「ツイン・ピークス」で有名なデヴィッド・リンチ監督の初期作品!
2020年10月2日 更新

「ツイン・ピークス」で有名なデヴィッド・リンチ監督の初期作品!

独特なスタイルで人気のデヴィッド・リンチ監督の初期作品集です。「ツイン・ピークス」で見せた映像美や複数の題材を多く盛り込むことで謎が謎を呼ぶスリーリーに仕立て上げるというスタイルは80年代に既に確立されています。

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デューン/砂の惑星

デューン/砂の惑星

監督:デヴィッド・リンチ
脚本:デヴィッド・リンチ
原作:フランク・ハーバート「デューン」
製作:ラファエラ・デ・ラウレンティス
製作総指揮:ディノ・デ・ラウレンティス
出演者:カイル・マクラクラン
音楽:ブライアン・イーノ、TOTO
撮影:フレディ・フランシス
編集:アントニー・ギブス
公開:1984年12月14日
上映時間:137分
西暦10191年、宇宙は皇帝シャダム4世の支配下にあった。惑星アラキスは、不老不死の薬物メランジが生産される唯一の星であり、その覇権をめぐって皇帝は陰謀を画策していた。それを察知したスペース・ギルドのナビゲイターは、皇帝のもとを訪れ詰問する。皇帝は、声をを増幅させて物質を破壊する兵器“モジュール"を開発したレト・アトレイデス公爵をうとましく思い、一旦彼にアラキスを与えたうえで、公爵と敵対するハルコネン男爵をけしかけて失脚させようとしていた。だがナビゲイターは、公爵の息子ポール・アトレイデスこそが、自分たちを脅かす存在だと言い、暗殺を命じる。
アラキスに降り立った公爵家は、ハルコネン男爵が手配した軍団から襲撃を受け、母ジェシカとともに砂漠へと逃亡する。二人はアラキスの原住民であるフレーメンの集団に合流し、モジュールを与えて一大軍団を組織する。巨大なサンドウォーム(砂虫)を操り、ポールはハルコネン男爵の軍を次々と壊滅してゆく。やがてフレーメンに伝わる“命の水"を飲んで超人化したポールは、皇帝に最後の闘いを挑む。
フランク・ハーバートのSF大河小説「デューン」をデヴィッド・リンチが映画化。初の原作物。制作費は120億円とも言われる大作。結果はどうだったかと言えば、残念ながら商業的にも評論家的にも大失敗となりました。
主役に抜擢されたのは、以後デヴィッド・リンチ作品の常連となるカイル・マクラクランです。そう、「ツイン・ピークス」のクーパー特別捜査官ですね。

砂の惑星 (1984) 予告編

デヴィッド・リンチにとっては意欲作だったそうですが、「デューン/砂の惑星」は何故失敗してしまったのでしょうか?
そもそも原作が長いんですよね。とても2~3時間では描き切れないという問題があります。そこに持ってきて、デヴィッド・リンチはファイナル・カットの権利を持っていなかったため、配給会社から大幅にカットされてしまい、中途半端なものになってしまったようです。メジャーはメジャーで厳しいですね。
しかし、この経験を活かし、次作ではファイナル・カットの権利を手に入れ、巻き返しを図ることになります!

ブルーベルベット

大幅に予算カットはカットされたものの、ファイナル・カットの権利を手に入れて制作された「ブルーベルベット」。まぁ、確かに小粒ではありますが、これぞデヴィッド・リンチという作品に仕上がっています。大作よりも自由を選んだということですね。

変態的な情事をのぞき見するという内容もさることながら、暴力描写や女性が全裸で外に飛び出すといった表現が賛否両論を巻き起こしたものの、アカデミーの監督賞にも再びノミネートされ、全米映画批評家協会賞やロサンゼルス映画批評家協会賞での監督賞など多くの賞を獲得し、アボリアッツ国際ファンタスティック映画祭においてはグランプリに輝いています。
復活。デヴィッド・リンチ復活です。
ブルーベルベット

ブルーベルベット

監督:デヴィッド・リンチ
脚本:デイヴィッド・リンチ
製作:フレッド・カルーソ
製作総指揮:リチャード・ロス
出演者:カイル・マクラクラン、イザベラ・ロッセリーニ、デニス・ホッパー
音楽:アンジェロ・バダラメンティ
撮影:フレデリック・エルムス
編集:ドウェイン・ダンハム
公開:1986年9月19日
日本の旗 1987年5月2日
上映時間: 121分
赤いバラ、白いフェンス、青い空。絵葉書のようなアメリカの典型的な田舎町ランバートン。病院に父を見舞った帰り道、大学生のジェフリーは、野原で切り落とされた人間の片耳をみつけた。その耳の真相を追い求めていくうちに、謎めいたキャバレーの女性歌手ドロシーの存在を知り、次第に犯罪と暴力、SEXとSMのアブノーマルな世界に足を踏み込んでいく……。
主人公は前作に続きカイル・マクラクラン。ヒロインは精神的に壊れているマゾという実に難しい役どころを魅力的に演じているイザベラ・ロッセリーニ。そして、異才というか個性を発揮しまくっているのがデニス・ホッパー。もう狂気としか言いようがありません。

「ブルーベルベット」は、デヴィッド・リンチ作品の特徴である悪夢のような鮮烈な映像に、複数の題材を多く盛り込むというスタイルを確立した作品と言えますね。

『ブルーベルベット』日本版劇場予告編

以上がデヴィッド・リンチの80年代の映画作品です。4作品少ないですね。因みに90年代も4作品。そして2000年代には2作品で、2006年公開の「インランド・エンパイア」が最後となっています。テレビ作品や短編映画は数多く撮っているのですが、肝心の長編映画が少ない。
「ブルーベルベット」以降、加速度を増して素晴らしい作品のオンパレードとなるだけに、一人でも多くの方に見てもらいたいですし、デヴィッド・リンチには1本でも多くの作品を残してほしいものです。
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