というわけで、ようやくHGUCジオングに関してであるが、ここまで気合の入ったジオングの1/144というものに、出会える日が来ようとは、僥倖の一言に尽きた。
色分けはほぼ完璧(どんだけ完璧かというと、頭部耳部分のロケットノズルが、ちゃんと赤い本体は赤パーツで、黄色いノズルだけ黄色い別パーツで再現されているほど)。
色分けはほぼ完璧(どんだけ完璧かというと、頭部耳部分のロケットノズルが、ちゃんと赤い本体は赤パーツで、黄色いノズルだけ黄色い別パーツで再現されているほど)。
とりあえず、箱を空けていきなり驚かされるのは、まぁパーツの抜きの技術論が向上したせいか、突然ゴロンと、巨大なスカートが1パーツで丸々転がりだしてくる辺りが、もう最初からクライマックス的で感動すら覚えるレベル。
しかもジオングのスカートって、裏から見るとハート形をしているので、大河さん世代は無駄に不二家のハートチョコを思い出させられて、まだ平和だった70年代のバレンタインドリームが脳裏をよぎることこの上なし。
しかもジオングのスカートって、裏から見るとハート形をしているので、大河さん世代は無駄に不二家のハートチョコを思い出させられて、まだ平和だった70年代のバレンタインドリームが脳裏をよぎることこの上なし。
大型MSにしては表面ディテールがあっさりし過ぎているという指摘もwebでは見かけるが、そこはマスターグレード(MG)シリーズとの住み分け。
機体表面モールドやディテールの密度的には、このジオングは決して前後のHGUC版ズゴックやジム、ガンダム等と違和感を覚えるような演出はされておらず、むしろこのアッサリ感が「これですよ、これ!」と言いたくなるという。
機体表面モールドやディテールの密度的には、このジオングは決して前後のHGUC版ズゴックやジム、ガンダム等と違和感を覚えるような演出はされておらず、むしろこのアッサリ感が「これですよ、これ!」と言いたくなるという。
またこのHGUCジオングは、パーツの合わせ目処理が極力出ない方向でパーツ分割がされていて、パチ組で完成させてもかなりの満足度が得られる出来に仕上がっている。
ガンプラのMGシリーズなどでは、現代ではもう、実機体を想定したパネルラインやパーツ分割概念以外で、不要な「プラモデルだから」の合わせ目は全くない設計がスタンダードになりつつあるが、それはHGUCにも影響を与えてきていて、この時期トリッキーなパーツ分割による合わせ目の表面への露出を避ける構造へのエスカレートが始まっており、このジオングでもメインボディ以外では、顔や腕部では処理すべき合わせ目が皆無という快挙を成し遂げている。
ガンプラのMGシリーズなどでは、現代ではもう、実機体を想定したパネルラインやパーツ分割概念以外で、不要な「プラモデルだから」の合わせ目は全くない設計がスタンダードになりつつあるが、それはHGUCにも影響を与えてきていて、この時期トリッキーなパーツ分割による合わせ目の表面への露出を避ける構造へのエスカレートが始まっており、このジオングでもメインボディ以外では、顔や腕部では処理すべき合わせ目が皆無という快挙を成し遂げている。
キットの特徴としては、劇中のオールレンジ攻撃を再現するために、前腕と頭部がABS樹脂ジョイントで、本体から外せるようになっており、なおかつ有線サイコミュだった腕は、リード線で肘と繋げてフレキシブルに飾ることが可能。
ただ、長さ的には両手をフルにオールレンジ攻撃っぽく見せられるほどには尺が足りないので、『機動戦士ガンダムⅢ めぐりあい宇宙編』(1982年)クライマックスの、アムロのガンダムとのニュータイプ同士の熾烈な超絶バトルを再現したい人は、別個で3㎜の黒いリード線を購入して(Amazon辺りだと、柔らかいリード線と硬いリード線が選べるので、ここはもちろん後者で)、そちらに付け替えるというのはアリかもしれない。
ただ、長さ的には両手をフルにオールレンジ攻撃っぽく見せられるほどには尺が足りないので、『機動戦士ガンダムⅢ めぐりあい宇宙編』(1982年)クライマックスの、アムロのガンダムとのニュータイプ同士の熾烈な超絶バトルを再現したい人は、別個で3㎜の黒いリード線を購入して(Amazon辺りだと、柔らかいリード線と硬いリード線が選べるので、ここはもちろん後者で)、そちらに付け替えるというのはアリかもしれない。
旧キットでは、腕を肘に繋げるワイヤーが、完全な金属棒となっていたので、オールレンジ攻撃もまっすぐしか伸びず、また前腕を上腕に装着した段階でも、肘関節がまったく可動しないという辺りが残念ポイントだったわけだが、今回のHGUCではその辺りは当然リベンジクリアしているのだが、デザイン上の問題か、肘間接が45度ほどしか曲げることが出来ず、ここはこのキットの一番の弱点と言えるだろう。
また、このキットには専用のスタンドがつくが、それ以外でも、ボディ本体が、腹部と胸部で「反り返り」方向へ可動させることができ、劇中でメインの姿勢だった「前方へ向けて反ってるポーズ」が再現可能になっているところもポイントが高い。
他にも細かい可動としては、大型キットということもあり、指が左右とも、親指あわせて10本が別個に、根元からフレキシブルに可動。逆に指の造形自体に緩いカーブが最初から固定でついているので、指ビームを発射する時のスパルタンさは弱まるが、それでも通常シーンで指が全て可動するという仕様は、飾るときの表情付けにはとてもありがたい。
また、このキットには専用のスタンドがつくが、それ以外でも、ボディ本体が、腹部と胸部で「反り返り」方向へ可動させることができ、劇中でメインの姿勢だった「前方へ向けて反ってるポーズ」が再現可能になっているところもポイントが高い。
他にも細かい可動としては、大型キットということもあり、指が左右とも、親指あわせて10本が別個に、根元からフレキシブルに可動。逆に指の造形自体に緩いカーブが最初から固定でついているので、指ビームを発射する時のスパルタンさは弱まるが、それでも通常シーンで指が全て可動するという仕様は、飾るときの表情付けにはとてもありがたい。
あと、スカート内のバーニアも7基全てが基部で可動するが、メインの大きなツインバーニアの基部は、通常モビル・スーツの脚部の股関節のようなボールジョイントの設置になっており、ここは明確に、後のキット展開において、脚付のパーフェクトジオングを想定した構造であることが明白だったのだが、2017年現在、HGUCでパーフェクトジオングはまだ発売されていない。
仮に今後パーフェクトジオングが発売されるのだとしたら、おそらくジオング本体そのものがリファインされ、リニューアルキットとして新発売された上で、それのバリエーションとして(おそらくプレバン限定で)の商品化であろう。
HGUCジオングの塗装についてだが、上でも書いたようにパーツ段階での色分けは優秀だが、唯一、腰左右のメガ粒子砲発射孔だけは黒パーツの中で埋もれていたので、MSパープルで塗装しておいた。
完成したジオングと、直前に発売されたHGUC 021 ガンダムとは、並べさせても相性が良く、発売時期もコンセプトも技術も同時期なのだから当たり前と言ってしまえばそれまでだが、35年前に『めぐりあい宇宙編』に胸を熱くさせた世代であれば、この組み合わせが一番「満たされる」のではないだろうかとしみじみ思う。
仮に今後パーフェクトジオングが発売されるのだとしたら、おそらくジオング本体そのものがリファインされ、リニューアルキットとして新発売された上で、それのバリエーションとして(おそらくプレバン限定で)の商品化であろう。
HGUCジオングの塗装についてだが、上でも書いたようにパーツ段階での色分けは優秀だが、唯一、腰左右のメガ粒子砲発射孔だけは黒パーツの中で埋もれていたので、MSパープルで塗装しておいた。
完成したジオングと、直前に発売されたHGUC 021 ガンダムとは、並べさせても相性が良く、発売時期もコンセプトも技術も同時期なのだから当たり前と言ってしまえばそれまでだが、35年前に『めぐりあい宇宙編』に胸を熱くさせた世代であれば、この組み合わせが一番「満たされる」のではないだろうかとしみじみ思う。
市川大河公式サイト
光の国から愛をこめて
フリーランスライター・脚本家・演出家・元映画助監督・制作進行
市川大河が語る、ウルトラマン、ガンダム、日本のカルチャー