【かわいいは正義】女子も男子も夢中になった川原由美子『観用少女』【隠れロリ】
2019年10月14日 更新

【かわいいは正義】女子も男子も夢中になった川原由美子『観用少女』【隠れロリ】

「観用少女(プランツ・ドール)」とは「生きるお人形」そして「植物」。中華圏のどこかを舞台に、独特の世界観と少女の圧倒的な可愛さで読者を魅了した『観用少女』シリーズを見てみましょう。

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製造方法は全く謎に包まれた「少女」で「人形」の「植物」

「観用少女」もう字面見たまんまのこの生きもの(?)。
「観葉」と掛けた「観用」、ルビを振ると「プランツ・ドール」つまり植物。
そして「少女」で、「観用」=「観賞用」なお人形。
なんと的確なネーミングじゃありませんか。
観用少女(プランツ・ドール)は朝日ソノラマ『眠れぬ夜の奇妙な話(ネムキ)』に連載されていた川原由美子の漫画。
2000年ネムキ11月号

2000年ネムキ11月号

「ネムキ」は「眠れぬ夜の奇妙な話」を略したマンガ誌のタイトル。
タイトル通り、ちょっとホラーかかったファンタジーや不思議系の話が多いです。
1991年か2013年まで発刊されていました。

『観用少女(プランツ・ドール)』は、1992年に掲載が始まり、2001年まで約30話がつくられた人気シリーズでした。

「観用少女」ってどんなもの?

掲載誌が女性向けなのもあって、このシリーズのファンは女性が多いですが、男性でも「これ好き」と言う方はけっこういらっしゃいます。見た目も話もロリではないのでオープンに言いやすいのかもしれません。
wikiの解説をひとつずつ拾って見てみましょう。
"名人"の称号を持つ職人たちが丹精込めて作り上げた「生きる人形。」長髪の幼女の姿をしており、眠りながら持ち主に出会えるのを待っている。
職人たちと言うからには複数いるのか? ”名人”と呼ばれない職人もいるのか?
というつっこみはとりあえず置いておいて。
製造方法については全く明かされていません。
取り扱っているのは街で一店舗のみ。チャイナ服の男性の店員が客達を迎える。
つまりこれはお店で売っています。
しかも陳列されている少女たちはみな「眠っている」
普通に椅子に座っているんですが、目を閉じたままです。
波長の合う者に出会うと目を覚ます。一度目覚めたらその者以外に目を向けなくなってしまうので、引き取らないと「枯れて」しまう。
たまたま店の前を通りかかって、波長が合ったりすると
少女(プランツ)は目を覚まします。
で、その対象人物に向かってにっこり微笑んだりする。
「買って買って」光線を放ったりもする。
店主も
「目を覚ましたプランツはその持ち主と一緒にいないと枯れてしまう」
などと脅かす、とんでもない店です。
手に入れるには、目玉が飛び出るほどの大金を必要とする。

主食は特別なミルク。日に三度与える。

肥料として砂糖菓子を週に一度与えると色艶が保て、またビタミン・ミネラルを豊富に含んだ合成肥料もよい。
やんわりと脅かされた結果、ものすごい大金を払って買うことに。
さらに主食のミルクも、砂糖菓子も高価。
そして身につけさせる衣類や調度類も高価です。

でもなんでそこまで払ってまで入手するのか。
それは少女(プランツ)のおめがねにかない、プランツを手に入れることは
都市伝説と言われるほど稀有でラッキーなことだから。
持ち主の愛情も重要な栄養で、不足するとミルクを飲まなくなり、徐々に質感などを損ない最後には「枯れて」しまう。
主食はミルクと砂糖菓子ではありますが、むしろ「持ち主の愛情」が一番の栄養です。
愛情が不足するとミルクを飲まなくなり、枯れてしまいます。

波長が合わないのに無理やり買った(奪った)プランツも、目覚めないまま枯れてしまいます。

ですが、愛情いっぱいに世話をされたプランツはとても長生きします。
持ち主が年老いてもプランツは美しい少女の姿のままです。

プランツ・ドールに魅せられた人々

名前のない人間たち

プランツの持ち主は、たまたま店の前を通りかかって、買うはめになった客がほとんどですが
よそで見かけて欲しくなって来店、運よく波長の合うプランツとめぐり合う人もいれば
何度通いつめても全くカップリングに至らない人もいます。
プランツは、見た目がこんななので、欲しがる人間は男ばかりかと思いますがさにあらず。
持ち主は男女とも、老いも若きもいろいろいます。

また、持ち主としてではなく、その周辺の人間としてプランツと関わる人々もいます。

このシリーズでは、個々のプランツには呼び名やあだ名があったりなかったりしますが
登場する人間たちには一切名前がありません。

このことからも、この『観用少女』シリーズの芯はプランツたちであり、
プランツが最重要のモチーフであることがわかります。
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