『アイ、トーニャ』でも同様のシーンが登場しているが、父親と二人で道端のビンやカンを拾って換金してスケート代に充てる描写など、彼女の貧しさと父親との絆は本作の方が詳しく描かれている。
実は意外なことに、本作では女性の情報提供者によるFBIへの通報から事件が発覚したことが描かれている。
本作でナンシー・ケリガン役を演じているのは、何と偶然にもあのホラー映画の名作『エルム街の悪夢』シリーズのヒロインのナンシー役で有名な、ヘザー・ランゲンカンプその人!
太い眉毛が印象的な彼女のその後の活躍を見るためだけでも、本作はホラーファンに是非オススメしたい作品だと言える。
太い眉毛が印象的な彼女のその後の活躍を見るためだけでも、本作はホラーファンに是非オススメしたい作品だと言える。
本作ではあくまでも元夫の証言としてだが、実はハーディング自身が襲撃を持ちかけたことや、ケリガンの練習スケジュールの確認の電話を、ハーディング自身がかけていたことが描かれている。事件直後に製作された映画だけに、信憑性は高そうだが・・・。
本作にはなんと、史上初のトリプルアクセルを成功させたもう一人の女子フィギュア選手、日本の伊藤みどり選手がまさかの登場!微妙に似ているかも?
最後に
いかがでしたか?
当時テレビの報道でしか事件の情報が入って来ず、そのスキャンダル性のみが先行・増大して我々に伝えられた感が強かった、このナンシー・ケリガン殴打事件。
今回の『アイ、トーニャ』では、敢えてフィクションと現実との境目を壊すことで、トーニャ・ハーディング側からの偏った視点で事件が描かれる内容に説得力を与えている。
それに対してこの『氷上の疑惑』では、事件直後に得られた情報や裁判での証言などから、あくまでも中立の立場としてケリガンとハーディング二人の人生を描いている。
そのため、実際には事件を警察に通報した情報提供者の女性がいたことや、ハーディングの母親の行動にも同情できる理由があったこと、そして何よりハーディングの義理の兄の存在など、『アイ、トーニャ』では一切語られていない、彼女にとって都合の悪い部分が随所に登場することになるのだ。特に『アイ、トーニャ』で全編に渡って強烈な印象を残す母親が、『氷上の疑惑』では映画の序盤10分ほどに登場するだけなのは、『アイ、トーニャ』を観た今となっては、実に違和感を感じるとしか言いようがない。
この様に、今回の映画化では知ることの出来なかった部分が随所で登場する本作は、事件の真相を知る上では正に必見の作品なのだが、前述した通り未だにDVD化されていないのが困りもの。
当時テレビの報道でしか事件の情報が入って来ず、そのスキャンダル性のみが先行・増大して我々に伝えられた感が強かった、このナンシー・ケリガン殴打事件。
今回の『アイ、トーニャ』では、敢えてフィクションと現実との境目を壊すことで、トーニャ・ハーディング側からの偏った視点で事件が描かれる内容に説得力を与えている。
それに対してこの『氷上の疑惑』では、事件直後に得られた情報や裁判での証言などから、あくまでも中立の立場としてケリガンとハーディング二人の人生を描いている。
そのため、実際には事件を警察に通報した情報提供者の女性がいたことや、ハーディングの母親の行動にも同情できる理由があったこと、そして何よりハーディングの義理の兄の存在など、『アイ、トーニャ』では一切語られていない、彼女にとって都合の悪い部分が随所に登場することになるのだ。特に『アイ、トーニャ』で全編に渡って強烈な印象を残す母親が、『氷上の疑惑』では映画の序盤10分ほどに登場するだけなのは、『アイ、トーニャ』を観た今となっては、実に違和感を感じるとしか言いようがない。
この様に、今回の映画化では知ることの出来なかった部分が随所で登場する本作は、事件の真相を知る上では正に必見の作品なのだが、前述した通り未だにDVD化されていないのが困りもの。
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映像作品以外の資料としては上の写真にある様な、事件の関係者の証言を元にした書籍『氷の炎』が1994年に日本でも翻訳されているが、現在では入手困難となっており、アマゾンでも5000円のプレミア価格が付いている。
『アイ、トーニャ』がソフト化される際には、是非とも本作のDVDリリースを実現して欲しいものだ。
『アイ、トーニャ』がソフト化される際には、是非とも本作のDVDリリースを実現して欲しいものだ。