映画「死刑台のエレベーター」
俳優さんも街並みも美しく、ファッションはお手本でした。
ただ、ハリウッド映画と違い、日常の生活を淡々と描くものが多かったためでしょう「フランス映画は退屈」という意見は多く、映画館で寝ている人も見受けられました。
それでも当時の若者は背伸びをしてデートにはフランス映画を観たものです。
もちろん、フランス映画は退屈なものばかりではありません!素晴らしい映画は星の数ほどあります。しかし、「そう、それは分かっているけど眠くなる」という方に最適な映画のひとつをご紹介しましょう。
ヌーヴェルヴァーグの幕開けを飾る傑作「死刑台のエレベーター」です。
この映画ポスターからしてオシャレ具合が伝わろうかと思いますが、まだこの映画をご覧になっていないのであれば、その期待を裏切ることはありません。
この映画がなぜ眠くならないかと言いますと、サスペンス仕立ての恋愛(不倫ですね)映画だからなんですね。
そして、何より素晴らしいのが音楽です。映画はたしかに名作ですが、音楽だけ取り出しても名作の誉れ高い作品なんです。
それでは順に紹介していきましょう。
キャスト
相手役は、モーリス・ロネが務めています。彼もまた素晴らしい役者さんで、残念ながら1983年に亡くなられていますが、生涯で100本以上の作品に出演しているほどです。
そして、そして、そして、この映画の真の主役と言っても良いのではないかというのが、音楽を担当したマイルス・デイヴィスです。
しかも、録音は信じられないことに、いくつかのメロディの断片を用意していたとはいえ、真夜中のパリのスタジオでラッシュ・プリントを見ながらアドリブで録音されたという伝説的な即興演奏を聴くことができます。
それにしても、いくらマイルス・デイヴィスが天才とはいえ、とても即興にちかいカタチでの録音とは思えない素晴らしい作品となっています。
死刑台のエレベーター
2. L’ASSASSINAT DE CARALA
3. SUR L’AUTOROUTE
4. JULIEN DANS L’ASCENSEUR
5. FLORENCE SUR LES CHAMPS-ELYSEES
6. DINER AU MOTEL
7. EVASION DE JULIEN
8. VISITE DU VIGILE
9. AU BAR DU PETIT BAC
10. CHEZ LE PHOTOGRAPHE DU MOTEL
11. ON GREEN DOLPHIN STREET
12. FRAN-DANCE
13. STELLA BY STARLIGHT
ジャズのカッコよさは、夜、大人、退廃、クール、ハードボイルドといったキー・ワードに象徴されるが、マイルス・デイビスこそ、その要素を全て併せ持ったミュージシャンだといえよう。その中でも、このアルバムはマイルス・ダンディズムの極致を地でいったきわめてクールでカッコイイ演奏である。
録音メンバーは、マイルス・デイヴィス(トランペット)の他、バルネウイラン(テナーサックス)、元オリジナルMJQのメンバーのケニー・クラーク(ドラム)、ルネ・ウルトルジェ(ピアノ)、ピエール・ミシュロ(ベース)です。
ストーリー
映画『死刑台のエレベーター ニュープリント版』予告
ジュリアン・タベルニエ(モーリス・ロネ)は、自分が勤める会社の社長夫人であるフロランス・カララ(ジャンヌ・モロー)と不倫をしていました。
そして、二人で社長殺害を計画。ジュリアンは、フロランスの夫を自殺に見せかけて殺してしまいます。ところが、完全犯罪の筈でしたが思わぬミスを犯してしまい、一旦現場に戻ることになります。すると、運悪く、ジュリアンは現場のビルのエレベーターの中に閉じこめられてしまったのです。