無責任艦長タイラー
艦長にまで出世してしまった主人公の活躍を描くSFコメディ。軍人として何ひとつ取り柄がなく、いいかげんな性格の主人公が、悪運の強さで問題を解決していくのがたまらなく爽快。また、主人公に振り回される、まわりのクルーの狼狽ぶりも爆笑ポイントとして見逃すことができない。回を重ねるごとに主人公とクルーの間に絆が育まれていく過程も、丹念に描かれており群像ドラマとしても見ごたえ充分。
作品概要
作品表現や宣伝・販売の手法について実験的な要素が数多く盛り込まれ、後に一般的になるビデオなどメディアでの販売を前提としてテレビ放送を行うテレビアニメの先駆者となった。また、ライトノベルが市民権を得ていなかった時代に(ライトノベルがアニメ化されるなど市民権を得るには21世紀を待たねばならなかった)初めてTVシリーズとしてアニメ化された作品でもある。テレビアニメと並行して関連CDやビデオを発売し、同時にCDショップで無料配布したタイラー新聞、テレホンサービスの「8585(パコパコ)ダイヤル」、各種イベント開催などメディアミックス展開を積極的に展開し、関係各社にメディアミックスに関する多くのノウハウを提供することとなった。
テレビアニメ作品としては成功といえるだけの収益を挙げ、関連作品も制作されている。原作と比較した場合、主人公タイラーの設定などが象徴的ではあるがアニメ向きの設定へと大幅な改変が行われているが、自身もアニメファン(というよりオタク)として名高い原作者の吉岡平により、後に小説シリーズそのものが大幅にリライトされ、アニメの路線に近いものへと変えられてゆくことになる(そのリライト版の小説のあとがきで、「今だから語れるが、当時アニメ版には非常に不満があった。しかし時間もたち多数の外伝シリーズなどの執筆を経たのちは、逆にアニメ版の影響を多大に受けるようになっていた。」との心境の変遷を、原作者本人が実際に語っている。)。
あらすじ
惑星連合宇宙軍
【駆逐艦そよかぜのクルー達】
ジャスティ・ウエキ・タイラー少佐(艦長・20歳)
本作の主人公。「楽がしたいから」という理由で軍に入隊。年金課に配属され、年金を届けに行ったハナー元提督宅にてテロリストの立て篭もりに遭遇しこれを解決。二等兵から少佐へ特進し『駆逐艦そよかぜ』の艦長に就任することとなる。女好きでだらしない性格、兵法に対する知識もからっきしであるが、そのくせ悪運だけはやたら強い。
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ユリコ・スター少佐(情報部将校・19歳)
本編のヒロインの一人で、ミフネ中将の秘書をしていたがタイラーのお目付け役として『そよかぜ』に搭乗。無責任な振る舞いのタイラーに対していつも怒っており、何度かビンタも食らわす。情報処理担当として優れた技能を持ち、規律や規則を重んじる真面目な性格だが、次第にタイラーの寛大な人柄に触発され、そして彼に魅了されるようになる。
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マコト・ヤマモト大尉(副艦長・25歳)
そよかぜ副長。規律が服を着て歩いているような性格で、ミフネやフジに色々入れ知恵されたりもしていたが、タイラーを誤解して尊敬するようになってしまう苦労人。神経質で神経洗浄という緊急治療をしょっちゅう受けていたが、自身も艦長譲りの大胆さを持つようになる。
キョンファ・キム中尉(通信士・18歳)
そよかぜの通信士。階級的に上官であるタイラー艦長の事を呼び捨てにする。サバサバした性格でクルーの中では一番タイラーに近いと言えるが、物事の判断、機転が早く決めるときはしっかりと決める。当初はタイラーを軽く見ていた節があったが、後の事件を経て勤務態度が見違えるようになる。
ハロルド・カトリ中尉(操舵士・20歳)
日系三世で日本の文化を重んじる金髪青瞳の美青年(ただし最終話で金髪はカツラで実は坊主頭であることが明かされる)。そよかぜの操舵士でその操縦技術は超一流で、艦船だけでなくトラックも乗りこなす。ブリッジに常駐しているにもかかわらず、周りのクルーが個性的すぎるせいか影が薄い(そんな彼の為にドラマCDでは救済話が作られた)。
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合言葉は愛と正義と無責任。
宇宙は僕にど〜んと任せなさい。