タイムボカンシリーズ ヤットデタマン
私立探偵事務所で助手として働くワタルとコヨミのもとに、1000年後の未来から二人の遠い子孫であるカレン姫がタイムマシンでやって来る。彼女は未来の地球であるナンダーラ王国の王女だが、国王である父が亡くなったことで次期国王を決める必要が生じていることを告げる。しかし、ナンダーラ王位に就くには、王位継承の証である時空を越えることのできる鳥ジュジャクを探し出して捕まえる必要があった。そのために二人にジュジャク探しの助力を申し入れに来た。
しかし、ナンダーラ王国王位を狙うのがもう一組いた。賄賂の使い過ぎで没落したスカプラ王朝末裔のミレンジョとその一味である。ミレンジョは弟のコマロ王子をナンダーラの王位に就けて莫大な富を得んとし、さらにナンダーラの乗っ取りを企図していた。
行く先々でミレンジョ姫一味はメカを繰り出し、カレン姫一行を妨害してジュジャクの奪取を試みる。ワタルはカレンからヤットデタマンになる力を授かり、妨害するミレンジョ姫たちの悪巧みを、自意識を持った巨大ロボット大巨神とともに跳ね返す。
主な登場人物
遠山探偵事務所の助手として働く青年。15歳。好物は麺類と牛丼で、特にカップラーメンと「牛野家」(「吉野家」のパロディ)の牛丼が好き。ドジで臆病で軟弱だがときおり勇気を見せる。ヤットデタマンに変身してミレンジョ一味と戦う。第1話ではカレン姫によって潜在的に持つヤットデタマンに変身する能力を引き出されたかのように描写され、ワタルが「勇気…、勇気…、勇気…」と念ずることでヤットデタマンに変身していた。しかし、中盤になってワタルの念波をカレン姫が未来に中継し、ナンダーラ王国からタイムハヤウマでやってきた「ヤットデタマン変身班」が時間を早め、スタミナの付く食事と戦闘トレーニング・笛のレッスン、着替えを3秒の間に施すことで変身していることが視聴者に明かされた。ワタル自身はトンカチによる麻酔で意識朦朧状態なので、変身班に関する記憶は存在しない(第40話では変身班が特別にワタルの時間に合わせて、変身させた)。ヤットデタマンの主な武器はバラ手裏剣とドレミ剣。ドレミ剣は剣先がスタンプの形をしており、突かれた相手は必ず○の中にyの入った赤い印が付く。また、中盤以降からは、ヤットデタマンになるまで自分で作った発明品で戦っていたことが多かったが、殆ど役に立っていなかった。語尾に「っス」をつけて話すことが多い。一人称は「僕」が基本で、まれに「俺」。ヤットデタマンに変身してからも一人称は基本的に「僕」でごくまれに「私」になり、性格も自信に溢れた紳士的な口調となる。名前の由来は「時わたり(タイムスリップ)」。ヤットデタマン登場時の口上では、地球のアイドルを自称している。前述のとおり曽我部は同じくタツノコプロ制作の『破裏拳ポリマー』でも主演を果しているが、「変身前は冴えないヒーロー」という点でポリマーの主人公・鎧武士のキャラが踏襲されている。曽我部は『ゼンダマン』で「鉄ちゃん(ゼンダマン1号)」役に決まっていて、主題歌のレコーディングにもセリフ入れで参加していたものの、番組初収録前に体調不良となり降板した(後任は三ツ矢雄二)経歴があり、本作で2年越しの主演となった。
遠山探偵事務所の助手として働く少女。勝気な性格でワタルを尻に敷いている。大巨神を呼び出すことのできる錠前を祖母の代から受け継いでおり、ワタルの持つ鍵で開けることで大巨神を呼び出す。武器はリャンケンとバトンスター。カレン姫の話では、コヨミとワタルは将来的に結ばれることになるが…。ヤットデタマンに憧れており、その正体がワタルだとは知らない。15歳。ミレンジョ姫から「かおわるい子ちゃん」(「かわい子ちゃん」のもじり)、コケマツから「蜂の巣ヘアーの姉ちゃん」、ドンファンファン伯爵から「雀の巣の様な髪」と馬鹿にされたことがある。本作は三浦のデビュー作である。
ナンダーラ王国の王族でワタルとコヨミの遠い子孫だが、金髪で二人よりも肌の色が白いといった白人的な風貌に加え、名前も西洋風である。王位継承権をコマロ王子と争うことになり、遠い先祖である二人に助けを求めてきた。普段は遠山探偵事務所の屋根裏に隠れて住んでいる。毎回の戦いでは何もしていないせいか、ミレンジョ達に「立ちんぼ姫」、「3秒間セリフ姫」、「でしゃばり姫」などとおちょくられていたが、後になって特技がスケートボード、新体操、アイススケート、ポケバイと多岐にわたっており、ミレンジョに一撃を食らわすほどの運動神経の持ち主であることが明らかになる。ミレンジョからは一度だけ「ぶりっ子姫」と呼ばれたことがある。超能力で毎回ジュジャクの居所を覚知できる能力があることから、『オタスケマン』のヒネボットと似た役割を担っている。18歳。
力士型のロボットでカレン姫の忠臣。球状になって戦うが容姿に反してあまり強くはなく、たいていの場合スカドンに負けてしまう。単体でタイムワープもできる。カレン姫に忠実だが、最終回で彼が姫にお供をしていたのはダーラ仙人の命を受けて姫のお目付け役として動向を監視するためだったことが明らかになる。モデルは大相撲の高見山大五郎。語尾に「でごんす!」をつけて話すことが多い。力士型ロボットゆえに「どすこいっ!!」を言いながら四股を踏むクセがある。
スカプラ王朝の末裔。27歳。言葉遣いは普段は上品なお姫様口調で、一人称は基本的に「わらわ」だが、興奮すると下品な口調になり、一人称も「あたし」に変わり、お色気シーンでは見事な脱ぎっぷりを披露。またメカ戦で盛り上がった時にコケマツがやる「今週の目玉ァ!!」を、自分がウルウルの瞳を出して「今週のおめめ~」とやった事が4回程あった。賄賂を使いまくったために財政を破綻させてしまい、貧乏生活を余儀なくされているが、プライドだけは失っておらず、一族の復活とナンダーラ王国の事実上乗っ取りを画策し、弟のコマロをナンダーラの王位に就かせるようとする。コケマツとスカドンに対してはそれぞれ「コケ」「スカ」と省略して呼ぶことが多い。名前の由来は「未練」から。ドンファンファン伯爵とは恋仲である。「~ゾよ」が口癖。毎回メカが破壊され大巨神に追いつめられると一味ぐるみで命乞いの芝居(大巨神曰く「猿芝居」)を見せるが、すかさず他のメンバーを罵倒する際に大巨神の悪口を不用意に口走ってしまうため、「大激怒」を食らった。
ミレンジョに財務と食料調達係として仕える男で、主にメカニック担当。長い逆三角形の輪郭とピノキオ風の長い赤鼻と長いもみあげと河童の頭に似た禿げ頭が特徴的な27歳。ミレンジョの弟のコマロを王位に就かせるべく暗躍する。一人称は基本的に「小生」だがたまに「俺」や「アタシ」になる場合も。主に物語の前半では各巨大メカに内蔵された「コケマツ軍団」(または「ジュリー・コケマツ闇の軍団」とも呼称される)というゾロメカのような小型攻撃メカ集団を操って大巨神に攻撃を仕掛ける。物語の中盤以降でメカは未来の国にいるタヌキ村の「トンテンカン鍛冶屋」に発注して製作させていたことが判明する。トンテンカン・タヌキという名の鍛冶屋の親父が亡くなり、腕の悪い息子のトンテンカン・テヌキに代替わりした事で一層メカの質が落ちてしまったが、コケマツは代替わりしていた事に気づかなかったようである。ジュジャクの居場所をサーチする「ジュジャクピューター」の製作者であり、この機械は彼にしか扱えない。ドンファンファン伯爵が嫌いで彼に対して嫉妬の炎を燃やす。ボタンを押す際にはよく「コケっとな」または「コケっと!」という。OPラストの台詞は「いつまでもそういう格好させないからな!」(この後、顔面にパイがぶつけられる)。猿芝居ではドンファンファンの好遇に不満を抱くあまりミレンジョとの罵倒に走る原因となるケースが多く、彼もまた大巨神の悪口を不用意に口走る。
『タイムボカン王道復古』では、「唯一顔の違うキャラ」であることを気にしていた。
ミレンジョの側近の大男。片言の英語と片言の関西弁を喋る謎の多い人物。30歳。スキンヘッドで、大抵の場合、ハンチング帽あるいは河童頭風のカツラを着用している。眉毛が無く前歯の一部が抜けており、もみあげの下からアゴにかけてヒゲを生やしている。ミレンジョの弟のコマロを王位に就かせるべく暗躍する。一人称は主に「ミー」だが、たまに関西弁が入る場合には一人称が「ワイ」になる。またずっこけた時にミレンジョ達が「コケー!!」と叫ぶと、「ホケー!!」もしくは「ホケキョー!!」と合いの手を入れる事が有る(因みに後者は、西川のりおのギャグのパロディ)。一般人には出来ない様な事が出来るらしく、中盤からは「スカドンの奇人変人コーナー」が登場する様になる。
リメイク版『ヤッターマン』の第26話においてゲストキャラとして登場。他のゲストキャラに殆ど台詞が無い中、唯一「マイネイムイズスカドン!」の一言で自己主張した。