フォルクス、ウェンディーズ、らんぷ亭…ダイエーグループだった飲食店たち
2016年5月28日 更新

フォルクス、ウェンディーズ、らんぷ亭…ダイエーグループだった飲食店たち

かつて日本有数の企業集団であったダイエーグループ。その中で外食チェーンであったフォルクス、ウェンディーズ、ビッグボーイ、らんぷ亭などの過去と現在。そしてなぜダイエーは牛肉関係の外食店が多かったのかについて紹介。

44,611 view
ビッグボーイ名物「炙り大俵ハンバーグ」

ビッグボーイ名物「炙り大俵ハンバーグ」

ビーフ100%を使用した「炙り大俵ハンバーグ」と、店内でひとつひとつ丁寧に手作りした「手ごねハンバーグ」がメイン商品。
ビッグボーイは、開放的な1フロアーのアメリカ風の店舗に、調理場が客席から見えるオープンキッチンで作る手こねハンバーグやステーキ類をチャーブロイラー(焼き目を付けるグリドル)で焼き上げる工程が見られるなどの特徴がある。
比較的質の高いハンバーグを提供し、ハンバーグ系に強いレストランとして郊外型のロードサイド店舗を中心に出店が続けられた。
フォルクスと同様に、スープバー・サラダバーなども導入している。

2000年に「ミルキーウェイ」を展開する株式会社ミルキーウェイ(宮城県仙台市)、「ヴィクトリアステーション」を展開する株式会社ヴィクトリアステーション(北海道札幌市)と合併し、両ブランドを継承。
後に「グリル暖」が誕生して4ブランドとなったが、2010年6月にミルキーウェイ全店舗をビッグボーイに転換して消滅させた後にグリル暖を全店舗閉店したため、現在はビッグボーイとヴィクトリアステーションのみとなっている。

2002年、筆頭株主ダイエーの経営悪化により、株式会社ウェンコ・ジャパン(ウェンディーズ)とともにゼンショーに全株を売却され、ダイエーグループを離脱した。

ハンバーガーチェーン『Wendy's ウェンディーズ』(1980年5月~2002年12月)

デイヴ・トーマスが創業したアメリカのハンバーガーチェーン店。
中内功が訪米時にウェンディーズの味に感激し、日本誘致が決まったのが始まりである。

日本をはじめとする世界26か国に6000店舗以上を展開している。
Wendy's ウェンディーズ

Wendy's ウェンディーズ

「ウェンディーズ」という屋号は、当時 「ウェンディ(Wendy)」 のニックネームで呼ばれたデイヴ・トーマスの娘メリンダ・ルー・トーマスにちなんでいる。当初は「ウィンダ(Winda)」だったそうだが、本人にとって発音が難しかった為ウェンディに変えたと言う。
1980年、ダイエーが米ウェンディーズとフランチャイズ契約を結ぶ。
その受け皿としてダイエーグループにおいてハンバーガーチェーンを展開していた株式会社ドムドムを利用することになり、社名を株式会社ウェンコ・ジャパンに変更。

これ以降、社内にはドムドム事業本部とウェンディーズ事業本部が並行しておかれ、フランチャイザーでありながらフランチャイジーでもあるという、あまり例のない業態の会社であった。
1990年代末期には、全国で100店舗体制を達成。

2002年、ダイエーの経営危機に伴う子会社の整理により、同じダイエーグループだったビッグボーイと共にゼンショーに売却された。

そのゼンショーは2009年にウェンディーズとフランチャイズ契約を打ち切り、ウェンディーズは日本から撤退した。

しかし2011年にはヒガ・インダストリーズと提携して日本に再び進出、フランチャイズではなくウェンディーズ・ジャパンを共同で設立している。

2016年5月23日、サントリーホールディングスが100%子会社・ファーストキッチンの全株式をウェンディーズ・ジャパンに売却する方針だと、各紙が報じている。
現在の名物「プレッツェルバーガー」

現在の名物「プレッツェルバーガー」

2014年に登場した「プレッツェルバーガー」。
使用しているプレッツェルバンズは日本市場向けに研究・開発した。

牛丼チェーン『神戸らんぷ亭』(1993年2月~2005年12月)

『神戸らんぷ亭』は牛丼専門の外食チェーン店。
1993年2月に、ダイエーグループの株式会社蔵椀が、牛どん事業を開始。
東京・恵比寿に1号店開店。
同年8月には 株式会社ダイエーの全額出資で、株式会社神戸らんぷ亭が設立され牛丼店のチェーン展開を開始した。

『神戸らんぷ亭』ネーミングの由来
【神戸】
・牛どんの発祥地「神戸」に因む。
・設立時の親会社のダイエーが神戸市を本拠(登記上本店所在地)としていること。
・神戸=牛肉というイメージがあること。
【らんぷ】
・文明開化の象徴であり、暖かく人々をつつむ「らんぷ」の灯のイメージ。
・庶民の心の灯になりたいという大いなる心意気。

東京・恵比寿に1号店を構え首都圏を中心に多数存在したが、名前に付いている「神戸」や他地域への出店実績は無い。
神戸らんぷ亭

神戸らんぷ亭

吉野家の牛どん(並)が400円であった時代に、 牛どん(並)を290円で販売開始。
しかし、1996年7月から1998年3月にかけて3回にわたって値上げした結果、吉野家と値段が並んでしまった。
その後、2001年に値下げしている。
神戸らんぷ亭の牛どん

神戸らんぷ亭の牛どん

低価格ながら当時の最大手吉野家に最も近い味と評され、愛好家も多かった。
最盛期は、すき家、吉野家、松屋、なか卯に続く業界5位だった。

2005年、ダイエーの経営難に伴う子会社の売却に伴い、ITサービス企業であるミツイワ株式会社の子会社となった。

2010年1月に日本初の塩牛丼を発売した。
2014年には一部店舗を新業態のカツ丼専門店・かつ丼屋(かつどんや)に転換した。

2015年に筆頭株主がミツイワからマックグループに異動した後は、同じマックグループのチカラめし(現在の株式会社イー・ダイニング)同様、横浜家系ラーメン店・壱角家への転換を進めた結果、同年7月31日までに神戸らんぷ亭は全て閉店した。
なお、当初家系ラーメン店に切り替える予定であった銀座店は、9月10日に「銀座らんぷ亭」として営業を再開したが、メニューに牛丼は含まれていない。

英国風パブチェーン『HUB ハブ』(1980年~2002年)

1980年、 ダイエー子会社として、株式会社ハブを設立。
3月に「HUB」1号店を神戸市に開店した。

居酒屋のように『食べながら、飲む』ではなく、イギリスのパブのように『飲みながら、会話する』場所というのが創業時に中内功が立てたコンセプトであった。
そのため、部下には『食事メニューには手をだすな』と語っていたという。
HUB(ハブ)の外観

HUB(ハブ)の外観

HUB(ハブ)の内装

HUB(ハブ)の内装

1986年 旧株式会社ハブを解散し、ダイエーグループ内の外食業再編に伴い株式会社キャプテンクックに事業継承。
1989年 再びダイエーグループの外食業再編に伴い、キャプテンクックから株式会社りきしゃまんに営業譲渡。
1998年 株式会社ハブ(ダイエーホールディングコーポレーション子会社)を設立。りきしゃまんから営業を譲渡される。
2002年 ダイエーが保有する株式会社ハブの株式を村さ来本社(フード インクルーヴ、現:ジー・テイスト)・加藤義和(加ト吉(現:テーブルマーク株式会社)元社長)・21LADYに譲渡。加ト吉の連結子会社となる。
2009年9月4日 大株主の21LADYが保有する全株式を一六堂に売却。
2010年2月22日 テーブルマーク及びフード インクルーヴが保有する同社株式計4,110株をロイヤルホールディングスに譲渡、同社が筆頭株主となる。
この売却によってフード インクルーヴは株主ではなくなり、テーブルマークも第3位株主に退いた。
2011年2月23日 大株主の一六堂が保有する全株式を河内屋に売却。
2012年1月30日 テーブルマークが保有する同社株式計1,220株を久世に売却、テーブルマークは株主でなくなった。
55 件

思い出を語ろう

     
  • 記事コメント
  • Facebookでコメント

あなたにおすすめ

関連する記事こんな記事も人気です♪

【大型トレード】どっちがトクした!?秋山・渡辺智を獲得したダイエー?佐々木・村田を獲得した西武?

【大型トレード】どっちがトクした!?秋山・渡辺智を獲得したダイエー?佐々木・村田を獲得した西武?

1993年のプロ野球オフシーズンには、パ・リーグの主力選手が動く大型トレードがありました。西武(秋山幸二、渡辺智男、内山智之)とダイエー(佐々木誠、村田勝喜、橋本武広)のトレードです。当時、ダイエー・根本監督がチーム改革のために動いたという大胆なトレード。その試みは成功したのでしょうか?佐々木、村田の西武での活躍は如何に。。。
izaiza347 | 1,186 view
1989年バブル絶頂~2004年球界再編問題「たかが選手が」球団vs選手会  ライブドアvs楽天  旧vs新  置き去りになった近鉄ファン

1989年バブル絶頂~2004年球界再編問題「たかが選手が」球団vs選手会 ライブドアvs楽天 旧vs新 置き去りになった近鉄ファン

近鉄とオリックスの合併、球界再編問題、ストライキ、IT企業のプロ野球参入合戦、近鉄バッファローズ消滅、オリックスバッファローズ、楽天イーグルス誕生 夢と感動がいっぱいのプロ野球の裏側では、それを支えるドロドロの利権と古い体質を持つ巨大な権力があった。
RAOH | 2,049 view
昔はCMでおなじみだったのに・・・倒産、吸収合併などした企業!!

昔はCMでおなじみだったのに・・・倒産、吸収合併などした企業!!

昔はテレビをつけると、必ずと言っていいほどコマーシャル流れていた有名企業。いつの日かCMも見なくなってしまった・・・倒産や吸収合併などで無くなった有名企業をまとめてみました。
ギャング | 69,826 view
心霊スポット?光の当たり具合よって「ダイエー」のロゴが浮かび上がるイオンの看板が話題に!!

心霊スポット?光の当たり具合よって「ダイエー」のロゴが浮かび上がるイオンの看板が話題に!!

皆さんご存知のスーパーマーケット・ダイエー。昭和時代は日本を代表するスーパーのひとつであったものの、バブル崩壊後の1990年代より業績不振になり、2015年からはイオングループの完全子会社となりました。そんなダイエーの「看板」が、今ツイッターでちょっとした話題となっています。
隣人速報 | 7,809 view
時空探偵マツ・de・デラックス【case LEOPARD-美しき獣-】第3話

時空探偵マツ・de・デラックス【case LEOPARD-美しき獣-】第3話

とある町の1台しか在庫を持たない中古車屋”ガレージ MIDDLE EDGE”。店主は性別不明の「マツ・ド・デラックス」。そしてその2階には謎の探偵「松田K介」と助手の「富田葵」が事務所を構える。そこには店舗に飾られた「名車」に係る「依頼人」が訪れ、様々な人間模様が・・・・。第1話は「日産レパード」を中心に親子の絆を再確認させるため時空探偵「マツ・de・DX」が時を超えて奔走する!!ベテラン実力派漫画家「なかがわひろき」×昭和の生き証人「山本圭亮」がお送りするSF昭和ファンタジー!ミドルエッジだけで読めるスペシャル連載が満を持して登場!!

この記事のキーワード

カテゴリ一覧・年代別に探す

あの頃ナウ あなたの「あの頃」を簡単検索!!「生まれた年」「検索したい年齢」を選択するだけ!
リクエスト