via pixabay.com
数日後、家のそばに女の子が2人組でいて
「あのー返事どうなりました?」
ショートカットの女の子に聞かれ、あれ以来、・・くんと会っていない黒田有は、
「なんかアイツ、忙しいみたいやで」
と適当に返事。
ロングヘアーの女の子が悲しそうにうつむくとショートカットの女の子が
「聞いてもらえません?」
「今度会ったら聞いとくわ」
「電話で聞いてみてください」
語気を強めていうショートカットの女の子に黒田有は心の中で怒りが湧き、
『なんで俺が。
自分で直接聞けや』
といいたかったが、それを怒りを圧倒的に上回る恋心と下心によって
「わかった」
と返事。
「ありがとう。
また明日来ます」
と元気よくいって、ロングヘアーの女の子の手を引いて帰っていくショートカットの女の子を見送った。
「あのー返事どうなりました?」
ショートカットの女の子に聞かれ、あれ以来、・・くんと会っていない黒田有は、
「なんかアイツ、忙しいみたいやで」
と適当に返事。
ロングヘアーの女の子が悲しそうにうつむくとショートカットの女の子が
「聞いてもらえません?」
「今度会ったら聞いとくわ」
「電話で聞いてみてください」
語気を強めていうショートカットの女の子に黒田有は心の中で怒りが湧き、
『なんで俺が。
自分で直接聞けや』
といいたかったが、それを怒りを圧倒的に上回る恋心と下心によって
「わかった」
と返事。
「ありがとう。
また明日来ます」
と元気よくいって、ロングヘアーの女の子の手を引いて帰っていくショートカットの女の子を見送った。
via pixabay.com
家の電話は料金滞納のため不通なので、ブタの貯金箱からなけなしの小銭を取り出し、それを握りしめて近所の公衆電話へいき、・・くんの家に電話。
「高校受験があるから女の子と付き合っている暇はない」
といわれる。
翌日、2人組が家の前で待っていたので、そのまま伝えると、ロングヘアーの女の子は、
「じゃあ、高校に入るまで待ちます」
それを聞いて黒田有が、
「じゃあ」
といって家に入ろうとすると、ロングヘアーの女の子は
「また来ていいですか?」
「なんで?」
聞くとロングヘアーの女の子は、・・くんのことをいろいろ教えてほしいという。
(俺も受験があるのに・・)
と思ったが下心がうずき
「別にいいよ」
するとショートカットの女の子が笑顔で
「じゃ、これからはこの子1人で来ますんで」
といった。
(おい、ちょっと待て。
俺はお前が好きで興味があるのに、なんで忙しい受験勉強中に友達の恋してる女と話さなアカンねん)
と思い、
『君も一緒に‥』
といいたかったができず、ショートカットの女の子は
「ありがとう」
と再び微笑み、ロングヘアーの女の子の手を引いて帰っていった。
その後、母親に
「その女の子ら、アンタの友達か?」
と聞かれ
「友達とかやない」
「そうやろな。
あれ、お嬢様学校の・・女子中の制服や。
アンタみたいなもんが、あんなお嬢様と友達になんかなられへん」
そこで黒田有は、
(そうか、・・女子中はエスカレーター式だから受験がないんや!)
と気づいた。
「高校受験があるから女の子と付き合っている暇はない」
といわれる。
翌日、2人組が家の前で待っていたので、そのまま伝えると、ロングヘアーの女の子は、
「じゃあ、高校に入るまで待ちます」
それを聞いて黒田有が、
「じゃあ」
といって家に入ろうとすると、ロングヘアーの女の子は
「また来ていいですか?」
「なんで?」
聞くとロングヘアーの女の子は、・・くんのことをいろいろ教えてほしいという。
(俺も受験があるのに・・)
と思ったが下心がうずき
「別にいいよ」
するとショートカットの女の子が笑顔で
「じゃ、これからはこの子1人で来ますんで」
といった。
(おい、ちょっと待て。
俺はお前が好きで興味があるのに、なんで忙しい受験勉強中に友達の恋してる女と話さなアカンねん)
と思い、
『君も一緒に‥』
といいたかったができず、ショートカットの女の子は
「ありがとう」
と再び微笑み、ロングヘアーの女の子の手を引いて帰っていった。
その後、母親に
「その女の子ら、アンタの友達か?」
と聞かれ
「友達とかやない」
「そうやろな。
あれ、お嬢様学校の・・女子中の制服や。
アンタみたいなもんが、あんなお嬢様と友達になんかなられへん」
そこで黒田有は、
(そうか、・・女子中はエスカレーター式だから受験がないんや!)
と気づいた。
via pixabay.com
次の日もその次の日もロングヘアーの女の子は家の前にやってて、毎日15分、・・くんについて質問攻め。
しかし3日目、パタリと現れなくなり、その後も何の音沙汰もなかった。
黒田有は、ラッキーと思いつつ、さみしさも感じていた。
夏休みが終わり、秋になり、学校から帰ると背後から
「お久しぶり!」
という元気な声。
振り返るとショートカットの女の子がいて、驚いていると
「今日は謝りに来たんです」
聞けばロングヘアーの女の子は、別に好きな男の子ができたという。
「あの子熱しやすくて冷めやすいから・・・」
笑いながらいうショートカットの女の子に
「なんで君が代わりに来るん?」
と聞くと
「あの子の好きな人、めっちゃヤキモチ焼きで他の男の子と話するだけで怒るから」
黒田有は、
(なんて勝手な女や!)
と思いつつ、目の前のショートカットの女の子には
(なんていい子なんや)
しかし3日目、パタリと現れなくなり、その後も何の音沙汰もなかった。
黒田有は、ラッキーと思いつつ、さみしさも感じていた。
夏休みが終わり、秋になり、学校から帰ると背後から
「お久しぶり!」
という元気な声。
振り返るとショートカットの女の子がいて、驚いていると
「今日は謝りに来たんです」
聞けばロングヘアーの女の子は、別に好きな男の子ができたという。
「あの子熱しやすくて冷めやすいから・・・」
笑いながらいうショートカットの女の子に
「なんで君が代わりに来るん?」
と聞くと
「あの子の好きな人、めっちゃヤキモチ焼きで他の男の子と話するだけで怒るから」
黒田有は、
(なんて勝手な女や!)
と思いつつ、目の前のショートカットの女の子には
(なんていい子なんや)
via pixabay.com
そして自然と
「なあ、ロイホいかへん」
と近所にできたファミリーレストランに誘った。
ショートカットの女の子は快くOK。
黒田有は、タの貯金箱から小銭を取り出し、自転車に2人乗りしてロイホへ。
シャンプーの香りに心を躍らせながら店に到着。
おかわり自由のドリンクバーを注文し、飲めないコーヒーを無理やり何杯もおかわりしながら語り合い、ショートカットの女の子から
「またここで会いましょう」
といわれたときは、心の中でガッツポーズ。
「朝6時に集合」
といわれ、理由をきくと、ショートカットの女の子の家は門限が厳しいが、朝早い分はいつでも会えるという。
「なあ、ロイホいかへん」
と近所にできたファミリーレストランに誘った。
ショートカットの女の子は快くOK。
黒田有は、タの貯金箱から小銭を取り出し、自転車に2人乗りしてロイホへ。
シャンプーの香りに心を躍らせながら店に到着。
おかわり自由のドリンクバーを注文し、飲めないコーヒーを無理やり何杯もおかわりしながら語り合い、ショートカットの女の子から
「またここで会いましょう」
といわれたときは、心の中でガッツポーズ。
「朝6時に集合」
といわれ、理由をきくと、ショートカットの女の子の家は門限が厳しいが、朝早い分はいつでも会えるという。
via pixabay.com
黒田有は、喜んだが問題はお金だった。
その日も
「割り勘で・・・」
ということができかった黒田有は、
「一生懸命やれば週に2度くらいは彼女とコーヒーが飲める」
と針金の枠に薄い紙を張った金魚すくいの道具、ポイに紙を張る内職を開始。
「受験シーズンに何しとる」
と怒る母親を無視し、紙を張り続け、週2回、ショートカットの女の子と他愛のない話をした後、登校。
学力は低下し、学校の先生に
「目標をもう3ランク下の高校に」
といわれたが、すでに高校なんて、どうでもよくなっていた。
via pixabay.com
冬が過ぎ、春になり、高校生になっても早朝のロイホデートは続いていた。
高校で後ろの席のKと友達になった黒田有は、いつもケラケラ笑い合っていたが、ある日、
「彼女おるん?」
といわれ、沈黙。
ロイホデートは続けていたが、告白したことはない。
Kに
「なんや。
おるんか」
といわれ、
「好きな子はおる」
そういうとKは
「会わせろ」
といい出し、彼女をみてほしかった黒田有は承諾。
彼女にそれを伝えると、
「それなら家に来て」
といわれた。
学校帰り、渡された地図をみながらKと一緒に女の子の家へ。
到着すると驚くほど大きな家で、私服姿のショートカットの女の子が迎えられ、制服の彼女しかみたことがなかった黒田有は興奮した。
その後、彼女の部屋で3人、ワイワイ話をした。
ほとんどKがしゃべり、何とも思っていない女子の前ではベラベラしゃべれるが、気になる女性の前では無口になってしまう黒田有は、Kの話しを聞いて笑うショートカットの女の子をみて
(いつも2人きりで退屈してたのかも)
と思った。
via www.amazon.co.jp
Amazon | コカ・コーラ ドクターペッパー 500mlPET×24本 | ドクターペッパー(Dr Pepper) | 炭酸飲料 通販
¥
コカ・コーラ ドクターペッパー 500mlPET×24本が炭酸飲料ストアでいつでもお買い得。当日お急ぎ便対象商品は、当日お届け可能です。アマゾン配送商品は、通常配送無料(一部除く)。
それから何度も彼女に家に行ったが、黒田有はKがいた方が楽しいので、自分からKを誘って彼女の家へ。
ある日、Kが
「ドクターペッパーってジュース、知ってる?」
というと彼女は
「知ってる。
東京しか売ってへんジュースやろ」
Kが
「それがスーパー・・・で売ってるらしいで」
というと彼女は
「エエッ、飲みたい!」
と目を輝かせた。
黒田有も、その幻のジュースの存在は知っていた。
そのスーパーまで、彼女の家から自転車で片道30分はかかるが
「俺、買ってくるわ」
と志願。
すると
「ワー」
と喜んだ彼女にハグされ、髪の毛が鼻に当たって、その香りに体が熱くなった。
そして買ってきたドクターペッパーを飲んで、
「コーラの方が何十倍もうまい」
と思ったが、その日以来、Kと彼女は、ドクターペッパーを飲みたがり、黒田有は自転車をこいでドクターペッパーを3本買いに行った。
via pixabay.com
ある日、いつものようにドクターペッパーを買い出て3分後、駄菓子屋に
「ドクターペッパー入荷」
という張り紙がしてあるのを発見。
「ラッキー」
と思い、中に入って、ドクターペッパーを3本買って、意気揚々、彼女の家へ。
階段を上がって2階の彼女の部屋の扉を開けると2人は唇を重ねていた。
黒田有は、自分に気づいた2人をみながら扉の前にドクターペッパーを2本置き、無言で階段を降り、自転車に飛び乗って自宅へ。
その日、Kから電話があったが、母親に頼んで居留守を使った。
その後、学校でKと話さなくなり、ショートカットの女の子からも連絡はなかった。
2学期になるとKが高校を辞め、女の子を妊娠させてしまい、工場で働いているという噂を聞いたが、妊娠したのが彼女なのか知る由もなく、調べる気にもならなかった。
こうして黒田有の初恋は終わった。
via pixabay.com
夏に失恋し、秋に初めての彼女ができた黒田有が、ある日、彼女の家に電話すると出たのは彼女の母親。
緊張しながらも印象を良くしようと、いつもは使わないような言葉を使ってがんばって話した。
すると母親は、その声の低さに
「娘が50くらいの男と不倫している」
という勘違い。
家族会議が開かれた。
それでも2人はつき合い続け、ある日の夕暮れ、学校の帰り道、人気のない場所で2人きりになり会話が途切れたとき、黒田有は彼女を見つめた。
少しうつむく彼女をみて心臓がバクバクしたとき、2人の頭上に3匹のコウモリがバサバサと飛び、ムードは一瞬で崩れ去った。
そして数日後、彼女に
「他に好きな人ができたから・・」
と別れを切り出された。
緊張しながらも印象を良くしようと、いつもは使わないような言葉を使ってがんばって話した。
すると母親は、その声の低さに
「娘が50くらいの男と不倫している」
という勘違い。
家族会議が開かれた。
それでも2人はつき合い続け、ある日の夕暮れ、学校の帰り道、人気のない場所で2人きりになり会話が途切れたとき、黒田有は彼女を見つめた。
少しうつむく彼女をみて心臓がバクバクしたとき、2人の頭上に3匹のコウモリがバサバサと飛び、ムードは一瞬で崩れ去った。
そして数日後、彼女に
「他に好きな人ができたから・・」
と別れを切り出された。
via pixabay.com
高校卒業後、黒田有は
「あらゆる意味で食べるのに困らない」
と寿司屋で板前として働いた。
ある日、喫茶店でコーヒーを飲んでいると
後ろに小さな男の子と若い母親が食事をしていて
男の子がご飯を食べるのを嫌がって泣き出すと
母親がなだめようと
「ご飯食べたらオモチャを買ってあげる」
というのを聞いて
カップを落としそうになった
同じ頃、まともにご飯を食べさせてもらえず、コーラは
「骨が溶ける」
という理由で飲ませてもらえず、近所にあった寿司屋にいきたいというと
「子供が寿司食べたら腹に虫がわく」
といわれ、オモチャを買ってと駄々をこねると人前でもビンタされた黒田有は、夢のような取引を提示されても泣き続ける男の子に殺意を覚えた。
「あらゆる意味で食べるのに困らない」
と寿司屋で板前として働いた。
ある日、喫茶店でコーヒーを飲んでいると
後ろに小さな男の子と若い母親が食事をしていて
男の子がご飯を食べるのを嫌がって泣き出すと
母親がなだめようと
「ご飯食べたらオモチャを買ってあげる」
というのを聞いて
カップを落としそうになった
同じ頃、まともにご飯を食べさせてもらえず、コーラは
「骨が溶ける」
という理由で飲ませてもらえず、近所にあった寿司屋にいきたいというと
「子供が寿司食べたら腹に虫がわく」
といわれ、オモチャを買ってと駄々をこねると人前でもビンタされた黒田有は、夢のような取引を提示されても泣き続ける男の子に殺意を覚えた。