1stGUNDAM 1yearWar 機動戦士ガンダム 1年戦争
2021年7月25日 更新

1stGUNDAM 1yearWar 機動戦士ガンダム 1年戦争

乾杯のかけ声は「ジーク・ジオン!」どこかへいくときは「(自分の名前)、いきます」誰かにブタれたら「オヤジにもブタれたことないのに」失敗したら「坊やだからさ」赤いものは「シャア専用」 アニメ「機動戦士ガンダム」は、1979年4月~ 1980年1月に放映されたが、その衝撃は少年の心に深く刻み込まれ、オッサンになっても消えることはない。

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11月18日、ホワイトベースは、大英帝国の北アイルランドにあるベルファスト基地に入港。
「しゃあねえな。
軍人なんてお堅てえのは俺には性に合わねえんだから」
正規の軍隊として扱われることに馴染めず、カイはホワイトベースを降りた。
そしてベルファストの街で1人の少女、ミハルと出会った。
「泊まるトコないんだろ?
ウチヘおいでよ」
「いいのかい?」
実はミハルは、ジルとミル、幼い弟と妹を育てるためにジオンのスパイをしていて、ホワイトベースから下りてきたカイに偶然を装い近づいていた。
その夜、物資の補給と修理を終え、港にいたホワイトベースはジオン軍の攻撃を受けた。
「ちくしょー、何でいまさらホワイトベースが気になるんだ」
戦火を認めたカイは急いでホワイトベースに戻った。
一方、ミハルはジオン軍からお金と地球連邦軍の制服を受け取った。
「お前たち、姉ちゃん、仕事にいってくる。
今度は少し長くなるかもしれないけど、いいね。
お金は少しずつ使うんだよ。
置き場所は誰に教えちゃいけないよ」
といいジルとミルを抱きしめた。
「この仕事が終わったら戦争のないところへいこうな。
3人で」
そういって2人と別れ、戦闘のドサクサに紛れ、ホワイトベースに忍び込んだ。
敵を撃退したホワイトベースは、南米にある地球連保軍総司令部、ジャブローに向かった。
「ミハルじゃないか!
なんで?」
カイは机の下に隠れているミハルを発見。
自分に部屋に匿おうとするところをアムロ・レイにミハルをみられ
「ジャブローで降ろすからさ」
と口止めした。
(ジャブロー?)
2人の会話からホワイトベースの行き先が知ったミハルはジオン軍に情報を送った。
 (2290301)

ジオン軍はモビルアーマー、グラブロが発進させ、ホワイトベースを襲った。
攻撃を受け、船内で幼い子供たちが作業を手伝ったり、攻撃を受けた衝撃で転げ回る姿をみたミハルは
「カイ、私にも戦わせて。
弟たちが助かってあの子たちが死んでいいなんてことないもん」
と志願。
2人はガンペリーに乗って向かい、カイは操縦し、ミハルは爆撃手としてミサイルを発射させた。
戦闘の最中、発射スイッチが故障したため、コックピットを出てカタパルト(射出機)へ移動。
カイの合図でレバーを引いてミサイルを発射させたが、そのジェットエンジンの爆風で吹き飛ばされ、空へ投げ出された。
ミサイルはグラブロに命中し破壊。
「ミハル、、やったぞ」
カイは歓喜したが、帰艦後、ミハルの死を知り泣いた。
 (2290367)

11月27日、ホワイトベースは大西洋上でのジオン軍の攻撃を切り抜け、地球連邦軍総司令部、ジャブローに到着。
海中から密かに尾行、監視していたシャア・アズナブル率いるジオン潜水艦隊はホワイトベースがレーダーから消えたのをみると
「ついにジャブローの最大の出入り口をつきとめたというわけだな」
とその地点を徹底的に調査すると共に、アメリカ、カリフォルニアに駐留するジオン軍に出撃を要請した。
一方、ホワイトベースは修理を受けた。
そしてアムロ・レイは、ホワイトベースの修理を担当し、マチルダ・アジャンの婚約者だったウッディ・マルデン大尉に出会った。
「そうか、君がガンダムのパイロットなのか。
マチルダから聞いてはいたが・・
マチルダとはオデッサ作戦が終わったら結婚する予定だった」
「ご結婚を・・・
すみませんでした。
僕がもっとガンダムを上手に使えればマチルダ中尉は死ななずにすんだんです」
「うぬぼれるんじゃない、アムロ君。
ガンダム1機の働きでマチルダが助けられたり戦争が勝てるなどというほど甘いものではない。
パイロットはそのときの戦いに全力を尽くしていればいいんだ。
私はこの修理に全力をかけている。
人にはそれくらいしかできんのだ」
 (2290300)

11月30日、シャア・アズナブル率いる水陸両用モビルスーツ部隊で出入り口を発見し侵入。
シャア・アズナブルは部下に格納庫の爆破を指示し、自らはホワイトベースを目指した。
北米を飛び立った18機のガウ攻撃空母が南米に到着後、爆撃を開始。
続いて、モビルスーツ隊が降下したが、地球連邦軍の対空砲火を受け、地上に到達したのは28機だけで、地上につくと地球連邦軍のモビルスーツと交戦になった。
それでもジオン軍の攻撃はホワイトベースに迫り、ガンダム、ガンキャノン、ガンタンクが出撃。
ウッディ・マルデン大尉は
「ジオンの進入を許したのか!
メカマンも防戦に当たらせろ!」
と指示し、
「マチルダが守った船には触らせん。
下がれ下がれぇ」
と自らはホバークラフトに乗り前線に出撃した。
アムロ・レイは異様に動きの速いモビルスーツを発見。
「赤い色のモビルスーツ?
ザクじゃないけど、赤い色のモビルスーツ。
シャアじゃないのか?
あっ、ジ、ジムが。
やめろ!
うかつに近づくんじゃない!」
ジムはコクピットを貫かれ、爆風と共にシャアのズゴックが立ち上がった。
「ま、間違いない。
奴だ、奴が来たんだ!」
シャア・アズナブルのズゴックとガンダムが交戦開始。
「シャアか」
「さらにできるようになったな、ガンダム!」
その最中、ウッディ大尉のホバークラフトがズゴックを背後から攻撃。
「マチルダが守った船には触らせん!
至近距離からミサイルを撃ち込めば!」
とさらに接近。
「冗談ではない」
ズゴックはそれを地面に叩きつけた。
「シャアッ!」
怒ったアムロ・レイはズゴックの右腕を斬り落とした。
「私にプレッシャーをかけるパイロットとは・・・
いったい何者なんだ?」
シャア・アズナブルは、ミサイルで地下道を崩落させ、なんとか追ってくるガンダムから逃げた。
ジャブロー攻撃を行ったジオン軍のモビルスーツ部隊は、ほぼ壊滅。
ガウ攻撃空母も18機中、8機が撃墜され、ジオン軍のジャブロー降下作戦は失敗に終わった。
この戦いによって地球上での連邦軍の勝利は確実になった。
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「我々のホワイトベースに囮(おとり)専門になれとおっしゃるんですか?」
ブライト・ノアは、ホワイトベースの次の任務が陽動作戦であると通達された。
ジオン軍がホワイトベースを重視していることに注目したジャブローの上層部は、まずホワイトベースが単独で月に向かい敵を引きつけ、主力宇宙艦隊がジャブローを発進するという作戦を立てた。
12月2日、出港準備を進めるホワイトベースを1人の軍人が訪ねた。
「ここの責任者はどこだ?
スレッガー・ロウ中尉だ。
今日づけでこっちに配属になった。
ほう、俺もツイてきたな。
こんなキレいなお嬢さんとご一緒できるなんて!」
「ミライ・ヤシマです」
「フンッ」
スレッガー・ロウは手を差し出したが、ミライはそっぽを向いて応じなかった。
12月3日、ホワイトベースがジャブローを出立。
後の追うシャア・アズナブル隊は、その進路が月であることを確認した。
「キシリア様のグラナダに向かうのか?」
「まさかな。
引っかかったんだよ。
木馬は囮だ。
今頃、ジャブローからは主力艦隊が発進しているころだ」
「ならば転進してそれを・・」
「本気か?
我々が背中を向ければ木馬が攻撃してくる」
シャア・アズナブルは、かつての部下、ドレン大尉が指揮するジオン軍キャメルパトロール艦隊と連携し挟撃を目論んだ。
12月5日、ホワイトベースはキャメルパトロール艦隊を全滅させ、中立地帯のサイド6に進路をとった。
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サイド6の入管検察官、カムラン・ブルームは、サイド6に入港しようとするホワイトベースのすべての武器の発射口を赤い布を取りつけ、ブライト・ノアに、布が破られると罰金が発生すること、また補給も修理も戦争協力になるためにできないことを告げた。
そしてホワイトベースのブリッジで操舵している、かつての婚約者、ミライを見つけた。
「ミライ、ミライじゃないか。
生きていてくれたのか」
入港作業が終わり、2人きりになると猛アタック。
「なんで僕に連絡してくれなかった!
君の消息を探すのに必死で・・」
「必死で?」
「必死で探させた。
いくら費用が掛かったか知れないくらいだ」
「なぜご自分で探してくださらなかったの?
結局、親同士が決めた結婚話だったのね」
「それは違う、誤解だ。
ゆっくり話し合おう。
これから家にこないか」
そこにスレッガー・ロウが乱入し、カムラン・ブルームから眼鏡を奪い、額に軽くパンチを入れた。
「下手なちょっかい出してほしくないもんだなぁ」
結局、戦争を避けて生きてきたカムラン・ブルームにミライが魅力を感じることはなかった。


 (2290404)

ホワイトベースのクルーはサイド6に買い出しに向かった。
円筒形のスペースコロニーは、中心部が港になっていて、ここは無重力。
そこから30㎞ほどエレベーターで降下すると、重さを感じることのできる人口の地上につく。
そこには森や川、野生動物もいた。
クルーたちは山を抜け、街に向かい買い出しを行った
帰り道、偶然、アムロ・レイは本屋で会計をしている父、テム・レイをみつけた。
「と、父さん。
みんな、先に帰ってて」
「おお、アムロ。
ガンダムの戦果はどうだ?」
「はい」
「ウムッ、来るがいい」
テム・レイは、今、自分が住み込んでいるジャンクパーツ屋に息子を連れていき
「こいつをガンダムの記憶回路に取りつけろ」
と部品を渡した。
(こ、こんな古いものを・・父さん酸素欠乏病にかかって・・)
テム・レイはアムロ・レイの知っていた、かつての父親ではなかった。
ザクが起こした爆発によってサイド7から宇宙に放り出され酸素欠乏症となり以前の精悍さはなかった。
アムロ・レイは、父親と別れた後、絶叫しもらったもらった部品を地面に叩きつけ、泣いた。
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翌日、アムロ・レイは、再び、父に会うためにオープン仕様のバギーで走っていたが、砂降りの雨に遭った。
「雨の予定表ぐらいくれればいいのに」
前方に家を発見し、玄関で雨宿りさせてもらった。
それは湖畔の家で小さいボートもつないであった。
しばらくすると雨の中、湖に白鳥が舞った。
「鳥だ」
導かれるように庭に歩いていくと1人の美少女が屋根の下の椅子に座っていた。
肌は浅黒く、裾の広がった民族衣装のような黄色のワンピース、額にはヒンドゥー教の女性がするビンディがあった。
「可哀想に・・・」
彼女はつぶやいた。
すると白鳥は雨の中、着水した。
少女はアムロ・レイに気づいた。
「ごめん、別に脅かすつもりじゃなかった」
「・・・・・・」
「あの鳥のこと・・・・・・好きだったのかい?」
「美しいものが嫌いな人がいるのかしら?
それが年老いて死んでいくのをみるのは哀しい事ではなくて?」
「僕の聞きたいことはそういうことではなくて・・」
「雨がやんだわ」
と少女が立ち上がり、アムロに近づいた。
「フフフッ綺麗な目をしているのね」
「そ、そう?」
少女は裸足でかけていった。
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アムロ・レイは父親に会った後、変わってしまった彼に心の中で別れを告げた。
そして帰り道、ヌカるんだ道にタイヤをとられてしまった。
アクセルを踏んでもスリップして脱けられない。
すると前から1台の車が来たので手を上げて助けを求めた。
車はアムロ・レイに泥をかけながら停車。
降りてきたのはシャア・アズナブルだった。
「すまんな、君。
なにぶんにも運転者が未熟なものでね。
泥はかからなかったかね」
(シャア!)
驚きながらアムロ・レイは冷静に答えた。
「いいえ、よけられましたから」
「ごめんなさい。
スピードを出し過ぎたみたいね」
続いて湖畔の家であった少女が車を降りてきた。
彼女はシャア・アズナブルによって見出され、ジオンのニュータイプ養成機関で育てられたジオン軍少尉だった。
「車で引かないとダメだな。
ララァ、トランクを開けてくれ。
君も手を・・・」
「アムロ・レイです」
「ンッ?アムロ・レイ?
不思議と知っているような名だな」
首をかしげるシャア・アズナブルをみてアムロ・レイは思った。
(そう、知っている。
僕はあなたを知っている。
それにあの子ララァといったな)
アムロ・レイは、我に返って牽引する準備をするシャア・アズナブルにいった。
「すみません。
お手伝いします」
「かまわんよ。
もうすんだ」
「すみません。
あのお名前は?」
「シャア・アズナブル。
みての通り軍人だ。
ララァ、ゆっくり車を発進させるんだ」
バギーは無事、ぬかるみから引き出された。
「君は年はいくつだ?」
「16歳です」
「そうか、若いな。
敵の士官をみて硬くなるのはわかるが、せめて礼の一言くらいはいってほしいものだな」
「あっ、すいません」
アムロ・レイは慌てて牽引の後片づけを手伝った。
そして
「ほんとに、あの・・・・ありがとうございました」
と礼をいうとあわててバギーで走り去った。
「どうしたんだあの少年」
「ウフフッ、怯えていたんですよ。
大佐が赤い彗星のシャアとわかったので」
 (2290296)

ホワイトベースではサイド6からの出港についてミーティングを行われていた。
宇宙ではジオン軍が待っているのがわかっていた。
そこにカムラン・ブルームが来訪し
「サイド6の空域内でも攻撃してくるかもしれません。
せめてこの空域内だけでも私に水先案内をさせてください。
自家用機がありませので盾代わりにはなると思います」
と申し出た。
しかしミライは反発。
「余計な事をしないで頂きたいわ」
「君がこの船を下りないというなら、せめて僕の好意を」
「それを余計なことでなくて何なの」
それをみていたスレッガー・ロウはいきなりミライを平手打ち。
「バカ野郎!
この人は本気なんだよ。
わかる?
そうでもなきゃこんな無茶いえるか」
そしてカムラン・ブルームにも肩を叩きながらいった。
「あんたもあんたじゃないの。
あんなにグダグダいわれて、なんで黙ってんの」
「殴らなくたって・・・」
「本気なら殴れるはずだ」
「そんな野蛮な・・・」
「そうだ、カムランさん、気合いの問題なんだよ」
「お気持ちが変わらなければお願いできませんか?
カムラン検察官」
(ブライト・ノア)
こうしてホワイトベースはカムラン・ブルームに先導されてサイド6を出た。
ジオン軍は即座に反応。
「リックドム、全機発進させろ。
急げよ。
領空侵犯も構わん」
ドムに至近距離であおられながら、
「領空を出るまでは・・・いや、この船でついていけるところまではお供させてもらいます」
と粘るカムラン・ブルームだったが
「カムラン、ありがとう。
お気持ちは頂いたわ。
でも、でも帰ってください・・」
とミライに促され、船を反転させ、ホワイトベースの横を通過するときブリッジにその姿を追った。
(生き延びてくれよ、ミライ)
この後、ガンダムは12機のリックドムを全滅させ、さらに敵将の乗る戦艦、チベも爆発させた。
ニュータイプとして覚醒を始め、さらに感覚が鋭くなったアムロ・レイに泣き虫だった面影はなく、精悍さを増していた。
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