【鉄道好きにはたまらないが鉄道会社にはウケない】今は少なくなった連接車の魅力【ロマンスカーとE331系】
2017年4月28日 更新

【鉄道好きにはたまらないが鉄道会社にはウケない】今は少なくなった連接車の魅力【ロマンスカーとE331系】

「連接車」とは、電車の車両と車両の間に台車がある電車(編成)のことです。首都圏では、小田急ロマンスカーが採用しています。しかしこの方式、手間がかかるので、だんだん少なくなってきました。連接車の魅力を、追ってみました。

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連接車(連接台車)とは

連接台車(れんせつだいしゃ)とは、鉄道車両において車体間に設置して2つの車体を支える台車を言う。
小型軽量の車体を列車に編成する方法だったが、1990年代以降、より小型の車両に、より合理的な方法が実用化され、連接台車を使用する条件が狭められ、世界的に採用が減っている。
なんのことだか、さっぱりわからないかもしれません。
要約すると、こういうことです。
電車の1両1両に、「台車」がついていますが、普通のは、1両の左右に台車が合計2つついていますが、連接車は、1両と1両の間に台車が1つ載っているということです。
台車

台車

ファンは連接車がお好き

連接車の魅力は、その「走行音」にあります。
電車が通過する時の音って、電車好きでない人は何の関心もないかと思いますが、普通のイメージでは、「ガタン・ガタンガタン・ガタンガタン・・・」だと思います。
なぜ「ガタン・ガタンガタン」と鳴るかというと、1両に2つ、台車がついているからです。
それに対し、連接車は、1両の間に1台台車があるので、通過音は、「ガタン」「ガタン」と1個づつ鳴ります。
その音が非常にリズミカルなのが特徴です。
連接車の代表 小田急ロマンスカー50000系

連接車の代表 小田急ロマンスカー50000系

出典:裏辺研究所 さま
小田急ロマンスカー7000系

小田急ロマンスカー7000系

出典:裏辺研究所 さま
小田急7000形電車(おだきゅう7000がたでんしゃ)は、1980年以降に小田急電鉄(小田急)が運用している特急用車両(ロマンスカー)である。
箱根方面への特急ロマンスカーに使用されていた3000形(SE車)の置き換えを当初の目的として登場した特急車両で、それまでの特急ロマンスカーのイメージを尊重しつつ斬新さを追及し、居住性や機能性の向上を図った。 "Luxury Super Express" (略して「LSE」)という愛称が設定され、1981年には鉄道友の会よりブルーリボン賞を授与された。1984年までに44両が製造され、1995年以降は車両更新が行われたことにより外装デザインが変更されたが、2007年には1編成が登場当時のカラーリングに復元され、その後2012年以降に稼動する編成は登場当時のカラーリングに復元された。
この小田急7000系、登場から30年以上たっています。
しかも登場当時の塗装で走っています。
この7000系の先頭車両に乗ってみたいものですね。
乗るなら今のうちです!たぶん。

ぷぅやんトリビア『小田急ロマンスカーの台車』

詳しい説明は全部この方が動画でしてくださっています。
ぜひ音の違いを動画で体感してください( ^ω^)・・・。

連接車の歴史

Wikipediaによると、世界的に、1935年前後に、連接車が登場したようです。
日本における最初の採用例は、1934年の京阪電気鉄道60型電車とされている。その後、西日本鉄道の500形、福井鉄道200形、福島交通デハ5000形(5012・5013)等で採用された。江ノ島電鉄の全車両や小田急電鉄の特急車の一部、東急世田谷線では現在でも連接台車が採用されている。
江ノ電はごくたまにしか見ないから、気づかなかったなー。

連接車の魅力

鉄道ファンは、その走行音に魅力を感じますが、一般的にも魅力ある要素があります。
普通の車両は、乗客がいる床の下に台車が2台あるので、台車の振動、騒音が客室内に響きやすいという欠点があります。
その点、連接車は、お客さんがいない「連結部」の下に台車があるので、客室内には振動や騒音が入りにくいという利点があります。

また、普通の車両は2つの台車で重量を支えるので、大型の画一的な車両が出来上がりますが、連接車は、1つの台車で重量を支えるので、車体を大きくできないので、小型の車両になります。
いわばオーダーメイド的な車両になるので、小田急ロマンスカーをはじめ、個性的な車両ができます。

しかし、この「小型」「オーダーメイド」「個性的な車両」という要素が、連接車を主流から押しやることになるのですが・・・。

ファンには好かれるが、鉄道会社には好かれない連接車

よく、皆さんのまわりの鉄道ファンの人って、「昔の鉄道はよかった」と言ったりしませんか?
単なる「懐古主義」と思われるかもしれませんが、実は一理あるのです。

連接車は、「小型」「オーダーメイド」「個性的な車両」と書きましたが、昔の鉄道会社は、
「他社より個性的なデザインや性能を採用して、お客さんにたくさん乗ってもらおう」という考えでした。

しかし、今の鉄道会社の主流は、「コストダウン」一辺倒で、経済性を非常に重視し、違う鉄道会社でも、同じようなデザインで(デザイン1つ考えるのもお金がかかりますので)、部品も共通化され、違うのは帯の色だけ、なんてことになっています。

もちろん鉄道会社は、趣味のためのものではなく、「人を確実に安全に運ぶため」というのが第一の使命です。
デザインを統一することにより、他線への直通運転もしやすくなりますし、部品を共通化すれば、故障した時の部品の取り換えも容易であり、「安全・確実・迅速」なサービスが提供できます。

それに対し、連接車のような個性的な車両は、特殊な構造であるがゆえに、故障すると部品も特注のものを用意しなければなりませんし、連接車は車両と車両の間に台車があるので、車両を1両ごとに分けて分解するのが大変な手間となります。

なので、デフレで運賃の値上げもままならないこの時代には、鉄道会社もコストダウン第一にせざるをえないので、画一的な、個性のない車両が大量に走ることになるのです。

鉄道ファンのためにも、鉄道会社が値上げしてでも個性的な車両を作ってくれるような、景気のよい時代が再来するといいですね( ^ω^)・・・。

JR東日本 E233系の礎となった「ACトレイン」

E233系(中央線快速列車)

E233系(中央線快速列車)

出典 裏辺研究所 さま
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