アナーキー・イン・ザ・U.K.(Anarchy in the U.K.)
セックス・ピストルズは、マルコムのイメージを具現化する道具として調教された。マルコムは「客に唾を吐きかけろ!」「ドールズの様になれ」「人に嫌われるんだ!」と、ザ・フー、ニューヨークドールズやアリス・クーパー、イギー・ポップなど、歴代の悪者、反社会ロッカー達の楽曲を習わせ、メンバー達を仕込んでいった。
そんな過激なイメージと振る舞いが功を奏したのか、彼等の名前は一気に広がり、シングル「アナーキー・イン・ザ・UK」を発表するに至る。
「嫌われろ!」と言われていたわけですが、結果的に、大人には嫌われたかもしれないのですが、若者は大いに、ピストルズを受け入れ、ほとんど崇拝していた…と言っていいほどでしょう。
(それもマルコムの計算の内だったのでしょうか?)
Sex Pistols - Anarchy In The UK - YouTube
「アナキー・イン・ザ・U.K.」
あまり音質が良くないけど、VEVOだから…。
俺は反キリスト論者 俺はアナーキスト(無政府主義者)
欲しい物なんてないが
手に入れる方法だけは心得てる
行き交うヤツラをぶっ殺したいゼ
俺はアナーキストになりたいのさ
手下なんかごめんだね
アナーキズムを英国に
きっといつかそんな日が来る
メチャクチャにするぜ、交通を遮断してやる
お前の夢といったらショッピングに行くことくらいさ
俺はアナーキストになりたい この街で
『アナーキー・イン・ザ ・UK』
作曲は主にベーシストのグレン・マトロック。作詞はジョニー・ロットン。
『ローリング・ストーン』誌が選出したオールタイム・グレイテスト・ソング500では56位にランク・インしており、また、ロックの殿堂公式サイトで選出された「ロックン・ロールを形作った500曲」の中にも含まれている
この曲が聴きたいがためにアルバム買いました。つい口ずさみたくなるような曲ばかりですが、歌詞は過激なのですね。
ちなみに、テレビでは放送禁止用語だったようで、この曲を出した後にレコード会社(EMI)から契約を破棄されたようです。当時としては、あまりにも「突出していた」バンドだったのでしょう。
ゴッド・セイヴ・ザ・クイーン(God Save the Queen)
Sex Pistols - God Save The Queen - YouTube
「ゴッド・セイヴ・ザ・クイーン」
イギリス国歌と同名異曲だが、グレン・マトロックによれば、この曲が1976年に作られた当時は「ノー・フューチャー」と呼ばれていたという。
イギリスの国歌と同じ名前を付けられたこの歌で歌われているのは女王、そして英国愛への徹底した挑発だった。
神のご加護を女王に
女王のファシスト政権に
お前は間抜け野郎だ 水爆級のな
神のご加護を女王に
アイツは人でなしだからな
イングランドの夢想に未来なんてないぜ
「ゴッド・セイヴ・ザ・クイーン」は、BBCによって日中は放送禁止の措置を取られるが[14]、1977年6月4日付の全英シングルチャートで初登場11位となり]、翌週には2位を記録する。
ただし、本作がヒットしていた当時のイギリスはエリザベス2世の即位25周年に湧いており、この曲はそうしたムードに相応しくなかったため、本作の1位獲得は計画的に阻止されたという説がある。
なお、『NME』誌のチャートでは本作が1位を獲得した。
彼らに対する手痛い仕返しはこれだけではなかった。
多くの新聞メディアがピストルズを「社会の敵」として扱い、「パンクを懲らしめろ」という見出しが紙面を飾った。
その数日後、ジョニーは駐車場で「オレたちは女王を愛しているんだ」と口走る3人組の男たちに襲われ、左手と足を切りつけられる大怪我を負ってしまう。
挑発的なパフォーマンスで若者から絶大な支持を得た代償は、あまりにも大きかった。
「この時代のイギリスって、そんなに低迷、最悪の状態、ダメダメな状態だったんだな…」
とセックス・ピストルズの曲で知ったように思います。
メディアやレコード会社からは嫌われていたかもしれないけど(レコード・セールスはいいのにね)、歌詞は吐き捨てるような放送禁止用語だらけだったかもしれないけども、これが当時のイギリスで生活する若者たちの「本音」だったのかも…。