キャンディーズの後釜として期待されたアイドルグループ「フィーバー」
皆さんは「フィーバー」というアイドルグループをご存じでしょうか?70年代後半、人気絶頂だったキャンディーズの解散に際して結成された後釜的なグループのひとつで、キャンディーズが所属していた渡辺プロダクションが主導となり、一時期大々的に売り出されていました。この記事では、そんなフィーバーについて振り返ってみたいと思います。
「みごろ!たべごろ!笑いごろ!」から生まれたフィーバー!
フィーバーが結成されたのは1978年のこと。当時、渡辺プロダクションが制作しキャンディーズなどが出演していたバラエティ番組「みごろ!たべごろ!笑いごろ!」にて、解散のため降板が決まったキャンディーズに代わる存在として「二代目キャンディーズ オーディション」が開催され、その結果、渡井なおみ、岡広いづみ、北川まゆみの3人の女の子が選ばれました。そして公募によりグループ名は「フィーバー」と決定、すぐに歌手デビューする運びとなりました。
「悪魔にくちづけ」で鮮烈デビュー!
1979年、フィーバーはシングル「悪魔にくちづけ」で鮮烈なデビューを飾りました。80年代アイドルのヒット曲を多数手掛けることとなる森雪之丞が作詞を、キャンディーズの楽曲を担当した実績のある船山基紀が編曲を担当するなど、渡辺プロとしては相当気合を入れた布陣でのデビューでした。また、その際どい歌詞から「セクシー路線のキャンディーズ」という印象を与え、単なる二番煎じグループにしないという戦略も伺えます。
貴重なテレビ出演時の映像!
フィーバー・悪魔に口づけ
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セカンドシングル「ユー・アー・セクシー」を発表!
「悪魔にくちづけ」で知名度を向上させたフィーバー。「年下の男の子」など、キャンディーズのヒット曲を多数手掛けた穂口雄右に作曲・編曲を依頼したセカンドシングル「ユー・アー・セクシー」を間髪入れずに発表しました。こちらの楽曲ですが、タイトル的には「悪魔にくちづけ」でのセクシー路線を踏襲した内容になるかと思いきや、康珍化のペンによる「年下の男の子」的な歌詞により、よりアイドルっぽさを強調した仕上がりに。
テレビ出演時の映像はこちら!
Fever (1979)
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その後もシングルをリリースしたものの…
上記2枚のシングル以外にも「熱い気分のさめないうちに」「シェイク・タッチ」といったシングルや、アルバム「ファースト・フライト」を発表し、精力的な歌手活動を展開したフィーバー。しかし、往年のキャンディーズの人気には遠く及ばず、メディア露出も減少していきました。そして糸井重里が作詞を担当した「デジタラブ」が、彼女たちの最後のシングルとなりました。
当時、キャンディーズの後釜的なグループはフィーバーだけではなく、キャンディーズの妹分と呼ばれた「トライアングル」や、「アパッチ」といったグループが活動しており、人気が分散してしまったためブレイクに至らなかったのではと推測されます。セクシー路線の導入など、キャンディーズとの差別化を図ったフィーバーでしたが、後釜狙いの混戦の中で抜け出すのは難しかった模様です。