思い出の「昭和有名人伝記マンガ劇場」第1回:涙と苦労の男「せんだみつお物語」!
2017年11月27日 更新

思い出の「昭和有名人伝記マンガ劇場」第1回:涙と苦労の男「せんだみつお物語」!

当時の芸能界やテレビ・ラジオなどメディアの話題を独り占めし、今も我々ミドルエッジ世代の記憶に残る、昭和の様々な有名人たち。そんな昭和有名人がマンガになっていた作品を紹介する新企画。第1回は、まさに昭和のお笑いの酸いも甘いも知り尽くした男「せんだみつお物語」です。

6,184 view
当時の芸能界やテレビ・ラジオなどメディアの話題を独り占めし、今も我々ミドルエッジ世代の記憶に残る、昭和の様々な有名人たち。
ただ、現在ではすっかりメディアから遠ざかってしまった人や、残念ながら既に引退・他界してしまった人など、今や我々の記憶の中にその姿を留めるだけの人も多かったりする。
既にミドルエッジのサイトでも何回か紹介して来た、映画のコミカライズ作品の数々。
実は70年代には、これら昭和の有名人の伝記マンガが、映画のコミカライズ作品と同時掲載されることが、ごく一般的となっていた。
残念ながら雑誌掲載後は単行本にも収録されず、本人の活躍終了と共に人々の記憶からも消え去ってしまった、これら無数の伝記マンガたち。
そんな昭和の人気タレント・スポーツ選手や、漫画家・政治家たちの伝記マンガを紹介しようという、この連載企画。
記念すべき第1回は、ミドルエッジ世代にとっては、今も強烈な記憶を残すあの男!
そう、あの70年代を駆け抜けた人気コメディアン、「せんだみつお」物語を紹介することにしよう。
ラジオ出演中のせんだみつお。

ラジオ出演中のせんだみつお。

その活動時期は、ちょうどブルース・リーが日本中に大ブームを巻き起こした時期と重なる。
当時は、テレビで彼の姿を見ない日は無い程の大人気だった。

深夜ラジオやテレビで大人気!せんだみつおとは何者だったのか?

ミドルエッジ世代なら、恐らく一度は見たことのある人気コメディアン、せんだみつお。
とにかく当時の勢いは物凄く、正に70年代の空気の中で時代を駆け抜けたコメディアンだったと言える。
現代で例えると、外見的にはムロツヨシ、芸風は出川哲郎&山崎方正といった感じだろうか?
彼の持ち味と言えば、とにかくハイテンションの喋りと適度な下ネタ!同時期にやはり深夜放送で活躍していた、笑福亭鶴光ほどエロく無いその芸風は、当時の小学生にも非常に馴染み易い物だったのだ。
残念ながら後述する理由により、人気コメディアンとしての活動期間は思ったよりも短く、その後は俳優や司会などが中心となり、次第にお茶の間のテレビからは消えて行った、せんだみつお。
テレビCMやバラエティ番組で大活躍だった、せんだみつおだが、やはり当時の小中学生には、TBSテレビ夕方の人気番組「ぎんざNOW」の名司会としての印象が強いのではないだろうか?
説明だけで無く、やはり世代的にご存知無い方には、実際の映像を見て頂いた方が良いだろう。
それでは、まずテレビCMと代表的なテレビ番組の映像から。

「ぎんざナウ」映像

「ぎんざNOW」出演中のせんだみつお。

「ぎんざNOW」出演中のせんだみつお。

一緒にいるのは、この番組の人気コーナー「素人コメディアン道場」より誕生した、人気グループ「ハンダース」と榊原郁恵。
via 「ぎんざNOW」放送より
ちなみに「ぎんざNOW」の司会は、1972年からスタート。翌年1973年の10月からは、あの人気番組「うわさのチャンネル」がスタートすることになる。

ちびろくラーメンTVCM(開始後1分15秒あたりから)

これ以外にも、アイドルが出演する歌番組や30分物の番組に多数出演しており、特にTBS系で放送されていた30分番組、「せんみつ・湯原ドット30」や「たまりまセブン大放送!」などは、記憶に残っている方も多いのでは?

実は、これらのテレビ出演で本格的にブレイクする以前、最初にせんだみつおの人気に火を点けたのは、ラジオの深夜放送での軽快なトークだった。絵が出ない分、その喋りのスピードとパワーが、当時のリスナーの心を直接鷲掴みにしたのは言うまでも無い。
中でも代表作と言える、ニッポン放送 土曜日夜のワイド番組「燃えよ!せんみつ・足かけ二日大進撃」は、1974年4月20日に放送を開始し、6年間の長きに渡って放送されたが、その後は「所ジョージの足かけ二日大進撃」にバトンタッチすることになる。
ではこちらのラジオ放送も、是非当時の貴重な音源でお聞き頂ければと思う。

文化放送「せんだみつおのセイヤング」音源

ニッポン放送「燃えよ!せんみつ 足かけ2日大進撃 」音源

映画「トラック野郎」予告編より。

映画「トラック野郎」予告編より。

せんだみつおは、シリーズ後半の3作品に、第3のトラック野郎「桶川玉三郎」として登場。
この「トラック野郎」シリーズには、「ぎんざNOW」の「素人コメディアン道場」出身である関根勤も、ラビット関根の名前で出演していた。
これ以外にも、せんだみつおは映画やドラマ、そしてなんと歌にも進出!当時の東映人気シリーズ「トラック野郎」にも、第三の男「桶川玉三郎」役として、シリーズ後半の3作品に準レギュラー出演することに。
特に1977年の活躍振りは素晴らしく、この年には意外な名曲「高原の二人」のリリースや、あの人気漫画の実写映画化にして初の主演映画、「こちら葛飾区亀有公園前派出所」も公開!正に70年代中期~後期にかけて、マルチタレントとして大活躍していたのだった。
「こちら葛飾区亀有公演前派出所」ポスター

「こちら葛飾区亀有公演前派出所」ポスター

近年も実写化・アニメ化されているが、キャラクターの再現度的には、断然こっちが上!
幻の迷作?として有名なこの映画、とにかく一日も早いソフト化が望まれる。
しかし、残念ながらこの映画「こちら葛飾区亀有公園前派出所」は、1981年に1度だけかなりの高額でビデオがリリースされたのみで、現在に至るまで再発売・DVD化はおろか、東映チャンネルにおいても放送されておらず、文字通り「封印映像」の代表格となっている。
ただ近年、長らくソフト化されていなかった作品群が、一気に東映チャンネルでも放送されるようになっており、なんとあの「江戸川乱歩全集 恐怖奇形人間」も遂に10月にDVD化!
こうして封印映像解禁の動きが活発になりつつある中、本作にも再びソフト化の動きが出ることを願ってやまない。
以上、駆け足で紹介して来たが、せんだみつおについて更に詳しく知りたい方は、以下のリンクからご覧頂ければ幸いです。
50 件

思い出を語ろう

     
  • 記事コメント
  • Facebookでコメント
  • コメントはまだありません

    コメントを書く
    ※投稿の受け付けから公開までお時間を頂く場合があります。

あなたにおすすめ

関連する記事こんな記事も人気です♪

「笑点」勇退後、はじめて語る秘話満載!林家木久扇『木久扇の昭和芸能史』が発売決定!!

「笑点」勇退後、はじめて語る秘話満載!林家木久扇『木久扇の昭和芸能史』が発売決定!!

草思社より、『木久扇の昭和芸能史』(林家木久扇・著、林家たけ平・聞き手)が発売されます。
隣人速報 | 76 view
一年におよぶ週刊誌バッシングの渦中に…故・仲本工事さんの妻・三代純歌による手記『笑顔の人―仲本工事さんとの真実』が発売!

一年におよぶ週刊誌バッシングの渦中に…故・仲本工事さんの妻・三代純歌による手記『笑顔の人―仲本工事さんとの真実』が発売!

リーダーズノートより、故・仲本工事さんの妻・三代純歌による手記『笑顔の人―仲本工事さんとの真実』が発売されます。
隣人速報 | 358 view
BSよしもと「花王名人劇場」11月のラインナップが公開!昭和のお笑い名人芸と当時の熱狂が再び!!

BSよしもと「花王名人劇場」11月のラインナップが公開!昭和のお笑い名人芸と当時の熱狂が再び!!

BSよしもとで毎週(土)①12:30~、②14:00~で放送されている「花王名人劇場」の11月の放送ラインナップが公開されました。
隣人速報 | 356 view
昭和のお笑い名人芸と当時の熱狂を再確認!BSよしもと「花王名人劇場」7月のラインナップが発表される!!

昭和のお笑い名人芸と当時の熱狂を再確認!BSよしもと「花王名人劇場」7月のラインナップが発表される!!

現在BSよしもとで毎週(土)①11:00~、②12:00~に放送されている、1979年から1990年に関西テレビ系列でオンエアされていた「花王名人劇場」の7月のラインナップが発表されました。
隣人速報 | 855 view
「水曜日のダウンタウン」で『昭和はむちゃくちゃだった系の映像、全部ウソでもZ世代は気付かない説』が放送!!

「水曜日のダウンタウン」で『昭和はむちゃくちゃだった系の映像、全部ウソでもZ世代は気付かない説』が放送!!

TBS系列で放送中のバラエティ番組「水曜日のダウンタウン」の6月21日22:00~放送分にて、「昭和はむちゃくちゃだった系の映像、全部ウソでもZ世代は気付かない説」が特集されることが明らかとなりました。
隣人速報 | 1,036 view

この記事のキーワード

カテゴリ一覧・年代別に探す

あの頃ナウ あなたの「あの頃」を簡単検索!!「生まれた年」「検索したい年齢」を選択するだけ!
リクエスト