ジャンプ、マガジン、サンデー、チャンピオン!四大少年漫画雑誌の歩み。
2019年9月2日 更新

ジャンプ、マガジン、サンデー、チャンピオン!四大少年漫画雑誌の歩み。

四大少年漫画雑誌といえばジャンプ、マガジン、サンデー、チャンピオンという認識で共通しているかと思います。多くの人にとっては「ジャンプ最強」だったと思いますが、年代によってメインで読んでいた雑誌が違うかもしれませんね。四大少年漫画雑誌の歩みについて。

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テレビ時代の到来と1950年代半ばから続いていた週刊誌ブームを受けての創刊。

当初は1959年5月5日の発行を予定していたものの、講談社が『週刊少年マガジン』の創刊準備を始めたことから創刊日が繰り上がり、結局ともに1959年3月17日に創刊することとなりました。

創刊号のラインアップは

-『スリル博士』
-『宇宙少年トンダー』
-『スポーツマン金太郎』
-『海の王子』
-『南蛮小天狗』


1960年代はマガジンとの全面対決。有力作品の移籍など、バチバチのライバル関係が続きます。当初はサンデー優位だったものの、少年向け漫画に拘ったサンデーに対して団塊世代向けに劇画路線・スポ根路線などを開拓していったマガジンに60年代後半には優位の座を明け渡すことに。

60年代の主なヒット作は以下の作品でした。

-『伊賀の影丸』
-『おそ松くん』
-『オバケのQ太郎』
-『パーマン』
-『ジャイアントロボ』
-『どろろ』
-『もーれつア太郎』


小学館というと「小学○○生」「コロコロコミック」で育った世代なので、60年代のこのラインナップはしっくりくるものがあります。まあマガジンの講談社も「コミックボンボン」出していましたが。そう考えると講談社って集英社とも小学館とも戦ってきたんだなと感じます。

青年誌転換を試みた後、再び少年向けに回帰した1970年代

60年代後半、マガジンに押された流れに追随するように青年誌向けを模索するも、その間に少年読者層をジャンプに奪われることに。73年にはサンデー、マガジン共に発行部数でジャンプの後塵を拝すこととなり、再び少年向けに回帰します。

-『月光仮面』
-『赤胴鈴之助』
-『人造人間キカイダー』
-『ウルトラマンタロウ』
-『がんばれ!!ロボコン』
-『ゲッターロボ』


など、特撮・SFアニメ作品のコミカライズを大挙掲載して新規子供層を押えようとするなど「親と子が安心して読める」誌面の展開を目指しました。70年代中盤にはチャンピオンの大躍進で四大誌最下位に。この頃の代表作は

-『がんばれ元気』
-『まことちゃん』
-『赤いペガサス』
-『男組』
-『サバイバル』
-『おやこ刑事』


など、劇画のインパクトが強く、硬派でかつ重い雑誌のイメージが。70年代終盤になるとチャンピオンが落ち込んだこともあり、発行部数は第2位に。

前半は黄金期だった1980年代

-『うる星やつら』
-『タッチ』


この2作品が登場したことでラブコメブーム(学園モノ、青春モノ)を巻き起こし、部数を大きく伸ばして1983年には最高発行部数の228万部を記録するなど黄金期を迎えます。その勢いは、当時発行部数で首位だったジャンプがコンセプトの「友情・努力・勝利」「友情・勝利・に変えようとした程でした。

以下、当時の代表作の一部です。

-『炎の転校生』
-『究極超人あ〜る』
-『B・B』
-『To-y』
-『ふたり鷹』
-『らんま1/2』
-『機動警察パトレイバー』
-『まじっく快斗』
-『YAIBA』


ヒット作は出たものの、「うる星やつら」「タッチ」の連載終了の穴が埋められず、87年にはマガジンの発行部数を逆転されてしまいます。

混乱期を経て若手漫画家が台頭、後半には再び黄金期を迎えた1990年代

80年代終盤、編集体制や方針に混乱が続いてしまったサンデーでしたが、そんななかから若手漫画家が台頭して新しいカラーが出来上がってきます。数多くのヒット作が輩出された90年代ですが、90年代初頭に連載開始した作品からは長期連載となったモノも。

-『帯をギュッとね!』
-『スプリガン』
-『健太やります!』
-『うしおととら』
-『今日から俺は!!』
-『行け!!南国アイスホッケー部』
-『GS美神 極楽大作戦!!』


充実のラインナップですよね。この勢いのままに、90年代中盤にも数多くのヒット作が登場しました。

-『俺たちのフィールド』
-『H2』
-『名探偵コナン』
-『ガンバ!Fly high』
-『MAJOR』
-『じゃじゃ馬グルーミン★UP!』
-、『DAN DOH!!』
-『烈火の炎』
-『め組の大吾』
-『神聖モテモテ王国』
-『モンキーターン』
-『犬夜叉』
-『タキシード銀』
-『ARMS』
-『からくりサーカス』
-『かってに改蔵』
-『天使な小生意気』
-『ファンタジスタ』


94~2000年にかけて、発行部数も上昇を続けます。この時期はもはやジャンプとマガジンの二強時代ではありましたが、サンデーも充実の陣容で四大雑誌の一角としての存在感を発揮していたと言えるでしょう。

発行部数

1959年 30万部(創刊号)
1983年 228万部(本誌の最高発行部数)
1989年 140万部
1995年 140万部
1998年 170万部
2001年 150万部
2004年(2003年9月 - 2004年8月) 1,160,913部
2005年(2004年9月 - 2005年8月) 1,068,265部
2006年(2005年9月 - 2006年8月) 1,003,708部
2007年(2006年9月 - 2007年8月) 935,729部
2008年(2007年10月 - 2008年9月) 873,438部
2009年(2008年10月 - 2009年9月) 773,062部

週刊少年マガジン

毎週水曜日発売。1970年代には劇画路線を、80~90年代にはヤンキー漫画や格闘漫画が多く掲載され「不良の読む雑誌」と揶揄された時期も。

少年誌ではありながらグラビア企画のミスマガジンなどを積極的に展開しています。
週刊少年マガジン1983年/No.1・2 表紙

週刊少年マガジン1983年/No.1・2 表紙

1959年3月に創刊

キャッチコピーは「ゆめと希望の少年マガジン」。当初はヒット作に恵まれず、同時に創刊したサンデーに水をあけられましたが、

-「巨人の星」
-「あしたのジョー」


この二大スポ根マンガで、一気に少年雑誌としての地位を不動のものにしました。1967年には100万部突破。その他、当時の代表作はコチラ。

-「ゲゲゲの鬼太郎」
-「天才バカボン」


メジャーです(笑。

読者層の高齢化に合わせた展開も失速した1970年代

エログロナンセンスな表現描写が取り入れられ、読者の対象年齢は上昇していきます。どちらかというと青年向けの雑誌となり、神奈川県児童福祉審議会が1970年32号を有害図書に指定する事態に。その後は1971年に「巨人の星」、1973年に「あしたのジョー」が終了したことなどからマガジンの勢いは徐々に下降します。

新たな主力作品として

-「空手バカ一代」
-「愛と誠」
-「おれは鉄兵」
-「釣りキチ三平」


などがスタートし、また篠山紀信によるアイドルのグラビア記事を導入するも部数は伸び悩み、1973年には後発のジャンプに発行部数首位の座を奪われました。しかしながら、この時期にも

-「仮面ライダー」
-「タイガーマスク」
-「デビルマン」


といった後世に語り継がれる作品が掲載されています。

四大誌最下位から2位へ、しかしまだ首位の座は遠かった1980年代

70年代終盤にはジャンプだけでなくサンデーやチャンピオンの後塵をも拝する状態となっていましたが、ラブコメはじめ新ジャンルでの主力作品が登場して、次第に部数を回復していきました。

-「翔んだカップル」
-「あした天気になあれ」
-「1・2の三四郎」
-「コータローまかりとおる!」


1982年には初の雑誌系オーディション企画「ミスマガジン」を開始。またマガジン創刊以来の大ヒットとなった

-「バリバリ伝説」

が連載スタートし、80年代後半には少年誌の部数でサンデーを再び抜いて2位に復帰。しなしながら首位のジャンプの背中ははるか遠く、差は開く一方でした。

黄金期の到来、1990年代

1990年代前半にはヒット作が続出します。

-「金田一少年の事件簿」

をはじめ、スポーツ漫画では

-「はじめの一歩」
-「シュート!」
-「オフサイド」
-「風のシルフィード」


また、ヤンキー漫画では

-「湘南純愛組!」
-「カメレオン」
-「疾風伝説 特攻の拓」


など、おなじみの作品が並びます。まさに黄金時代の到来です。ただし、この時期はジャンプが発行部数600万部を突破したことなどもあってかマガジンは過小評価されがちで、スポーツものや不良ものに比重を重く置いたこの頃の誌面の内容に「絞れば汗が出る」と揶揄する声も一部にはあったようです。

しかしながら、

-「BOYS BE…」
-「将太の寿司」


といった、インドア系の作品も長期連載作として人気を博していたのは事実です。

90年代後半になるとドラゴンボールの連載が終了して失速したジャンプを遂にとらえ、1997年には発行部数首位の座を奪還します。ドラマ化された

-「GTO」
-「サイコメトラーEIJI」


などは高視聴率を記録し、そこからさらに多くの読者を呼びこむことに成功します。

-「ラブひな」
-「RAVE」
-「SAMURAI DEEPER KYO」
-「GetBackers-奪還屋-」

などの新機軸も次々にヒットし、まさしく第2次黄金期と言える誌面の充実振りを見せました。
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