ナンバーガール
90年代の邦楽ロック界。
イカテンでのバンドブームの余韻が残る中、多くのバンドは日向から日陰へ消え、ブランキージェットシティなど一部のバンドだけが生き残っていた。
ブルーハーツは諸般の事情(もごもご)により↑THE HIGH LOWS↓になってたし、ミッシェルガンエレファントのライブチケットは毎回ソールドアウト。ギターウルフは革ジャンを着て汗だくでビールを浴びるように飲み、おマンチェ好きはスーパーカーの「スリーアウトチェンジ」に見事打ち取られた。
そんな時代。
via pbs.twimg.com
ナンバーガールとは、
もともと向井が宅録時代に名乗っていたユニット名が「ナンバーファイブ」(ビートルズの編集盤から命名)であり、その後バンドを一緒に組もうとした人達が以前やっていたバンド名が「カウガール」(ニール・ヤングの曲「Cowgirl In The Sand」から命名)であった為、これを合体させたものである
無愛想にしてユーモア満載の詞世界。豪快でありながらナイーヴに張りつめた、向井秀徳、田渕ひさ子、中尾憲太郎、アヒト・イナザワのアンサンブル。錯乱の彼方から世界とロックを射抜く鋭利な攻撃性……それまでのギターロックとはあからさまに異質な音と歌を響かせ、時代性やスター性には一瞥もくれることなく、あまりにも鮮烈に時代を突き刺していったナンバーガール。
メンバー
1995年、バンドを結成するまで宅録を行っていた向井秀徳がバンドを組もうと決意し、当時ライブハウスで照明のアルバイトをしていた中尾憲太郎を誘う。その中尾がライブを観て是非組もうと思っていたのが田渕ひさ子であり、そのまま田渕も呼ばれることになる。その後、昔からアヒト・イナザワのドラムスタイルに惚れ込んでいた向井が、アヒトが参加していたバンドを脱退したことを聞き彼をさそい、メンバーが揃う。
2002年にバンドは解散する。
その後、向井は「ZAZEN BOYS」として更に深化をしている。
変速リズム、サンプリング、実験性。
掻き鳴らされていた初期衝動は、ロックンロールと言う形骸化したジャンルを越えて、インプロバイゼーションを含む変態ロック音楽として昇華しつつある。
つんのめるような変速さ、異様に長い溜め(30秒近く全員が身構えたまま固まったり)、急なアドリブアレンジ。
向井ほどに「言葉」と言うものを操れるミュージシャンはかなり稀有だと思う。
ナンバーガールは、向井のメガネであり、ポロシャツ。
メガネは、不良に反する。
不良でもなんでもない部活動の延長線上にも一見見えるカジュアルな格好。上っ面の「不良ロック」なテンプレートを踏襲しない。
ロック=モテる、ではなくイメージ上の「普通の青春」のカリカチュアライズ。
向井は初期衝動を歌う。
その声が音と一体化する事で歌詞が掻き消え、典型的な
「ボーカル+バンド」
という構成ではなく
「バンド(ボーカル)」
バンドはボーカルの背後で鳴るのではなく、楽器と同列にボーカルが存在し、ギターがコードを押さえられ鳴らされるのと同じように、向井の歌は歌詞をただの音階として鳴り響く。
「繰り返される諸行無常、蘇る性的衝動」
なんども使われる歌詞は既に本来の意味を無くし、人力サンプリングと同じく繰り返される事で記号化する。
記号化した意味の分からない歌詞。
それは声と歌を単なる音にするための手段として機能している
via www.cinra.net
via canopusdrums.com
作品
シングル作品
1st 1998年8月20日 DRUNKEN HEARTED
2nd 1999年5月26日 透明少女
3rd 1999年9月22日 DESTRUCTION BABY
4th 2000年5月31日 URBAN GUITAR SAYONARA
5th 2000年11月29日 鉄風 鋭くなって
6th 2002年3月20日 NUM-AMI-DABUTZ
7th 2002年4月8日 I don't know
1st 1998年8月20日 DRUNKEN HEARTED
2nd 1999年5月26日 透明少女
3rd 1999年9月22日 DESTRUCTION BABY
4th 2000年5月31日 URBAN GUITAR SAYONARA
5th 2000年11月29日 鉄風 鋭くなって
6th 2002年3月20日 NUM-AMI-DABUTZ
7th 2002年4月8日 I don't know
アルバム作品
結成当初から地元福岡でチェルシーQなどのイベントを中心に精力的に活動しつつ、1996年『Atari Shock』や1997年『omoide in my head』など、自主制作カセットテープを作成及び販売する。
1997年11月、羽生和仁主宰の福岡のレーベル、automatic kissから1stアルバム『SCHOOL GIRL BYE BYE』をリリース。SUPERCARやくるりなどと共に「'97の世代」と呼ばれた。