鍋にそのまま入れれば溶けるプレート状にのインスタントカレールウの登場で、カレーライスは誰でも簡単につくれる家庭料理として普及した。
1960年「ハウス印度カレー」
1960年(昭和35年)「株式会社ハウスカレー浦上商店」から「ハウス食品工業株式会社」に社名変更したハウス食品は、初の固形ルウタイプ商品「印度カレー」を発売。(1箱130g8皿分で50円)インドから直輸入した20種類のスパイスと小麦粉にミルク、チーズ、バターを加えてチョコレート状の即席カレーを作った。また「印度カレー」には、昭和の栄養強化食品として、ビタミンB1・B2が添加してあった。
固型 ハウス印度カレー (1960) pic.twitter.com/8gDYDX9Nnm
— 氷厘亭氷泉 (@hyousen) March 4, 2015
ハウス食品といえば、家で作るプリンやゼリーの素を販売する会社思っていたが、元々はカレーを作っていたということにびっくりした。
1960年「グリコワンタッチカレー」
1960年(昭和35年)に江崎グリコが「ワンタッチカレー」を発売。子役を起用したテレビCMは、家で食べるカレーを身近なものにした。赤色パッケージは、あまくち。からくちの黄色パッケージは1年遅れて61年に発売。6枚入り(30円)と10枚入り(50円)
「ワンタッチ」のネーミングは、それまでの固形即席カレーは固く包丁などで削りながら調理していたが「ワンタッチカレー」は板チョコのよう形状のプレートで、そのまま鍋に入れても溶けるようにしたという。グリコは「ワンタッチカレー」テレビCMに、松田聖子、榊原郁恵などを起用していたが、1990年(平成2年)で終売した。
「ワンタッチ」のネーミングは、それまでの固形即席カレーは固く包丁などで削りながら調理していたが「ワンタッチカレー」は板チョコのよう形状のプレートで、そのまま鍋に入れても溶けるようにしたという。グリコは「ワンタッチカレー」テレビCMに、松田聖子、榊原郁恵などを起用していたが、1990年(平成2年)で終売した。
1963年「バーモントカレー」
1963年(昭和38年)ハウス食品から、リンゴとハチミツの甘さで子どもも食べられるカレーといういうコンセプトで「バーモントカレー」(120グラム入り60円)が発売される。マイルドな辛さのカレーは、店頭での試食宣伝活動やテレビCMの効果もあり大ヒットした。なんとその初期のCMには当時17歳の売れっ子歌手いしだあゆみ(1965年 - 1968年)や、ピンキーとキラーズ(1969年 - 1970年)が起用されていたのだ。
「バーモントカレー」のCMを見て、カレーの中にリンゴとハチミツが、そのまま入っていると思った子供は私だけだろうか。
「バーモントカレー」のCMを見て、カレーの中にリンゴとハチミツが、そのまま入っていると思った子供は私だけだろうか。
cm 昭和40年 ハウスバーモントカレー - YouTube
curry cm graffitiより
1964年「特製ヱスビーカレー」
1964年(昭和39年)エスビー食品が発売した「特製ヱスビーカレー」。キャッチコピー「インド人もびっくり!」というフレーズのテレビCMで注目を浴びた。このCMに登場してびっくりしているインド人は、本当のインド人ではなく、インド人に扮した芦屋雁之助だった。ターバンを巻いているのでシーク教徒の設定なのだろうか。とにかく、「特製ヱスビーカレー」の美味しさは、インド人もびっくりして飛び上がるほどだとアピールした。
1966年「ゴールデンカレー」
1966年(昭和41年)エスビー食品は、大人向けの高級カレー「ゴールデン」を投入した。高級感溢れる金色のパッケージの「ゴールデンカレー」は、当時50円(5~6人前)程度が相場のカレールウのなかで、二倍の1箱100円価格だった。特長は、30数種類ものスパイスを調合した、大人向けの豊かな香りと味わい。キャッチコピーは「さらっとしたカレーを召し上がれ」。一流レストランの味が家庭でも作れることをアピールした。テレビCMは、パリで撮影した。女優の佐久間良子が外人さんにカレーを給仕しながら、一緒に食べる映像と「素晴らしい日本のお友達を紹介した気分になりました」という洒落たフレーズが印象的だ。イギリスから伝わり日本で生まれた「ゴールデンカレー」をフランスのパリで紹介するという設定なのか。
魔法のランプみたいな金属容器(ソースポット)に入ったカレーを、私は今まで一度も食べた事がない。ごめんね佐久間良子(笑) pic.twitter.com/mkb6G6CXbR
— motoichi (@million7000) August 24, 2016
1968年「ジャワカレー」
1968年(昭和43年)ハウス食品は、大人向けのカレー「ジャワカレー」(ルウカレー)を発売した。ジャワカレーのジャワはインドネシアのジャワ島からきている。爽快な辛さと刺激のある味わいは青い海と島と太陽を連想させる。キャッチコピーは「南の香り・爽快な刺激、大人のカレー”ジャワ”」ワイルドな印象だ。芸能人夫婦CMでおなじみのジャワカレーCMに初めて出演した夫婦は、伊丹十三と宮本信子。「ハウスジャワカレーを食べる。うまいとほめる。」「お前もこっちで一緒に食べなさいなどと言う。女房よろこぶ」現在では問題になりそうなフレーズだが、昭和の時代をを感じる若かりし頃の伊丹十三と可愛い宮本信子の映像を見るとほのぼのとしてしまう。
ところで、このCM動画の39秒のところに切ったニンニクとピーマンが映り込んでいるが、カレーにピーマンをいれるのだろうか。それとも、まな板の飾り?
ところで、このCM動画の39秒のところに切ったニンニクとピーマンが映り込んでいるが、カレーにピーマンをいれるのだろうか。それとも、まな板の飾り?