今だからこそ聞きたいクラシックなヴィジュアル系の名盤!Xのファーストアルバム「Vanishing Vision」!!
2021年10月10日 更新

今だからこそ聞きたいクラシックなヴィジュアル系の名盤!Xのファーストアルバム「Vanishing Vision」!!

1988年4月に、YOSHIKI設立のエクスタシーレコードより発売されたのが、Xのファーストアルバム である「Vanishing Vision」です。 本作は、インディーズながらメジャーチャートにランクインするなど記録的なセールスをあげた名盤! そして、日本のロックシーンに金字塔を打ち立てたモンスターアルバムであります。 今回は、そんなXを語る上では欠かすことのできないアルバム「Vanishing Vision」をレビューしていきます。

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Amazon | VANISHING VISION EXC-001 | X, X JAPAN, YOSHIKI, TOSHI | J-POP | ミュージック

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01. DEAR LOSER
02. VANISHING LOVE
03. PHANTOM OF GUILT
04. SADISTIC DESIRE
05. GIVE ME THE PLEASURE
06. I’LL KILL YOU
07. ALIVE
08. KURENAI
09. UN-FINISHED

タブーとされる事をあえてやる! 他のバンドの逆を行く! それが本当のパンク精神!!

Xを語るうえにおいて"ヘヴィメタル"というカテゴライズが常についてまわります。
しかし、既存ジャンルの物差しでは、彼らの魅力の核心にまで迫る事は難しい。
既成文化にアイデンティティの拠り所を求める権威主義的な価値観は、Xの本質を
知るためには捨てるべき。

当時、型破りな音楽性とパフォーマンスで活動を続けていたXでしたが、彼らを受容する
土壌や形容する言葉はまだなく"ヘヴィメタル"として扱われていました。
しかし、YOSHIKIはヘヴィメタルとカテゴライズされる事を嫌っていたのです。

当時のXは評論家などから「イロモノバンドだ」「ロックとはこうあるべきだ」
「メタルとはこうあるべきだ」「歌謡メタルなんて邪道だ」といった批判を受けていました。
今や日本を代表するメタルバンドという評価を受け、批判的だった評論家も手のひらを返し
絶賛している状況。
当時を知らない人からすれば、にわかには信じがたい話かもしれないが本当の話。
そういった批判に対してYOSHIKIは「ロックは受験勉強か?タブーとされる事をやる、
それが本当のパンク精神だ」とアンチテーゼを唱えていました。

凝り固まった固定観念を持った当時の大人たちが、Xに対し否定的だったのも致し方ない
のかもしれません。
当時の音楽性について「TAIJIはアメリカンロックから影響を受けていて、僕はパンクスで
ハードコアに傾倒していた、そこにhideが不思議なセンスを持ち込んで、ごちゃ混ぜになったのが
Xなんです」とYOSHIKIが語るように、Xとはメタルとハードコアのクロスオーバーから生まれた
全く新しい存在だったのです。

Xのスタイルは唯一無二のメタルコアサウンド!!

1985年にリリースされたシングル「I'LL KILL YOU」の広告には"衝撃のメタルコア登場"と
記されていましたが、まさにその通りXのスタイルは、唯一無二のメタルコアサウンド!

メタルの構築美とハードコアの暴力性。
YOSHIKIのジャパコアをさらに過激にしたような激走ドラムスタイル。
クラシック要素・耽美世界。
これらを軸に、究極のバランスでVanishing Visionの世界は成り立っています。

HIDEはグラマラスなロックンロールセンスをXに持ち込み、80年代パンクシーンを
彷彿とさせる危うい雰囲気をXに与えました。
横須賀サーベルタイガーでは生肉を食いちぎり、マネキンを破壊するといった
パフォーマンスをおこなっていたのだとか…。
また、HIDEのシアトリカルかつサイケなパフォーマンスは、寺山修司的アングラ演劇世界を
展開していたオートモッド辺りの雰囲気も醸し出しています。
"Xの飛び道具"と称されていたのも頷けますよね!
そういった要素もサブカルチックにならずに消化しているのは、HIDEの絶妙なポップセンスの
なせるわざと言えます。
横須賀サーベルタイガー「SADISTIC EMOTION」をリメイクした、HIDE作曲
「SADISTIC DESIRE」はそういったHIDEのセンスが詰め込まれており、YOSHIKIの世界観を
より極彩色のものにしています。

フュージョンなどの要素も取り込んだ、TAIJIの天才的なプレイも全編を通し冴え渡り、
このアルバムのオープニングを飾るインスト曲「DEAR LOSER」では作曲TAIJIのセンスを
いかんなく発揮しています。
TAIJIは他のメンバーの非メタル宣言とは反し、Xは純粋なメタルだと発言しています。
しかし、そういったTAIJIの王道HR/HM要素はXをただの破天荒なバンドで終わらせず、
上質なロックサウンドとして成立させています。
またTAIJIは、YOSHIKIとHIDEに勝るとも劣らない強烈な存在感を放っていました。
バッドボーイズロッカー然とした、華やかでワイルドなスタイルに憧れた者は多いはず!

職人気質なPATAのプレイと存在はバンドに調和とバランスをもたらし、Toshlがもつ
天性の歌声と卓越したヴォーカリゼイションが、その世界を完璧に紡いでいます。

画家の西口司郎氏にによる衝撃的なジャケット、若さゆえの演奏の荒さと勢い、
当時のレコーディング技術による音質も、全てがプラスに作用し、このアルバムには
革命前夜ともいえるあの時代の空気感が、完全にパッケージングされているんですよ!

X - Vanishing Vision

01. DEAR LOSER

X - DEAR LOSER

『DEAR LOSER』を直訳すると“親愛なる敗者”。
今では世界を震撼させ、成功し勝者となったX。
しかしインディーズ時代の当時は風当たりが強く、硬派なロック業界関係者等からは
白い目で見られていたわけです。
そん中、記念すべき1枚目のアルバムの1曲目に“親愛なる敗者”という意味の楽曲を配置した
というのは、こういった扱いに対する反骨精神からだったのかもしれませんよね。
”敗者”とは”イロモノと言われてきた自分たち”のことであり、”イロモノであろうと音楽は本物だ!”
という想いを込めて本作をアルバムの1発目に仕込んだと考えると、とても感慨深いですよね。

02. VANISHING LOVE

X - VANISHING LOVE PV

2曲目にふさわしいXの疾走ナンバー。
インディーズなのでサウンドプロダクションが悪いのは否めませんが、
若さの爆発した生き生きとした演奏がたまらないですよね!
ギターソロもリフもかっこいいし、ドラムもかっ飛ばしててすごくかっこいい!
アルバム発売前後のライブでは、オープニングナンバーとして演奏されていたのも納得の
初期の名曲ですよね!

03. PHANTOM OF GUILT

X JAPAN - Phantom Of Guilt

VANIHING VISIONの3曲目に収録されている隠れた名曲です。
TAIJI作曲でTOSHI作詞となっており、ToshI自らのコンプレックスを
歌詞にしています。
個人的ではTAIJI作曲の中では一番好きな曲で、テンポは速めではないのですが
かなりカッコイイ曲です!!
特にギターソロのハモリの部分はかなりカッコイイので、もっと評価されても
いいと思ってしまう程!!

04. SADISTIC DESIRE

X - SADISTIC DESIRE

横須賀サーベルタイガーの楽曲「SADISTIC EMOTION」を、Xの楽曲としてリメイク。
hideの溢れる才能の結晶がこの曲!!
インディースの頃からライブの序盤に演奏されていた、ファンにはおなじみの曲でもあります。
これの作曲者はHIDEで、YOSHIKIとはまた違った格好良さをもつ曲である。
歌詞はYOSHIKI作詞で、その曲名の通り非常にサディスティックなのですが、
それだけでは表現できないような深い歌詞なんです!

05. GIVE ME THE PLEASURE

X - Give Me The Pleasure

Xの初期の方の曲であり、ファンでも知らない人が多い曲。
「I feel good…Oh!what's going on!?fuck the blood!!!」
そこからかなり展開が、ハードになっていく曲です。
X JAPANの曲の中でもかなりハードな曲となっており、悪魔とも野獣ともつかない
奴の叫びはまさに狂気!!
隠れた名曲であり、めっちゃハード!!
まるで怪物が彷徨っているような叫びは素晴らしいの言葉につきます!!

06. I’LL KILL YOU

X - I'll Kill You

インディーズ時代にリリースされた1stシングル「I'LL KILL YOU」A面の同曲のリメイクです。
出だしからテンションあがりまくりの迫力ある曲。
Xの曲の中でもトップクラスの速さを誇る曲でもあり、棘々しさ・毒々しさ・荒々しさ等々…
何もかもが爆発している名曲ですよね!

07. ALIVE

X - ALIVE

イントロ部分にはベートーヴェンの「月光」の一部が使われており、サビのキーの高さは
「Tears」や「Forever Love」に匹敵。
「VANISHING LOVE」と並ぶX最大の名曲です!
インディーズシーンにおいて、こんな素晴らしい曲をつくってしまったyoshikiの才能には、脱帽。
曲展開やメロディなどが素晴らしいのは言うまでもないことですが、この曲ではTOSHIの
少しひ弱な印象の声が非常に効果的。
悲しく儚い雰囲気のメロディに見事にマッチしています!
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