放送期間:1980年01月08日~1981年03月17日
話数:全52話/各話30分
放送局:NHK総合
via www.uplink.co.jp
生まれるべくして生まれた秀作
さて、NHKアニメ枠3作目は、、
未来少年コナンで始まった夜のNHKアニメ枠。キャプテン・フューチャーが継ぎ、続く3作目が今回ご紹介する「ニルスのふしぎな旅」です。
原作付きとはいえ大幅に改変を行いほぼオリジナルの1作目、誰もが知る古典SFの2作目のあとにきたのは、本国スウェーデンでは有名ですが日本ではあまり知られていないと思われる(もしかしたら本よりアニメが先で、全編日本語訳の書籍は82年出版のものが最初かも知れません。もちろん当時の筆者もニルスは知らなかったと思います)児童文学でした。
「子どもが冒険の旅に出て成長して還ってくる」というかたちのアニメは既に、フジテレビの世界名作劇場2作目「母をたずねて三千里」が、当時子どもだった筆者のような視聴者の脳裏に名作として刻まれておりましたが、「ああまたあのパターンね」などと掏れた子どもではまだありませんでした。
それどころか、先行する児童文学の名作ものに比べても、決して引けを取らない秀作ではないですか!
原作付きとはいえ大幅に改変を行いほぼオリジナルの1作目、誰もが知る古典SFの2作目のあとにきたのは、本国スウェーデンでは有名ですが日本ではあまり知られていないと思われる(もしかしたら本よりアニメが先で、全編日本語訳の書籍は82年出版のものが最初かも知れません。もちろん当時の筆者もニルスは知らなかったと思います)児童文学でした。
「子どもが冒険の旅に出て成長して還ってくる」というかたちのアニメは既に、フジテレビの世界名作劇場2作目「母をたずねて三千里」が、当時子どもだった筆者のような視聴者の脳裏に名作として刻まれておりましたが、「ああまたあのパターンね」などと掏れた子どもではまだありませんでした。
それどころか、先行する児童文学の名作ものに比べても、決して引けを取らない秀作ではないですか!
あのスタジオ、あの名匠たちの!
はるか上空から見下ろす地上の景色。大自然の中で過ごすスリルと感動。ニルスはこの旅を通して人として立派に成長していく。美しく詳細な風景描写と、心に残る物語を丁寧に描いたぴえろのデビュー作品!
ごく子どもの頃に観たアニメなので忘れていましたが、そうです、その後「うる星やつら」など数多くの秀作を送り出したスタジオぴえろの、これがデビュー作だったのでした!(というか、この「ニルスのふしぎな旅」をつくるためにぴえろが立ち上げられたのですね^^)
概要・沿革
1977年4月、アニメーター・演出家の布川郁司が朋映・虫プロダクション・竜の子プロダクション(現・タツノコプロ)を経て、上梨満雄、ときたひろこらと共に演出家のグループとして発足。吉祥寺のマンションで活動を開始した。『みつばちマーヤの冒険』などを手がけた後、学習研究社からの依頼で、『ニルスのふしぎな旅』を制作するため1979年にアニメの制作スタジオとなり、株式会社に改組。「株式会社スタジオぴえろ」を設立して三鷹市にスタジオを構える。当初は『ニルスのふしぎな旅』を作るためだけに設立されたスタジオで、布川、上梨の他、竜の子プロダクションの演出スタッフであった経歴を持つ鳥海永行、案納正美、高橋資祐、押井守らが参加した。人脈的には同プロダクションの流れにあるスタジオである。また、演出家が集まって作られたため、演出家の力が強いことも当初の特徴の一つであった。制作にあたってもスケジュールに余裕をもって良質な作品を作る制作環境であったという。
そこには押井守氏の「師匠」鳥海永行氏らとともに、彼を慕って押井氏も参加しているのでした。
「演出家が集まって作られたため、演出家の力が強い」。ふむふむ、子どもの筆者には知る由もなかったのですが、ニルスのしっかりした物語と演出にはこういった流れがあったのですね。
「演出家が集まって作られたため、演出家の力が強い」。ふむふむ、子どもの筆者には知る由もなかったのですが、ニルスのしっかりした物語と演出にはこういった流れがあったのですね。
ニルスの旅のはじまり
さて知らない方、忘れてしまった方のために。どういったおハナシかと言いますと、、
いたずらっ子のニルスは、怠け者で、勉強なんて大嫌い。いつも動物をいじめてばかりいる。お父さんとお母さんは、こんなニルスが心配でたまらない。今日は日曜日。教会へも行かず、
ええもうそりゃそのクソ悪ガキぶりったら、、
旅に出て内面が成長した、優しく頼もしいニルスしか覚えていないオッサンの筆者が、第一話を今回何十年ぶりに観直してみたら、おどろきましたよその悪たれぶりに。いたずらの銃が暴発してこんな子死んでしまえばいいのにっf^^;
旅に出て内面が成長した、優しく頼もしいニルスしか覚えていないオッサンの筆者が、第一話を今回何十年ぶりに観直してみたら、おどろきましたよその悪たれぶりに。いたずらの銃が暴発してこんな子死んでしまえばいいのにっf^^;
駄々をこねて教会の日曜礼拝にも両親について行かず、聖書を読んでおく宿題を言いつけられたニルスですが、もちろんまったく身が入りません。退屈しているところに妖精を見つけたニルスは、彼を虫取り網で捕まえてしまいます。金貨をあげるから逃してくれという妖精から金貨を受け取っておきながら約束を守らないニルスは、妖精の怒りを買い、小さくさせられてしまいます。
小さくされたニルスは動物たちの言葉がわかるようになります。とうぜん、いままでいじめていた家の動物たちから仕返しをされます。巻き添えで一緒に小さくされてしまったハムスターのキャロットと逃げ回るニルス。
一方、飛来してきた雁の群れに、自分も飛びたいと焦がれる、鵞鳥のモルテン。必死の思いで雁の群れについで空へと舞い上がるモルテンに、逃げ惑うニルスとキャロットがつかまります。
こうして、ニルスとキャロットとモルテンは、雁の群れとラプランドへ向けての旅に出ます。
一方、飛来してきた雁の群れに、自分も飛びたいと焦がれる、鵞鳥のモルテン。必死の思いで雁の群れについで空へと舞い上がるモルテンに、逃げ惑うニルスとキャロットがつかまります。
こうして、ニルスとキャロットとモルテンは、雁の群れとラプランドへ向けての旅に出ます。
via i.ytimg.com
ニルスと旅の仲間たち
via www.gakken.jp
ハムスターのキャロットは、アニメオリジナルで付け足されたキャラクターです。
母をたずねて三千里のアメデオの好評を見てだと思うんですけれども、
少年少女のときに孤独になりがちな成長の旅には、マスコット的というか相棒的な小動物が居てくれるとよいですよねえ、、ニルスのふしぎな冒険ではニルスとキャロットは喋れますから、相棒度はさらに増します。
母をたずねて三千里のアメデオの好評を見てだと思うんですけれども、
少年少女のときに孤独になりがちな成長の旅には、マスコット的というか相棒的な小動物が居てくれるとよいですよねえ、、ニルスのふしぎな冒険ではニルスとキャロットは喋れますから、相棒度はさらに増します。