「アサー」と「鼻血ブー」で70年代のギャグ漫画シーンを塗り替えた、天才・谷岡ヤスジが描く「ヤスジのメッタメタガキ道講座」
2020年2月24日 更新

「アサー」と「鼻血ブー」で70年代のギャグ漫画シーンを塗り替えた、天才・谷岡ヤスジが描く「ヤスジのメッタメタガキ道講座」

70年代、エロ漫画の概念をあっけらかんと少年誌に持ち込んだ谷岡ヤスジ。まさに天才です。登場人物のムジ鳥が言う「アサー」や「鼻血ブー」は流行語となり、ギャグ漫画界に一大旋風を巻き起こしました。その記念碑的な作品「ヤスジのメッタメタガキ道講座」をご紹介します!

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谷岡ヤスジ

70年年代に、もしくは80年代に青春時代を過ごした男性であるなら、谷岡ヤスジの名前はしっかりと心に刻まれていることでしょう。
「天才バカボン」や「おそ松くん」などで知られる赤塚不二夫と並ぶ日本のギャグ漫画界の巨匠です。
谷岡ヤスジ

谷岡ヤスジ

本名:谷岡 泰次(やすつぐ)
生誕:1942年8月29日 愛媛県宇和島市
死没:1999年6月14日(満56歳没)
活動期間:1959年 - 1999年
谷岡ヤスジは70年代と80年代に大きなブームを起こしています。
最初のブームのきっかけとなった作品は、週刊誌「少年マガジン」に1970年~1971年に連載された「ヤスジのメッタメタガキ道講座」です。
少年マガジン

少年マガジン

昭和45年19号~46年38号掲載
ガキ夫は日本一カゲキな小学生。勉強は大嫌い、宿題に行き詰まると酒を?み出す、教師にはタメグチ、女の子のパンチラに興奮して鼻血をブー!と吹き出すなど、やりたい放題。1970年代の『週刊少年マガジン』を代表するギャグマンガ!!
それまでは無難ともいえるサラリーマン漫画を描いていた谷岡ヤスジでしたが、担当者から「今のままでは売れない」と言われ、そこから作風が変わったとされています。
つまり、谷岡ヤスジは作風を変えることが出来たのです。谷岡ヤスジが天才と称される一端が伺えますね。
もっとも当時の「少年マガジン」は、誌面に新しい風を送り込みたかった。そのために無名だった谷岡ヤスジを少年雑誌の売れっ子作家に仕立て上げる必要があったようです。

ヤスジのメッタメタガキ道講座

それまでの作品とは作風を変えて「ヤスジのメッタメタガキ道講座」は、メジャー誌に掲載されることになりました
ヤスジのメッタメタガキ道講座

ヤスジのメッタメタガキ道講座

普通に考えると、少年誌ですし、メジャー週刊誌の連載ということになると過激な表現は抑えられるのではないかと思います。

「ヤスジのメッタメタガキ道講座」は逆です。編集者の思惑もあったのでしょうが、それまでの谷岡ヤスジ作品よりも激しくなっています。

主人公は子供ですが、刃物が飛び交い、殴る、蹴るの連続です。子供が平気で親や教師を侮辱するという当時としてはかなりの型破りな作品でした。そして、これが大ヒットしたのです。

もっとも、殴ったり蹴ったして血が出るという様をあっけらかん描いてギャグにしています。
つまり、流行語にもなった「鼻血ブー!」です。
鼻血ブー

鼻血ブー

これはですね、毎回読んでいると、道徳的に教育的にどうこういうよりも、もう、鼻血がでるのが待ち遠しくってしょうがない!といった感じになります。

ストーリーを追うと、たとえば、こんな感じです。
ヤスジのメッタメタガキ道講座

ヤスジのメッタメタガキ道講座

この「鼻血ブー」で青少年の心は鷲掴みにされました。

「ヤスジのメッタメタガキ道講座」にはヒットした要因がもうひとつあります。それは奇想天外なキャラクターである「ムジ鳥」です。
ムジ鳥

ムジ鳥

「アサー「ヒルー」「ヨルー」とビルの上から時を告げるのがムジ鳥です。他には何もしません。ただ時を告げるだけです。
あ、たまに丸焼きにされたりしていますが、次の週には何事もなかったかのように平然と登場します。

これは、他の登場人物も同様で、谷岡ヤスジの作品の特徴であり、「死」という概念はないかのようです。

登場人物といえば、主人公はざっくりと子供たちです。読み切りとはいえ大胆ですね。
それに、当時は一般的には無名だったにも関わらず作者の名を冠するタイトルをつけるというのも他に例をみませんね。

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漫画の大ヒットを受けて「ヤスジのメッタメタガキ道講座」は1971年に映画化されています。
谷岡ヤスジのメッタメタガキ道講座

谷岡ヤスジのメッタメタガキ道講座

監督:江崎実生
脚本:山崎巌、鴨井達比古
原作:谷岡ヤスジ
出演者:松原和仁、三波伸介
音楽:坂田晃一
主題歌:「ヤスジのオラオラ節」(谷岡ヤスジ)
製作会社:日活
配給:ダイニチ映配
公開:1971年3月20日
上映時間:84分
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