両親の了承のもとに、精神病棟に強制入院され、そこの心に闇を抱えながらも、個性豊かすぎな患者たちと交流したり問題起こしたりし、その中で、自分の内面と(第三者の世界との折り合いを見つけつつ)見つめていく……。
ファンの感想
17歳だった時、友人と17歳のカルテを観た。観た後どんな感想を言えばいいのかわからず二人で沈黙していた。それくらい衝撃だった。ウィノナ・ライダーも人形みたいに綺麗だけど、それ以上にアンジェリーナ・ジョリーの美しさと存在感がすごい!https://t.co/eyAfYRKTf0
— namii_movie (@namii33984092) September 14, 2017
守ってあげたくなるような少女でいて、実は負けん気の強い少女、でもか弱い“不器用”が似合う少女。なんと形容したらいいのかわかりませんが、ただそこにいる圧倒的存在が凄かったですね…!
1960年代という背景
60年代後半と言えば、伝統や制度に縛られた社会生活を否定する事を信条とした、ヒッピー(伝統・制度などの既成の価値観に縛られた人間生活を否定することを信条とした考え方)や反戦思想の時代でした。つまりその時代背景を「精神病」と言う形で描写しているのです。ラストのシーンで、「70年代には入院患者の殆どが社会に戻った」と言う独白から、彼女達の大半は「精神病」ではなかったかもしれないと推測します。異常ではなく「異常なフリ」をしている様に見えるのです。少しでも異常な行動や言動を取ると異常者に仕立てられる。それが世の中に対する不信や逃避を生み、彼女達の精神を追い込んだのかもしれませんね。
ちなみにスザンナやウィノナが罹った境界性人格障害(ボーダーライン・ディスオーダー)はチャールズ皇太子の王妃だったダイアナも罹っていました。
つまり、スザンナは世の中の仕組みと自分の中の内面との間に“帰る道を探そうとしている女の子”。何が彼女たちを不安に陥れたのかという安易な謎解きにたよることなく、不安の本質を真摯に見つめている。この映画を見れば、人は誰だってどこか不完全なんだと気付くのではないでしょうか。
恋のダウンタウン
Petula Clark Downtown. original version
元々はスザンナがタクシーで病院に向かっていく時に流れていたのをひょんなことから夜中、心が沈んでしまった入院仲間にこの歌をギターで弾きながら歌います。(※もちろんルール違反でした)
そしてラストにでも流れる「恋のダウンタウン」はスザンナにとって思い入れ深い曲となったのでした。
17歳のカルテのタイトル由来
2000年の流行語大賞候補に「一七歳」がノミネートされ、トップテン入賞となった。また、2001年にはこの年代にスポットを当てたテレビ朝日系ドラマ「R-17」が放送された。
原作
映画と原作にはそれぞれ異なった魅力もあるのでこちらもおススメいたします。