら証拠不十分だったりして。そんなこと考えたら、ドラマが楽しめませんね。

1年間にわたる人気番組に

ザ・ハングマン2 OP&ED

1980年11月、テレビ朝日系の金曜夜21時枠で「ザ・ハングマン 燃える事件簿」が放映開始されます。当初では2クールのみの予定でしたが、想像以上に好評だったため、更に2クールが延長されました。結局は1年間にわたる人気番組になったのです。

ドラマの放映が終わった以降も、金曜夜21時枠において1987年9月まで、計7作が製作されています。更にシリーズ中でも、スペシャル版として過去のハングマンがゲスト出演するといったクロスオーバー作品も制作されました。

ハングマンのメンバー

ザ・ハングマン OP&ED

ハングマンとして登場するメンバーは、いずれも様々な事情で組織を追われた元警察官でした。ハングマンになることで巨額の報酬が手にできるのですが、その引き換えとなる代償は相当なものなんです。まずは顔を整形し指紋と戸籍を抹消、その上他人と接点を持つことを禁じられます。

そんな状況でメンバーになるのですが、それぞれ特技を持ちコードネームで呼ばれます。連絡の際は、トランシーバーだけでなく腕時計型通信機で取り合うことも、この辺は時代を感じますね。

作品のところどころにおいて、メンバーについての描写がサイドストーリー的に描写されています。ハングマンのメンバーに加入するに至った経緯など、物語に深く絡み付く展開となっています。

アジト

ザ・ハングマン6 OP (小林克也)

ハングマンのアジトには、本部と支部がありました。ゴッドがハングマンたちに直接指示をするのが本部で、ハングマンたちが普段使いできる場合で、溜まり場のようにしているのが支部になっています。

第13話までに設定されていた支部は、豪華な一戸建てでした。しかし第26話からは、本部がとても暗い雰囲気に改装され、なんとメンバーの位牌が置かれるようになったのです。支部は目立たないためという理由で、ゴッドが用意した団地になりました。ハングマンたちが、団地を頻繁に出入りする方が目立ちそうですね。

15 件

思い出を語ろう

     
  • 記事コメント
  • Facebookでコメント
  • コメントはまだありません

    コメントを書く
    ※投稿の受け付けから公開までお時間を頂く場合があります。

あなたにおすすめ

関連する記事こんな記事も人気です♪

近藤正臣主演!『探偵 神津恭介の殺人推理シリーズ コレクターズDVD』全2巻が発売決定!!

近藤正臣主演!『探偵 神津恭介の殺人推理シリーズ コレクターズDVD』全2巻が発売決定!!

ベストフィールドより、創立20周年記念企画第8弾となる映像作品『探偵 神津恭介の殺人推理シリーズ コレクターズDVD Vol.1』『探偵 神津恭介の殺人推理シリーズ コレクターズDVD Vol.2』の発売が決定しました。
隣人速報 | 278 view
1977年から放送されているテレ朝の「土曜ワイド劇場」がなんと”日曜の午前中”に移行!!

1977年から放送されているテレ朝の「土曜ワイド劇場」がなんと”日曜の午前中”に移行!!

長年にわたり親しまれてきたドラマ枠「土曜ワイド劇場」。約40年間、テレビ朝日の土曜夜の定番番組であったが、4月から2時間規模の新ドラマ枠「日曜ワイド」(日曜・前10時)としてスタートする事が分かった。
『宇宙刑事ギャバン』のギャバンとサイバリアンがバンダイでフィギュア化!本日より予約開始!

『宇宙刑事ギャバン』のギャバンとサイバリアンがバンダイでフィギュア化!本日より予約開始!

東映メタルヒーローシリーズの先駆けとして1982年3月から1983年2月まで放送された『宇宙刑事ギャバン』。そのアクションフィギュアが、本日予約開始!バンダイから「S.H.Figuarts ギャバン&サイバリアンセット」として発売される。
松平健が新作『X-MEN:アポカリプス』で洋画の吹き替え初挑戦!

松平健が新作『X-MEN:アポカリプス』で洋画の吹き替え初挑戦!

俳優の松平健が都内で行われた映画『X-MEN:アポカリプス』(8月11日公開)公開アフレコイベントに出席。洋画の吹き替え声優に初挑戦した。本稿では松平健が演じた懐かしの「暴れん坊将軍」の物語の基本的な「型」もおさらいする!
歴代あばれはっちゃくの登場人物と「ひらめき方」を振り返る。

歴代あばれはっちゃくの登場人物と「ひらめき方」を振り返る。

80年代前半、僕らの土曜夜7時半といったら「あばれはっちゃく」でしたよね。主題歌の「タンゴむりすんな!」や「父ちゃん情けなくって涙でてくらあ」なんて名台詞は今でも覚えているものです。そして「ひらめけ~ひらめけ~」がお約束でした。
青春の握り拳 | 362,855 view

この記事のキーワード

カテゴリ一覧・年代別に探す

あの頃ナウ あなたの「あの頃」を簡単検索!!「生まれた年」「検索したい年齢」を選択するだけ!
リクエスト