世界中でたくさんの素敵な経験をしましたが、なかでもイタリアのフィレンツエで公演したときのことです。
公演を終えて次の公演地までバス移動だったのですが、会場を出てバスに乗り込むまでの間、お客様が自然と周りを囲んで拍手で送りだしてくれたんですよ。
ショーでいえば、オーストラリアのシドニー公演で味わった「観客との最高の一体感」を忘れることが出来ません。
そのときは全てが手に届くように分かる感覚でした。ステージで行っていることの全て、目に見えるところも見えないところも。またお客様一人ひとりにどのように感じてもらえっているのか、テントの奥の距離感まで分かる感じでした。とにかく全てが一つにつながっているという事を感じた回でした。
ステージに立てば表現を通じてお客様とコミュニケーションをとり、ともに感じて楽しんでもらいます。いつもその感覚を受け取りながらパフォーマンスするのですが、ときには「スミマセン、みなさんよりも僕の方が楽しんでいます!」と感じるほど、素晴らしい心地よさを感じることが出来た回もあります。
素晴らしいパフォーマンスを続けるために
-世界中で観客を魅了し続けた「キダム」アーティストとして、どのようなことを心がけて取り組んでいらっしゃいましたか?
常にいいパフォーマンスをするための準備をしてきました。
自分でコントロール出来ないもの、例えば他人の体調や天候はコントロール出来るものではありません。なので、自分でコントロール出来ることは常に準備するといった考えです。
準備ってある程度アバウトな定義で、それをやることによって「一定レベル」が整うように備えることですね。
そしてルーチン化する。これさえやっておけばここまでは確実に出来る、というのを自分の中で作っておくんです。
このルーチンを整えて日々実践することで今日と昨日、同じ準備をしていても同じパフォーマンスが出来ないという気付きを得ます。それは環境や天候やその日の体調など、常に同じ状況下でパフォーマンスするわけではないからです。
その時々の違いを知るためにもまずは同じ準備をし、違いに対応した上でも今度はいざステージに出たときの感覚はその時々で異なるものです。出た瞬間に体が重い、調子いいなどの変化は常にあります。その時々、その状況下で対応できるようにするんですね。
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13年間の「キダム」ツアーを終えて
-シルク・ドゥ・ソレイユのメンバーとして世界を旅して巡った13年、本当に貴重な経験をお持ちです。これからはどのような方向に進んで行かれるのでしょう?
2016年2月末に、所属したショーが20年という区切りで終わって契約満了となりました。
またいつ声がかかるかはわかりませんが現在はフリーランス。ご依頼いただいてイベントで縄跳びをしたり講演活動を行ったり、小学校などで実技指導したりパフォーマンスしたりと様々に取り組んでいます。
縄跳びでどんな仕事が創れるのか、シルク・ドゥ・ソレイユでの経験から「どうやったらどんな結果に向かって行くのかな」という考え方が身に付きました。
その経験をどう生かせるか、またここでインターネットの仕事に戻ったりというのも「ないとは言い切れない」ですよね(笑。
せっかくの経験を活かし「縄跳びアーティスト」としての自分を活かしたいとは思っていますが、シルク・ドゥ・ソレイユの世界に飛び込んだのも「楽しそうだな」という気持ちからでしたので。