大映テレビ『赤い運命』が高視聴率ですごかったその内容とは?今だからわかる裏話が凄い!
2019年12月2日 更新

大映テレビ『赤い運命』が高視聴率ですごかったその内容とは?今だからわかる裏話が凄い!

山口百恵さん主演の赤いシリーズの「赤い運命」を振り返ると、こんなにドロドロした人間関係と心の葛藤のドラマがあっただろうか!?と思うほど、忘れられないドラマのひとつに挙げられる方も少なくないと思います。 ここではそんな「赤い運命」を、当時は知らなかった裏話を紹介しつつ、振り返っていきます。きっともう一度!見たくなること間違いなしです。 間違いなく今見ても、憎々しい程の葛藤が繰り広げられるドラマです。

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『赤い運命』とはどんなドラマだった?

1976年4月23日 - 10月29日 に放送された、赤いシリーズとしては、3作目の「赤い運命」です。

山口百恵さん主演としては、「赤い疑惑」に続き、2作目なのがこの「赤い運命」になります。

「赤い疑惑」でキーワードになったのが、白血病という血液のがんでした。

この病気が世間一般にも広く認知されたキッカケを作ったことでも有名なドラマです。

そして「赤い運命」のキーワードは、1959年(昭和34年)9月26日に上陸し、のちに「伊勢湾台風」と呼ばれ、大きな被害をもたらすことになる台風がありました。

白血病と大きな台風というそれぞれの状況の中で人々の関係や心模様がドラマのストーリーの中で交差していく作りというのは、やはり似ているところがあるように感じます。

ただ、赤いシリーズの中で「赤い疑惑」の方が有名だったり、人気が高かったのですが、筆者的には、ここで紹介する「赤い運命」がより印象的だったドラマとしておすすめします。

人の心の奥底にあるものを浮き彫りにしたからこそ、こんなにも観ていて、時として嫌な気持になり、時として安堵にも似た気持ちになりました。

または、どうしてそこで!!と思わず、自分とは違うものに対して憤りを感じたこんなドラマがあったかと、今思い返しても感じます。

「赤い運命」というドラマはそんなドラマなのです。

「赤い運命」の主なキャスト

役名 俳優名
吉野信人 宇津井健
若杉京子島崎直子吉野いずみ 山口百恵
青山圭子吉野いずみ島崎直子 秋野暢子
大竹由美子(吉野世津子) 岸田今日子
吉野俊介 南条豊
島崎栄次 三國連太郎
吉野剛造 志村喬
山村美矢子 有馬稲子
志村喬さんは第15話で降板、有馬稲子さんも 第17話で降板しています。

「赤い運命」のストーリー

17年前の1959年(昭和34年)9月26日、日本列島に大きな被害をもたらした「伊勢湾台風」で消息不明になった生後幼い赤ちゃんと若い母親。

17年経ってその行方が分かるも、運命のいたずらか、幼子を証明するはずのものが取り違えられ、向かうべき家族の元も行き違うことになるところからストーリーが展開されていきます。

施設で育った二人の少女、一人は検事の娘として、もう一人は刑務所から出所したばかりの父親のもとに間違えて引き取られることになる、交差する二人の娘の運命は?
こうしてストーリーを回想していくだけでも、あの時にどうして、行き違ってしまったの!?
どうして間違いだってわかった後もそんな風に出来るの?

世の中には、本当の事だからと言ってその通りにして、すべての人の気持ちが収まるという事がないという事実もあるというのを知ったドラマでした。

でも真実とまっすぐな思いだけは何よりも勝ることも納得するドラマでもありました。

『赤い運命』の見どころ

赤い運命

「赤い運命」が印象的だったのは、毎回始まった時のあの、伊勢湾台風のシーンです。



昭和34年9月26日。この日、潮岬(しおのみさき)西方より紀伊半島(きいはんとう)に上陸した台風15号は、各地に甚大な被害を与えた。

 即ち、死者・行方不明5,200余名、負傷者44,000余名、被災害数153万。

 いわゆる「伊勢湾台風(いせわんたいふう)」がこれである。 

例年、空く事の無く襲いかかるこの自然の暴力は、常に幾多の悲劇を生み、その災難に巻き込まれた人々の運命を大きく変え続けたが、この「伊勢湾台風」もまた例外ではなかった。

この日、生後間もない幼子を抱えた若い母親が、嵐の中で消息を絶った。 それは、まさに運命の日であった。 全ては、17年前のこの日から始まったのだ。
ナレーターは若山弦蔵さんで、1932年生まれの現在でもフリーで活躍されている、日本を代表する俳優、ラジオパーソナリティ、ナレーター、声優さんです。

一番有名なところで、映画007のショーン・コネリーの声というとわかる方も多いでしょうか。この赤い運命の冒頭の伊勢台風の場面も衝撃的でここからすべてが始まったというのが何とも言えない気持ちになります。

話がそれましたが、ドラマの見どころとしては、献身的健気さの役どころの山口百恵さん。

天国から奈落へと変わる立場の役の秋野暢子さん。鬼の様な人柄が人間らしさを取り戻す役の三国連太郎さんという人の心の葛藤にも注目してほしいと思います。

現在のドラマで「赤い運命」を再放送するとしたら...ぜひ、三國連太郎さんの役の島崎栄次を、息子の佐藤浩市さんに演じてほしいなという個人的に思います。

『赤いシリーズ』のエピソード

ここで紹介している特に「赤い運命」、そして、『赤いシリーズ』のエピソードとして、当時は知らなかったことでも、後になって披露された裏話などを集めてみました。

ドラマ途中で消えた大物俳優たち

「赤い疑惑」(75年)では百恵の母親役である八千草薫が第6話で、「赤い運命」(76年)では名優の志村喬が途中で降板している。

その理由は、あまりにも多忙だった百恵のスケジュールが原因とされている。
八千草薫さんと志村喬さんに加えて、「赤い運命」の有馬稲子さんも途中降板しているんですね。

もしかして?当時の芸能ニュースの様な番組だあれば、報道もされていた?のかもしれませんが、当時はまだ芸能界の裏話にも興味がなかった子供だった筆者なので、分からなかったですね。

時間は常に百恵さんのスケジュール次第だったり、一番、怒らせたのは、百恵さん本人がいないのに、百恵さんに成りすました人(影武者)を置き、映像では影武者の後ろ姿で、その影武者に向かって演技するという手法が大物俳優さん達のお怒りを受けたという事の様です。

多忙スケジュールの百恵さんにセリフ配慮

当時、特にアイドル歌手として、または女優としての山口百恵さんのスケジュールは、とにかく多忙だったということで、「赤い運命」でも百恵さんのセリフに配慮がされていたというエピソードがあります。

他の方のセリフに比べて百恵さんのセリフは「・・・・・が多く、どちらかというと、表情で魅せる演技になっていた様です。

取り巻きから一人で出てきた山口百恵さん

控え室で見かける百恵は、いつも多くのマネジャーやレコード会社のスタッフに囲まれていた。とても声などかけられそうもない雰囲気だが、原はシリーズごとに1度は「1人で出ておいで」と耳打ちする。「私たちレギュラーの役者陣が一緒にお昼を食べる小さなお店があって、そこにちゃんと1人で顔を出してくれたわよ」
赤いシリーズでは、よく意地悪な役どころで出演していた女優の原知佐子さん談が2014年のAsagei+に載っていました。

それによると、大人気アイドルの百恵さんがドラマ撮影の現場に来る時が常にマネージャーやレコード会社の大人たち」に囲まれていたそうです。

原さんだけはそんな百恵さんに声をかけてみんなと一緒にご飯を食べる様にそんな場を作ってくれていたのだとか。

ドラマではイジワル極まりない!と思って観ていても、楽屋ではそんなエピソードもあったのですね。
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