唯一のアルバム「勝手にしやがれ!!」
『勝手にしやがれ!!』(原題:Never Mind the Bollocks, Here's the Sex Pistols)は、イギリスのパンクバンド、セックス・ピストルズ唯一のスタジオ・アルバム。1977年10月28日にヴァージン・レコードよりリリースされ、全英アルバムチャート1位を記録。
『ローリング・ストーン』誌の「オールタイム・ベスト・アルバム500」(大規模なアンケートで選出)と「オールタイム・ベスト・デビュー・アルバム100」に於いて、それぞれ41位と7位にランクイン。
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当のことしか言えない
投稿者 桃次郎 投稿日 2014/11/8
RCサクセションに「言論の自由」という名曲がある。「本当のことなんか言えない。言えば殺される。言えばにらまれる」ガンジーとマーティン・ルーサー・キングとジョン・レノンは本当のことを言い続け、殺された。1976年に登場したセックス・ピストルズもまた「本当のことしか言えない」バンドで、18歳のジョニー・ロットン(ジョン・ライドン)は右翼の暴漢に襲われ、ナイフが脚と左手のひらを貫通する重症を負った。
「あやしい奴だな。お前はうそつきだ」「誰にも何にも感じねえ。自分が一番好きだから」「神は女王陛下をお救いになる。神は男で、あの女は人間じゃない。俺たちに未来はねえ」「俺は自分のやりたいようにやる。問題はお前だ。お前は何がしたいんだ」「まだヤクなんてやってんのか。くだらねえ」「俺は反キリストだ」「俺はアニマルじゃねえ」「俺たちが有名になって、EMIががっぽり儲ける。ハローEMI」ぶっきらぼうな旋律に乗せて、言葉のナイフが突きつけられる。
ピストルズがやったことは、かつてビートルズやストーンズにあって、ショービジネスの中で次第に損なわれ失われてしまった何かを、取り戻す闘いだったように思う。労働者階級出身のミック・ジャガーやジョン・レノンは今や豪邸に住み、あろうことかミックが娘(5歳)の誕生日に白い子馬を贈ったというようなニュースが流れて、誰が「満足できねえ(Satisfaction)」と歌うミックにリアリティを感じるだろう。ピストルズは身も蓋もなく正直な言葉でシステムの虚構を解体し、ロックの初期衝動を再生しようとした。最大の危惧は、自分たちもいつかロック・スターになり、腐敗したショービジネスに取り込まれてしまうこと。
錆付くより燃え尽きたほうがいい(Neil Young)。最後は自爆テロのごとく、ピストルズは一度限りの打ち上げ花火になって散る道を選んだ。ジョニーがピストルズ脱退に当たって投げかけた言葉は、すべて本当のことだ。「よう、騙された気分はどうだい」俺はお前らのヒーローじゃねえ。「ロックは死んだ」そしてセックスピストルズもパンクも死んだ。夢は終わりだ。俺はもう一度、ゼロからやり直す。お前らもそうしたほうがいい。汚れのジョニーは去って、シドはヘロインで命を落とし、ただ1枚のアルバムが残された。ロックが知的で、命がけで、たまらなくかっこいい音楽であることを、18歳の僕はこのアルバムに教わった。・・・・聴かずに死ぬな。
解散後
ジョニー・ロットン脱退後、急遽アメリカツアーを中止。スティーヴ・ジョーンズとポール・クックは、イギリスの大列車強盗犯人ロナルド・ビッグスや元ナチスのマルチン・ボルマンとコラボレーションを行い、おふざけ半分でピストルズを延命させた。
解散後のシド・ヴィシャス
マルコムは、嫌がるシド・ヴィシャスにフランク・シナトラの「マイ・ウェイ」の替え歌をレコーディングさせ、レコード発売も行っている。その後シドはアメリカツアーを行い、宿泊していたホテルで恋人であったナンシー・スパンゲンを刺殺した容疑をかけられたまま、麻薬の大量摂取が原因で他界。結果的に「マイ・ウェイ」はシドの代表曲となった。
Sid Vicious - My Way (Original and Complete Version) - YouTube
シド・ヴィシャス「マイ・ウェイ」
映画化も
Sid & Nancy - Trailer - YouTube
映画「シド&ナンシー」
出演=ゲイリー・オールドマン、クロエ・ウェブ
死後、シドの革ジャンのポケットから直筆の遺書らしきメモが発見される。
『俺達は死の取り決めがあったから、一緒に死ぬ約束をしてたんだ。 こっちも約束を守らなきゃいけない。
今からいけば、まだ彼女に追いつけるかも知れない。
お願いだ。死んだらあいつの隣に埋めてくれ。
レザー・ジャケットとレザー・ジーンズとバイク・ブーツを死装束にして、さいなら。』
と記されていたという。
本当は繊細な方だったようなので、事故なのか自死なのか…。
なんとも言い難いように思います。
最後にちょっとだけインタビュー
セックス・ピストルズに対しての英国テレビでの評価(1977年) - YouTube
最後は、動画内のインタビュー(後半)も少しあります。
めちゃくちゃな言われようですが…もう少しインタビューを見て(聞いて)みたいな…と少し不満は残るかもしれないのですが、まとめを終えようと思います。読んでくださってありがとうございます。