ハリウッド映画全盛期を支えた男優列伝【ゲーリー・クーパー編】
2018年10月10日 更新

ハリウッド映画全盛期を支えた男優列伝【ゲーリー・クーパー編】

前回の「ハリウッド映画全盛期を支えた男優列伝【クラーク・ゲーブル編】」を書いていたら、予想以上に記事が長くなり、別々に書く羽目になってしまったような・・・??。さあ、今回もハリウッド男優について話を進めましょうか??

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その3.『ヨーク軍曹』(1941年)

ヨーク軍曹 CCP-196 [DVD]

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『ヨーク軍曹』(ヨークぐんそう、Sergeant York)は、1941年の米国映画。第一次世界大戦中に実在したアルヴィン・ヨーク軍曹の伝記映画。主演のゲーリー・クーパーがアカデミー主演男優賞を受賞した。

監督 ハワード・ホークス
脚本 ジョン・ヒューストン
ハワード・コッチ
エイベム・フィンケル
ハリー・チャンドリー
製作 ジェシー・L・ラスキー
ハル・B・ウォリス
出演者 ゲーリー・クーパー

Sergeant York "Over the Top" Battle Scene

第一次大戦で活躍した、実在の人物を描いた伝記的映画。テネシーの田舎町に生まれたヨークは、何物にも縛られない自由人だった。しかし、ある時から信仰に目覚めた彼は、真の自由を守るためには、戦争もやむなしという結論に達する。そして彼は、戦場で幾つもの武勲を立てるのだった……。
家族思いの優しいところもある、銃の腕前がよくて喧嘩も酒も強い乱暴者が、雷に打たれて奇跡的に助かったことにより、神の啓示を授かったがごとくに人格が一変し信仰心の篤い思いやりのある人間になり、聖書の教えと戦争という現実の狭間で懊悩しながらも、持ち前の勇気と才能とそして神のご加護でもって、およそありえないような武勲を立てて故郷に錦を飾る。前半はのどかな田舎の物語風ですが、後半の戦地が舞台になってからは、主役を光り輝かせるためにこれでもかこれでもかという、まるで講談のようなサクセスストーリーが展開する。  
製作された年の12月には真珠湾攻撃のあったたけに、これはもう国威発揚の要素が濃厚なのはむべなるかなってことなんだろうけど、ドイツ軍を羊の群れみたいに扱っているのには苦笑を禁じえなかった。もしもゲーリー・クーパーがアカデミー主演男優賞を獲っていなかったら、おそらく人々の記憶からは消えていた映画の一つになっていたかも・・・??。

その4.『誰が為に鐘は鳴る』(1943年)

誰が為に鐘は鳴る ワールドプレミア上映版 [DVD]

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『誰が為に鐘は鳴る』(たがためにかねはなる、原題: For Whom the Bell Tolls)は、1943年製作の米国映画。アーネスト・ヘミングウェイの小説『誰がために鐘は鳴る』の映画化作品。

監督 サム・ウッド
脚本 ダドリー・ニコルズ
原作 アーネスト・ヘミングウェイ
製作 サム・ウッド
製作総指揮 B・G・デシルヴァ
出演者 ゲーリー・クーパー
    イングリッド・バーグマン

なお、この年のアカデミー主演男優賞、主演女優賞に各々ゲイリー・クーパー、イングリッド・バーグマンがノミネートされたが受賞はならなかった。

For Whom The Bell Tolls (1943)VHS/Laserdisc Release Trailer

スペイン動乱を舞台に、ゲリラ活動に参加したアメリカ人の心情を描いた悲恋ドラマ。政府の軍事輸送を阻止するため、鉄橋の爆破計画が練られた。作戦に参加したアメリカ人ロバート(ゲーリー・クーパー)は、ジプシーのゲリラに協力を求める。そこでロバートは、美しい娘マリア(イングリッド・バーグマン)と出会い、二人は激しく惹かれ合うが・・・。
初めてこの映画を見たのは、今から40数年前の高校2年か3年の受験勉強の頃だった。初めて見たバーグマンの美しさにすっかり虜になった覚えがある。その後何度も映画館やDVDで見て、何十年もたった今でもビクターヤングのテーマ音楽を聴くと青春の思い出とともに、谷にかかる橋の爆破を決行する日の早朝の山の場面や鐘の音とともに硝煙にかすんでいくラストシーンを懐かしく、自分の体験であったように思い出す。

その5.『真昼の決闘』(1952年)

真昼の決闘 [DVD]

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『真昼の決闘』(まひるのけっとう、原題: High Noon)は、1952年製作の米国映画。フレッド・ジンネマン監督による西部劇映画である。保安官が自分1人で殺し屋4人と立ち向かわざるを得なくなるという内容で、ジョン・W・カニンガム(John W. Cunningham)の小説『ブリキの星』(The Tin Star)に基づく。

監督 フレッド・ジンネマン
脚本 カール・フォアマン
原案 ジョン・W・カニンガム
製作 スタンリー・クレイマー
カール・フォアマン(クレジット無し)
出演者 ゲーリー・クーパー
    グレース・ケリー

ちなみに、主演のゲーリー・クーパーは、歳を重ねて渋味のある中年男の孤独と苦悩を演じ、2回目のアカデミー賞の主演男優賞を獲得し、後にモナコ公妃となったグレース・ケリーが妻役を演じている。また、音楽を担当したディミトリ・ティオムキンが同じくアカデミー歌曲賞を受賞した

High Noon - Final Showdown

1870年、ハドリービルという西部の小さな町で結婚式を挙げたばかりの保安官ウィル(ゲーリー・クーパー)の元に、かつて逮捕した無法者の帰還の知らせが入る。様々な思いの末、彼らとの対決を決意するウィルだったが、戦いに否定的な新妻エミー(グレース・ケリー)は一人町を去ろうと駅へ向かう。ウィルは協力者を求めて、炎暑の町を歩き回るが、臆病で利己的な住民たちはその門を閉ざす。やがて正午となり、駅に列車が到着、エミーが乗り込むと同時に、ウィルへの復讐を誓う無法者が降り立った・・・。
High Noon [Blu-ray] [Import]

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映画の時間と実際の時間がほぼ同じという画期的な作品。それだけではなく、孤高の保安官(ゲーリー・クーパー)の誇りと悩みを浮き彫りにしたフレッド・ジンネマン監督の演出が素晴らしい。お礼参りに帰ってくる無法者と受けて立とうとする保安官の状況を知った街の人の対応は、3通りに分かれる。無法者ミラー(イアン・マクドナルド)側に肩入れする人々、味方の振りをして荒事を避けるために保安官を追い出そうとする人々、極く少数の本当の味方(保安官の妻役のグレース・ケリー等)。悪党を退治した後、星のバッジを道端に放り投げて去ってゆくクーパーがかっこいい。

その6.『昼下りの情事』(1957年)

昼下りの情事 [DVD]

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『昼下りの情事』(ひるさがりのじょうじ、Love in the Afternoon)は、1957年の米国のロマンティック・コメディ映画である。クロード・アネ(英語版)の小説『アリアーヌ(英語版)』を原作としている。

監督 ビリー・ワイルダー
脚本 ビリー・ワイルダー
   I・A・L・ダイアモンド
原作 クロード・アネの『アリアーヌ』
製作 ビリー・ワイルダー
出演者 ゲーリー・クーパー
    オードリー・ヘプバーン
    モーリス・シュヴァリエ

Love in the Afternoon (1957) Official Trailer - Gary Cooper, Audrey Hepburn Movie HD

私立探偵クロードの娘アリアーネ(オードリー・ヘプバーン)は、父親のファイルから、アメリカの富豪フラナガン(ゲーリー・クーパー)の資料を盗み読み、彼に恋をしてしまう。ある日、フラナガンに逢う機会を得たアリアーネは、恋愛に慣れたプレイガールのフリをして彼に近づくが・・・。
『昼下りの情事』の一場面

『昼下りの情事』の一場面

ゲイリー・クーパーが珍しくコミカルな役柄の作品である。ゲーリーとオードリーを比べると、クーパーの方が格は上だが、やはりオードーリー・ヘップバーンの印象が強い作品だろう。
若い娘が中年に恋をするというのは「ヘッドライト」などいくつもあるがコメディでは珍しい。
最近は、男と女が逆転している感があるが、”おっさん目線”だとやはりこちらが好みだ。
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