【存在自体反則】初代三冠統一ヘビー級王者ジャンボ鶴田のベストバウト
2021年2月19日 更新

【存在自体反則】初代三冠統一ヘビー級王者ジャンボ鶴田のベストバウト

ミュンヘン五輪でレスリングのグレコローマンスタイル最重量級代表を経て、全日本プロレスへ入団。「若大将」とファンから人気を集めたジャンボ鶴田はレスリングでの実績と恵まれた体格で一躍トップレスラーへのし上がり、存在自体が反則と呼ばれるようになります。

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全日本プロレス 3冠ベルトレプリカ 3種セット

全日本プロレス 3冠ベルトレプリカ 3種セット

第18代インターナショナル・ヘビー級王者となったジャンボ鶴田は第27代UNヘビー級と第14代PWFヘビー級の二冠王者であるスタン・ハンセンと王座統一戦をおこなう事になります。二度の引き分けを経て鶴田がハンセンを破り、初代三冠統一王者に輝きます。

三冠ヘビー級王座

三冠ヘビー級王座とはPWFヘビー級王座、インターナショナル・ヘビー級王座、ユナイテッド・ナショナル・ヘビー級王座(UN王座)の統一王座。全日本プロレスを象徴する、同団体で最も権威のあるタイトルとされている。

インターナショナル・ヘビー級王座は力道山が創設した日本プロレスに於いて、力道山とジャイアント馬場が保持し、ユナイテッド・ナショナル・ヘビー級王座はアントニオ猪木と坂口征二が保持してそれぞれ腰に巻いた歴史的なチャンピオンベルトである。日本プロレスが崩壊したことを受け、紆余曲折を経てインター王座とUN王座のベルトは全日本が受け継ぐ事となった。

一方、PWFヘビー級王座は馬場が全日本を旗揚げした際に、力道山(百田)家から初代インターナショナルヘビー級王座チャンピオンベルト(通称力道山ベルト)の寄贈を受けたことを契機に、世界ヘビー級王座として新設されたもので、全日本のシンボル王座としてその名を高めた。これら歴史的経緯の違う三つのタイトルを、全日本プロレスでの管理上からまとめた統一王座である。

統一後は、「三冠王座」と言うものの、三つの王座それぞれでタイトル戦が行われることはなく、新日本プロレスのIWGPヘビー級王座、プロレスリング・ノアのGHCヘビー級王座と同様に、全日本の象徴のタイトルとして位置づけられている。見方を変えればひとつのベルトだとも言える。
ちなみに鶴田はスタン・ハンセンを破って、初めてPWFヘビー級王者となり、同時に三冠統一によって、最後のPWFヘビー級王者となりました。
全日本プロレスの三冠ヘビー級ベルト

全日本プロレスの三冠ヘビー級ベルト

左から、「PWFヘビー級」「ユナイテッド・ナショナル(UN)ヘビー級」「インターナショナルヘビー級」のチャンピオンベルト
1988年4月15日の大阪大会でインターナショナル・ヘビー級王者であるブルーザー・ブロディとUNヘビー級・PWFヘビー級の二冠王者である天龍源一郎との間で史上初の三冠ヘビー級王座統一戦が行われたが、両者リングアウトで王座の統一は実現しなかった。

ブロディを退けて第18代インターナショナル・ヘビー級王者となったジャンボ鶴田と、天龍を退けて第27代UNヘビー級と第14代PWFヘビー級の二冠王者となったスタン・ハンセンの間で同年10月17日広島大会で2度目の王座統一戦が行われたが、引き分けで王座統一は実現せず、翌1989年4月16日後楽園ホール大会において再戦が行われたが、またしても決着はつかなかった。

長く引っ張った挙句の不透明決着にファンが激怒し、会場が騒然となる事態にまで発展した(これがきっかけで、全日本の試合からリングアウト・反則決着が消えていくことになる)。

二日後の4月18日、大田区体育館で鶴田とハンセンの間で満を持して再々戦が行われた。ウエスタン・ラリアットを避けられロープに激突し、一瞬の隙ができたハンセンを、鶴田が片エビ固めで丸め込みフォール勝ち。かみ合わない試合展開で完全決着とは言えない勝利であったが、初代三冠統一王者となった鶴田は満面の笑みでファンに応えた。
まさに三度目の正直でスタン・ハンセンを破り、栄光の初代三冠統一ヘビー級王者チャンピオンに君臨します。昭和のプロレスは両リン(両者リングアウト)による引き分けが多かったイメージがありますが、両名の激戦の末に全日本ではリングアウトが事実上廃止されていたんですね。

天龍との熾烈な三冠争い

その後、鶴田は防衛戦を一度おこない勝利。1988年6月5日日本武道館で天龍源一郎の挑戦を受けます。ものすごい熱戦を繰り広げますが、天龍のパワーボムに屈してしまい王座から転落してしまいます。

1989.6.5 全日本 鶴龍対決5 3冠戦 ジャンボ鶴田対天龍源一郎② - YouTube

徹底的に首を攻める鶴田、受ける天龍

1989.6.5 全日本 鶴龍対決5 3冠戦 ジャンボ鶴田対天龍源一郎① - YouTube

1989年のベストバウト。伝説の1989.6.5鶴龍対決第5章

1989.6.5 全日本 鶴龍対決5 3冠戦 ジャンボ鶴田対天龍源一郎③ - YouTube

2度目のパワーボムにいくまでが最高! そして冬木の後ろにいるリングサイド最前列の女性ファンも最高に盛り上がっています! 一生忘れられない試合です。

ジャンボ鶴田が三冠統一ヘビー級王座に返り咲く

その後、第2代三冠王者となった天龍は2回の防衛を重ねて、10月11日横浜文化体育館で鶴田のリベンジを受ける防衛戦をおこないます。結果は鶴田が勝利でチャンピオンに返り咲き、第3代三冠王者となります。
ジャンボ鶴田の三冠リベンジマッチ

ジャンボ鶴田の三冠リベンジマッチ

チャンピオン天龍にチャレンジャー鶴田がリベンジを挑みました。

最後の鶴龍対決

最後の鶴龍対決は三冠ヘビー級選手権試合

最後の鶴龍対決は三冠ヘビー級選手権試合

第3代三冠統一ヘビー級王者鶴田がチャレンジャー天龍のリベンジを受けて立つ!

三冠王者に返り咲いた鶴田が天龍を下して防衛

その後、1990年6月5日千葉公園体育館でテリー・ゴディに破れ、鶴田は三冠王者から陥落してしまいます。その後、ゴディとハンセンの三冠を巡る熱闘が繰り広げられます。そして、鶴田が三たび三冠王者の座に就きます。1991年1月19日松本市総合体育館で第7代王者のスタン・ハンセンを破り、第8代の三冠統一ヘビー級チャンピオンになりました。
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