2015年11月10日 更新
スロットカー・スロットレーシングの歴史:1960年代当時は「走るプラモデル」と呼ばれたスロットカーの変遷を振り返りましょう。
1963年頃にアメリカ経由で日本へ渡ってきたスロットカー。田宮模型、日本模型など、日本の玩具・模型会社が多数参入した1960年代のスロットカーブーム、1970年代のHOスロットカー「マグナカー」ブーム、1980年代のバンプロジェクトのシャシーと1/24スケールのプラモデルを使用したスロットカーのブーム、1990年代の1/32スケールのスロットカーのブーム、2000年代に入り、デジタル式のスロットカーが発売されました。
タミヤ【スロットカー サイドワインダー 車体パーツ一式】 市販の汎用シャシに、別途ユーザーの好みのモーター、タイヤ、1/24スケール前後のプラモデルのボディーを載せる方法が主流であった
タミヤ スロットカー「プリンス380GTR」
第二期(1970年代後半 - :HOスロットカーブーム)
第二期(1970年代後半 - :HOスロットカーブーム)
1970年代後半から1980年代前半にかけて、アメリカのタイコなどから発売されたHOスロットカーがブームとなり、各地の模型店や玩具屋で組み立て式の商業コースが多数出現し、「マグナカー」の名で人気を博す。
安価なため小学生にまで購入層が広がった。しかしながら同時期に広まったNゲージ鉄道模型にシェアを奪われ、コースの風紀上の問題もあり、第一期と同じ結末をたどって終わった。
HOスロットカーは「マグナカー」の名で人気を博す。
HOスロットカーは「マグナカー」の名で人気を博す。
第三期(1980年代後半 - :1/24スロットカーブーム)
第三期(1980年代後半 - :1/24スロットカーブーム)
1980年代後半から1990年代にかけて、再び1/24スケールのプラモデルを使用したスロットカーが主流となり、バンプロジェクトとさかつうの2大シャシメーカーが主体となり、これらの汎用シャシを使用することにより、どんなプラモデルでもすぐにスロットカーにすることができるため、一気に広まった。
しかし、スピード志向のバンプロジェクトと、リアル志向のさかつうとでシャシ開発の方向性の違いから客層が2極化し、当初からの両社の対決姿勢は最後まで収まらなかった。バンプロジェクト製シャシが、その圧倒的な性能差と政治的事情により、各地のサーキットからさかつう製シャシを締め出すかたちとなった。後にさかつうは1/24スケールから撤退した。また、プラモデル人口の減少・シャシ価格の急騰・シャシ構造の複雑化により、コアなマニア向けの競技となり競技人口が減少し、現在では1/24スケールの商業コースは第二期最盛期の2/3(第一期1960年代の最盛期には100ヶ所以上あったので、現在は2/3をはるかに下回る)になってしまっている。
1/24プラモデルを使用したスロットカーのシャーシメーカー「バンプロジェクト」のシャーシ製品「プラフィット」
プラフィット 1/24 スロットカーパーツ ◆F1用の完成シャシーです
グンゼ製F-1ボディーと「プラフィット」シャシー
第四期(1/32スロットカーブーム)
第四期(1/32スロットカーブーム)
1990年代後半からヨーロッパでの1/32スケールのブームが日本にも伝わって来た。日本国内でも、安価な完成車で気軽に楽しめる1/32に市場がシフトしてきており、プラスチック製の組み立てコースを組んだ商業コースが各地で増えつつある。
しかしながら、家庭向けホームコースは依然として出足が鈍く、SCX製品を取り扱っていたユニオンモデルは撤退した。また、ニノミヤホビックス (廃業) やラオックスアソビットシティ、ジョーシンスーパーキッズランドなどの大手量販店でも当初、ブーム到来を見込んで1/32のカレラやスケーレックストリック、SCX製品を取り扱っていたが販売不振のため取り扱いをやめた。
日本では2005年にバンダイから1/55スケールのプレスハードが発売された。プレスハードではサウンドが出るようになっていた(シンセサイザー式ではなく、従来からの発振器の周波数を変える形式)が、2006年末撤退した。2006年には、タカラがスケーレックストリックのデジタルシステムをデチューン(同時走行6台 → 4台)した、クアトロックスを発売した。クアトロックスでは最先端のデジタル式レーンチェンジシステムが導入されたが、2007年に撤退した。
FLYSLOT製 1/32 スロットカー「マルティニ・ポルシェ」
FLYSLOT社の1/32スロットカーのカタログ
スロットカー レーシングパラダイス町田 J-COM関東 - YouTube
ラジコンカーの低価格化が進み、スロットカーの愛好者はごく一部のマニアに限られているのが現状
かつてはラジコン自動車が高価で、一般家庭の小中学生には簡単に手が出せなかったために、より安価なスロットカーが身近な操縦式自動車玩具として人気を博したものの、ラジコンカーの低価格化が進みスロットカーと価格差がほとんどなくなった現状では、特別なコースが不要で走行の自由度の高いラジコンカーが選択されるのはごく自然であり、スロットカーの愛好者はごく一部のマニアに限られているのが現状である。
現在のスロットカーの動向:海外のスロットカーマニアのカスタムコースを見てみましょう
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1980年代だと、このクラスのフルセットで4万弱くらいかかったのが、1万ちょいで買える。ラジコンカーの低価格化が進んでいる。