「あの人かつらだよね?」なんて会話、めっきりしなくなった気が。目覚しい技術発展を続けるかつらの歴史。
2016年10月20日 更新

「あの人かつらだよね?」なんて会話、めっきりしなくなった気が。目覚しい技術発展を続けるかつらの歴史。

中高年に差し掛かった私たちにとって、禿(ハゲ)やかつら(カツラ)は他人事ではありませんよね。でも昔は、街を歩いてても電車に乗っても明らかに「あの人かつらだよね?」なんて、見て分かるものだった気がします。近年は目覚ましい技術進化を続け、禿に悩む方にとって心強い存在となったかつら、その歴史を振り返りましょう。

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40代や50代などに差し掛かれば、若いころからの変化として頭髪の変化(「はげ」「薄毛」など)が気になる方も出てくることでしょう。

幼いころは「ハーゲ」なんて軽口を叩いたものですが、いざ我が身となれば、さすがに何かしらの方針を決める必要がありますよね。

その手段の一つとしてのかつら、かつては「あの人かつらだよね?」なんて、見た目から分かりそうなものだったものですが、いまや技術の進化によって非常に優れたものとなってきています。

それはさておき、そんなかつらの歴史についてみていきましょう。

古くは「かづら」と呼んだ「かつら(鬘)」

かつら(鬘)は、人の頭部にかぶせて、もとある頭髪を補ったり別の髪型に見せるために使う、人毛もしくは人工的な髪のこと。古くは「かづら」と言い、鬘帯や鉢巻きなど、頭髪のように作って頭にかぶったり付けたりするものを指した。現代でも能楽では「かずら」と呼ぶ。
明治維新における薩長の討幕軍

明治維新における薩長の討幕軍

この光景は、年末時代劇「白虎隊」などで観たことある方も多いかもしれませんね。

かつらの歴史について

かつらはエジプト、ギリシャ、ローマなどの古代文明の時代からファッションとして、あるいは脱毛を隠すために使用されてきました。

日本でも古代の頭飾具に蔓草(かづらぐさ)があり、転じて「かつら」となったとされています。
髪型としてのかつらが現れたのは足利時代とされ、能楽で面とともに扮装用に使われていました。
また歌舞伎など演劇用として発達し、日本髪や巻き上げ髪用として広く使われるようになったとされています。
中世西洋では正装に

中世西洋では正装に

中世西洋ではノミやシラミが流行していたことから、衛生状態を保つために地毛の頭髪を短く剃って人毛を編んだかつらを使用するのが、一般的でした。
後の時代になって生活の環境が改善してからもその習慣は残り、正装の一部としてかつらが着用されていました。

そして当然ながら、はげに対しての効能期待

かつらは、はげに悩む人にとっては手軽で現実的な対処法となりえます。

はげていることは、時に強い精神的ストレスを感じる材料となり、日々の生活に支障をきたすこともあります。
かつらを着用することで性格が明るくなったり、自信を持ち積極的になるなど、大きな悩みを解消してくれる側面があります。
ただし着用には注意を

ただし着用には注意を

帽子をかぶっているのと同様、着用部の皮膚温は高くなって内部が蒸れることがあります。
かつら着用後は毎日かつらを取り外しての頭皮の洗髪を心掛け、衛生面での留意が大事となります。

技術の進展も手伝ってかつらの使用者は増加傾向に

技術の進化が目覚ましい「貼るかつら」

技術の進化が目覚ましい「貼るかつら」

2000年頃に登場した、特に男性型脱毛症(Androgenetic Alopecia=AGA)による社会的偏見視から人々の目を遠ざけることを目的として欧米で開発された「頭皮一体型の薄型かつら」が広く普及。
また、かつては天文学的な金額がかかってしまうと思われていたかつらですが、近年の普及の要因にはかつらが手頃な価格帯になってきたことがあげられるでしょう。

貼るタイプのかつらは、 相場としては大企業のもので(4枚50万円~70万円)中小企業や個人事業のもので(1枚2万円~10万円)というのが一般的だそうです。

もちろん安くはありませんが、「車一台分」などと言われていた頃に比べれば随分と安くなったのではないでしょうか。

二大ブランド「アデランス」「アートネイチャー」

今も昔も、二大メーカーはアデランスとアートネイチャー。
「アデランスの中野さん」といえばキン肉マンのキャラクター、そして当時のアデランスCMに起用されていた競輪の中野浩一選手も有名です。
アデランスの中野さん

アデランスの中野さん

ちなみにキン肉マンに登場する「アデランスの中野さん」と、競輪の中野浩一選手とは関係がなく、そのモデルは「キン肉マン」作者のゆでたまご先生を発掘した、集英社の中野和雄氏です。
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