スロットカー
スロットカーは1950年代にイギリスで登場し、1963年頃にアメリカ経由で日本へ渡ってきた。日本に初めて入ってきたのはレベル、モノグラム、COXなどの製品であった。1960年代当時は「走るプラモデル」と呼ばれた。
世界的に有名なスロットカーの名コース「Slot Mods Martin Raceway」 - YouTube
スロットカーのモーターから駆動軸に伝達する方式「インライン」
スロットカーのモーターから駆動軸に伝達する方式「インライン」
1957年、スケーレックストリックが最初に商業的に2台の近代的なスロットカーとコースを発売した。先駆者の車はインライン式だった。HOスケールの現行品は殆どがこの形式である。 通常、インライン方式はモーターから後方の駆動軸に回転を伝達する後輪駆動方式であるが、前後に設置したクラウンギアに回転を伝達する四輪駆動方式も存在する。
(出典:Wikipedia「スロットカー」)
スロットカーのモーターから駆動軸に伝達する方式「サイドワインダー」
1960年代 タミヤのサイドワインダーシャーシ
モーターが車体の後方に位置するため、タイヤへのトラクションを得やすい。また、モーターと駆動軸で回転方向が同じであるため、高出力・高回転のモーターを使用する際にギアを痛めにくい。
通常は駆動軸は後輪側でモーターはそのすぐ内側 (ミッドシップ) に設置される。FLYなど一部のメーカーでは、よりリアルな挙動を求めるために実車のエンジン搭載位置にならってモーターを設置している場合がある。例としては、ポルシェモデルはモーターを駆動軸より後方 (RR方式) に設置するなどの工夫をしている。
(出典:Wikipedia「スロットカー」)
1960年代 COX(コックス)製スロットカー「ビル・トーマス「チータ」」サイドワインダーシャーシ
スロットカーのモーターから駆動軸に伝達する方式「アングルワインダー」
スロットカーのモーターから駆動軸に伝達する方式「アングルワインダー」
(出典:Wikipedia「スロットカー」)
1960年代から現在までの日本国内のスロットレーシング(スロットレーシングカーの競技)のブームの変遷
第一期(1960年代)スロットレーシングブーム
第一期(1960年代)
田宮模型、日本模型など、日本の玩具・模型会社が多数参入した。またゲームセンターやボウリング場などの娯楽施設にもサーキット(貸しコース)が置かれた。
市販の汎用シャシに、別途ユーザーの好みのモーター、タイヤ、1/24スケール前後のプラモデルのボディーを載せる方法が主流であった。しかし、価格的に小中学生が手が出しづらいこともあり、サーキットには大人ばかりが集まってしまい、しかも賭けレースが公然と行われるようになったことから、教育現場から「風紀上良くない」と判断され、相次いで子供のサーキットへの出入りが禁止された。
さらに急激なマニアック化の影響で、ビギナーが育たずに急速に人気が落ち、当時からの商業コースは全滅した。正確な統計は残されていないが、一時期は大小合わせて全国に200ヶ所以上のサーキットが存在したといわれる。
元々は鉄道模型の原理を応用して作られたもので、走行させるコースには通常、競争させるために複数の車線を持つ。コースの路面には車線ごとにスロット (溝) があり、スロットカーの車体底面前方にはこのスロットにゆるくかみ合うガイドが設けられている。スロットカーはこのガイドに導かれて車線に沿って走行する。
スロットの両側には電気を供給する電線 (電路) があり、車体底面のガイドとあわせて設置されたコレクター (集電ブラシ) により電力を取得する。利用者の手元にあるコントローラーで供給電圧をコントロールし、スピード調節することができる。
スロットでガイドされているため、ステアリングは無いが、連動してあたかもステアリングが作動するようなギミックを組み込んだ製品もある。
完成品として販売されている製品の中には車体の底に磁石が設置されていて、主に家庭用コース内に設置された磁性をもつ集電線との吸引力を利用してダウンフォースを得る物もある。そのため、初心者はカーブでスピードを出しすぎた際の遠心力によるコースアウトをある程度防ぐことが出来る。
多くの営業用コースは磁性が無いため吸引力は得られないが、1/32スケールのコースは磁性体を路面に埋め込むことで吸引力を得られるようになっているものが増えつつある。木製のコースではグリップ剤を使用することにより、強力なグリップを得る事が可能である。プラスチック製のコースではグリップ剤の効果は低いばかりか、路面に悪影響を与える可能性があり、禁止しているサーキットもある。近年、家庭用として手回し式発電機で走らせる形式の物もある。
1957年にイギリスのミニモデルズ社が1/32スケールの「スケーレックストリック」を発売した。これは現代にまで続くスロットカーシステムの始祖であり、これをきっかけとして1960年代に世界中で大ブームを巻き起こした。
当時ヨーロッパでは1/32 - 1/43スケールが、アメリカでは1/24スケールが流行った。1970年代以降ブームは衰えたが、愛好者の間でレース活動が続けられた。
1990年代後半、ヨーロッパで1/32スケールと1/64スケールのスロットカーがブームになり、いくつかのメーカーが新規参入・再参入した。出版社からはスロットカーのムック本が相次いで発刊された。
この時期、1回生産のみの限定商品が多くなり、実際には走らせずミニカーのように集めて鑑賞するという楽しみ方が広がりだした。
(出典:Wikipedia「スロットカー」)