1stGUNDAM 1yearWar 機動戦士ガンダム 1年戦争
2021年7月25日 更新

1stGUNDAM 1yearWar 機動戦士ガンダム 1年戦争

乾杯のかけ声は「ジーク・ジオン!」どこかへいくときは「(自分の名前)、いきます」誰かにブタれたら「オヤジにもブタれたことないのに」失敗したら「坊やだからさ」赤いものは「シャア専用」 アニメ「機動戦士ガンダム」は、1979年4月~ 1980年1月に放映されたが、その衝撃は少年の心に深く刻み込まれ、オッサンになっても消えることはない。

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「人類が増えすぎた人口を宇宙に移民させるようになって既に半世紀。地球の周りの巨大なスペースコロニーが数百機浮かび、人々はその円筒の内壁を人口の大地とした。
その人類の第2の故郷で、人々はそこで子を産み、育て、そして死んでいった。
宇宙世紀0079、地球から最も遠い宇宙都市サイド3はジオン公国を名乗り、地球連邦政府に独立戦争を挑んできた。
この1ヶ月あまりの戦いで、ジオン公国と連邦軍は総人口の半分を死に至らしめた。人々は自らの行為に恐怖した。戦争は膠着状態に入り8ヵ月あまりが過ぎた」
そんなナレーションで始まる「機動戦士ガンダム」は、宇宙世紀(U.C.)0079年1月3日~0080年1月1日に行われた「1年戦争」の終盤4ヵ月間を描いた作品。
この後、

U.C.0083年 「機動戦士ガンダム0083」
U.C.0085年 「機動戦士Zガンダム」
U.C.0088「機動戦士ガンダムZZ」
U.C.0093年 「機動戦士ガンダム 逆襲のシャア」】
U.C.0096年 「機動戦士ガンダムUC(ユニコーン)」
U.C.0105年 「閃光のハサウェイ」
U.C.0120年 「機動戦士ガンダムF90」「機動戦士ガンダムF91」
U.C.0133年 「機動戦士クロスボーン・ガンダム」
U.C.0149年 「機動戦士Vガンダム」

とシリーズは続く。
「ファーストガンダム」といわれる所以だが、後続に比べ、その画(え)のレベルは決して高いとはいえない。
にも関わらず全シリーズを通して最高の名作の1つとして称えられている。

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「機動戦士ガンダム」には

・テレビアニメ43話
・映画「Ⅰ」「Ⅱ 哀・戦士編」「Ⅲ めぐりあい宇宙編」の3部作

がある。
いわゆるロボットアニメ、戦争アニメで、主人公は少年。
理不尽な大人の戦いに巻き込まれ、傷つきながらも生き抜き、成長していく少年兵の話。
彼が所属する連邦軍は善、ジオン軍は悪っぽく描かれる。
しかし決して勧善懲悪のヒーローものではなく、見方によっては悪モノにみえる人にも正義があることがわかる。
連邦という圧倒的権力から独立を望む、小さなジオン軍を応援する「ジオン派」も多い。
戦時下、連邦軍側にもジオン側にも、権力者や独裁者がいて、彼らの中には味方に殺されてしまう者もいる。
そして彼らに翻弄される人々には、それぞれ事情や思いがあり、人間関係が複雑に絡み合っている。
地球とその周辺の宇宙で戦争が行われるガンダムのテーマは
『人はなぜ戦うのか』
『人はわかり合えるのか』
しかしその答えは出ない。
それがガンダム。
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人類は、イエス・キリストが生まれた年をはじまりとする「西暦(A.D.、Anno Domini)」で歴史を刻んできた。
時代が進み、国家の垣根が取り払われ地球連邦政府が樹立される頃には、総人口は90億人を突破し、環境問題や資源問題が深刻化。
人類は宇宙に巨大なコロニーを浮かべ移住することを決めた。
同時にこれを機に西暦から「宇宙世紀(U.C.、Universal Century)」に移行されることになった。
U.C.0001年1月1日、その記念すべき元年元日、首相官邸ラプラス(宇宙ステーション)で改暦セレモニーが行われ、地球連邦政府初代首相:リカルド・マーセナスはスピーチを行った。
「我々は宇宙世紀という未知の世界に踏み出そうとしています。
去り行く西暦。
誰もがその一部である人類の歴史に思いをはせ、そして祈りを捧げてください。
宇宙に出た人類の先行きが安らかであることを。
我々の中にある可能性というの神を信じて」
万来の拍手が沸き起こった直後、首相官邸ラプラスは爆発した。
犯人は連邦政府に反対する軍事主義者だといわれているが、真相は不明。
この爆破テロ事件によって新たな世紀は始まった。
以後も宇宙移民は進み、総人口110億人の約半数が遠心力によって重力を発生させた円筒型の宇宙コロニーの内側を大地として暮らした。
しかしスペースコロニーにいくは労働者階級で、政治家、官僚、富裕層は地球に残った。
スペースコロニーは、政府に重税を課されるなど不当に搾取され、まるで植民地だった。
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U.C.0040年、
シャア・アズナブル(キャスバル・レム・ダイクン)の父親、ジオン・ズム・ダイクンは、人々に
「宇宙移民者たちは余剰人口者として宇宙へと追いやられたことが真実であり、星々を身の周囲に置き、寝食を共にした我々、スペースノイドは、人として新しく生まれ変わりつつあることを自覚していた。
宇宙の民として、この厳しい環境の中で闘い抜き世代を重ねてきて、かつて人の歴史を築き上げてきた地球を見上げ見下ろして思うことは、あの緑なす青く輝く地球こそは人類の発祥の星として永遠に守り続けなければならない聖地であるということであった。
宇宙の民として拡大した認識の力が判断する所には、地球は一部のエリート意識に固まった人々の生活の場として残されたものでもなく、特権階級の象徴の場として汚させてはならないのだ」
と訴えた。
「地球は聖地として保護し全人類は宇宙へ住むべき」
という考え方はスペースノイド(宇宙移民者)の間で広まり
「エレズム(地球聖地論)」
と呼ばれるようになった。
さらに数年後、ジオン・ズム・ダイクンは
「スペースノイドは経済的にも政治的にも自活が可能であり、連邦政府と対等な自治権を持つことができる」
「サイドの自治権、コロニーの主権を持つことは、地球に存在する主権に拮抗させんがためのものではなく、人類が1人残らず宇宙に翔び、地球圏そのものの主権をサイドの連合に置き地球を人類全体の聖地として守るべきだ」
「そのためのコロニーの拡大は容易であり、かつてキリスト者たちがその宗教の発祥の地をめぐって血なまぐさい争いを演じた歴史があるが、自分達はその誤ちを犯してはならない」
と主張。
U.C.0052年、
ジオン・ズム・ダイクンは、地球周回軌道上で、地球から一番離れた月の裏側付近にあるスペースコロニー「サイド3」へ移住。
サイド3を、ミノフスキー物理学を応用し、人工太陽を内部に持ち、単独での自給自足が可能となる密閉型コロニーに改修。
他のコロニーからの移民を奨励。
サイド3は、他のサイドの倍の人数が暮らすようになった。
U.C.0058年、
ジオン・ズム・ダイクン、デギン・ザビとギレン・ザビの親子、ジンバ・ラルらが革命を起こし、サイド3は「ジオン共国」として独立を宣言。
ジオン国軍も設立された。
「地球に居残る人々が天を見上げて、天にある人の支配を成さんとするのは笑止である」
他のサイドはジオンに大きな共感を示した。
U.C.0059年、地球連邦政府は、ジオン共国に経済制裁を実施。
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U.C.0063年、ジオン・ズム・ダイクンが議会で演説中に急死。
側近だったデギン・ザビが後を継いだ。
ジオン・ズム・ダイクンは病死とされたが、シャア・アズナブル(キャスバル・レム・ダイクン)と妹のセイラ・マス(アルテイシア・ソム・ダイクン)、そしてジンバ・ラルは、
「ジオン・ズム・ダイクンが暗殺者だと名指ししようとした動作をデギン・ザビが後継者に指名されたように装った」
とデギン・ザビによる暗殺とみていた。
長年、ジオン・ズム・ダイクンを支えてきたデギン・ザビは、同志だったジンバ・ラルの排除を自分の子供達に指示。
ザビ家による迫害を受けたジンバ・ラルは、シャア・アズナブル(キャスバル・レム・ダイクン)とセイラ・マス(アルテイシア・ソム・ダイクン)を連れて地球へ脱出。
スペインのアンダルシアに住むテアボロ・マスに匿われた。
母親、アストライア・トア・ダイクンと生き別れとなったシャア・アズナブル(キャスバル・レム・ダイクン)は、ザビ家への復讐を誓った。
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ダイクン派を一掃したザビ家、すなわち

父親のデギン・ザビ
野心家の長男、ギレン・ザビ
無骨な次男、ドズル・ザビ
男勝りの長女、キシリア・ザビ
美男子の三男、ガルマ・ザビ

はそれまでのやり方を一変させた。
国内には独裁的な政治を行い、地球連邦に対しては実力行使も辞さない強硬な姿勢を示した。
デギン・ザビは、ジオン・ズム・ダイクンの正当な後継者であると印象づけるために首都の名を「ズム・シティ」とし
「ジオンの大望を成すために」
と共国(国民により選ばれた大統領や首相が国のトップ)から公国(王様や貴族が国のトップ)へ変えて、自ら「公王」となった。
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ギレン・ザビは、総人口1億5000万人のジオン公国の「総帥」として、総人口100億人を超える地球連邦と戦い、勝つための準備を着々と進めていった。
「ジオン公国の国民こそ選ばれた優良種である」
とプロパガンダ放送を制作、放送し国を鼓舞し、軍備増強を推し進めた。
ジオン軍は、ミノフスキー粒子の立方格子構造を利用し、驚異的な出力を落とすことなく小型化した新型核エンジン、それを搭載した人型有人機動兵器「モビルスーツ(MS)」を開発した。
「ミノフスキー粒子」の始まりは、トレノフ・Y・ミノフスキー博士による未知の素粒子の存在の仮説だった。
ミノフスキー粒子は、静止質量がほとんどゼロで、極めて強力な帯電性質を有し、一定濃度において立体格子状に整列する性質を持つ。
ミノフスキー粒子が散布された空間ではミノフスキー粒子より大きい物質を通さない。
電波、一部の可視光線、赤外線を遮断するため、戦場に散布すれば、あらゆるレーダーや通信機器を妨害する効果を生む。
しかしその仮説を学会は受け入れず、失意のミノフスキー博士は、デギン・ザビの知己を得て研究の場をサイド3へと移した。
そして熱核融合炉内で特殊な電磁波効果を発見し、ミノフスキー粒子の存在を証明。
数年後には、ミノフスキー粒子の立方格子構造を利用して放射線を遮断する小型の核融合炉の開発に成功した。
モビルスーツの開発は国営企業であるジオニック社が進めていたが、公式には
「作業用マシンの開発」
と発表していた。
地球連邦は警戒し、ジオニック社内で行われたテストの映像を入手したが、兵器としての可能性は見出せなかった。
この映像は一般にも出回り
「かわいい」
「ゆで卵のカラはむけるのか?」
「毛糸のマフラーは編めるのか?」
「積み木は積めるのか?」
などといって楽しませたが、実際、ジオニック社では約18mもあるMS-05ザクで積み木の練習を行っていた。
映像はジオニック社が意図的にリークしたもので、地球連邦側の反応を試していた。
笑うべきは地球連邦側のうかつさだった。
ミノフスキー粒子によりレーダーと射撃による遠距離戦は不可能になり、接近戦が主流となることをジオン軍だけが知っていた。
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U.C.0072年、
急速に軍国化していくジオン公国をみて、トレノフ・Y・ミノフスキー博士は、自分の技術が戦争に利用されることを恐れ、地球へ亡命。
地球連邦の技術士官でアムロ・レイの父親、テム・レイ大尉を指導し、その技術を地球側にももたらした。
U.C.0078年、
地球連邦軍は、諜報活動、新兵器開発などを含む「RX計画」をスタートさせた。

一年戦争1 開戦~コロニー落し

U.C.0079年1月3日7時20分、ジオン公国は地球連邦政府に対して宣戦布告。
3秒後、月面都市「グラナダ」を攻撃。
8時2分、ジオンに加担しなかったサイド1、2、4を、軍民関係なく無差別攻撃。
この最初の攻撃で28億人が死亡した。
1月4日、ギレン・ザビは
「これは愚劣なる地球市民に対する裁きの鉄槌である」
とスペースコロニーを南米にある地球連邦軍本部「ジャブロー」へ落下させる「ブリティッシュ作戦」を発動。
サイド2のコロニー「アイランド・イフィッシュ」に対し、ジオン軍のシーマ・ガラハウ部隊が毒ガスを注入し2000万人の住民を虐殺し、核パルスエンジンを装着。
1月10日、アイランド・イフィッシュがジャブローへの落下軌道に投入されると、地球連邦軍は、必死の攻撃。
大気圏突入から約40分後、アイランド・イフィッシュは崩壊し始め、予定コースを外れていった。
前端部がオーストラリアのシドニーを直撃。
厚さ10kmの地殻を貫通し、M9.5の大地震を発生させ、後に「シドニー湾」となる最大直径500kmの巨大クレーターをつくり、オーストラリア大陸の16%を消滅させた。
残るコロニーの1/3は太平洋に、2/3は北米大陸に落下した。
1月11日、サイド6が中立宣言。
ジオン軍は、「ブリティッシュ作戦」を継続。
再度、コローニー落しを行うためサイド5に侵攻。
1月14日、
「ジオンの巨人どもをこれ以上進ませるわけにはいかん」
レビル将軍の第3艦隊を中核とする地球連邦の連合艦隊が宇宙要塞「ルナツー」を発進。
1月15日、サイド5宙域で両軍は激突し、圧倒的に数で優る地球連邦軍にドズル・ザビが率い、モビルスーツを持つジオン軍が圧倒。
地球連邦軍は、第3艦隊と第1艦隊がほぼ壊滅。
その上、レビル将軍がジオン軍の捕虜となった。
ジオン側も消耗が激しく、コロニー落しを実行することはできなかった。
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この一戦で19歳のシャア・アズナブルは、赤く塗装されたザクを通常の3倍以上の速度で操縦し、1人でサラミス級戦艦4隻、マゼラン級戦艦1隻を撃沈し、中尉から少佐に2階級特進。
以後、「赤い彗星」の異名で呼ばれるようになり、地球連邦軍にとっては恐怖の存在となった。
1月17日、ジオン公国は、捕虜となったレビル将軍の姿を全地球圏に放送。
1月22日、極秘裏に地球連邦軍特殊部隊がレビル将軍奪還作戦を開始。
1月28日、相次ぐ勝利とレビル将軍捕獲で圧倒的に有利になったジオン軍の総帥、ギレン・ザビは、サイド6を通じて地球連邦政府に休戦条約の締結を打診。
1月31日、ジオン公国と地球連邦が南極で交渉。
ジオン公国が提示した休戦条約は、事実上の降伏勧告だったが地球連邦に戦争を継続する力は残っておらず、受け入れもやむなしと思われたとき、奇跡が起こった。
調印直前、捕虜となっていたレビル将軍が生還を果たし
「私はこの目でジオンの内情をつぶさにみてきた。
我々も苦しいがジオンも苦しい。
彼らに残された兵はあまりに少ない」
と放送で暴露。
これにより地球連邦は継戦に傾き、南極交渉は

・(コロニー落しなど)大量破壊兵器使用禁止
・核ミサイルの設計図の公開
・サイド6など中立宣言区の承認
・捕虜の取り扱いについて

などいくつかの軍事条約を締結したのみで終わった。
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