ワンランク上のオーラをまとった女優宮沢りえ
ただ、その輝きは概して長続きはしない。
しかし、若くして眩いばかりの輝きを放ち、
さらに特別な称賛と憧憬を集めた女性たちがいる。
ほかの人気者たちと一線を画し、
10代からワンランク上のオーラをまとって、
日本社会に広く認知され、
いまも活躍する一握りの「特別な女優」たち。
その系譜がある。
薬師丸ひろ子、宮沢りえ、広末涼子・・・。
現在はその系譜を広瀬すずが受け継ぐ(だろう)。
そして、その系譜の中でも
女優として最も充実した時を過ごしているのが宮沢りえだ。
その宮沢りえの映画デビュー作にして、
日本映画界に燦然と輝く“学園モノ” 不朽の名作が
この『ぼくらの7日間戦争』なのである。
‟学園モノ” 不朽の名作『ぼくらの7日間戦争』。まさに、宮沢りえのための映画だった・・・(まあ主役なんでね、当たり前ですけど)
映画に登場する戦車や大掛かりな打ち上げ花火について、現実感がないというのは簡単だが、私たちはすでに想像もできない事象に翻弄されながら日々生きている。そういう意味でこの映画の果たす役割は意外と大きいと今更ながら思うのである。想像もできないことを信じても疑ってもいい。でも、私たちには前を向いて生きることしかできないのだ。そんなメッセージをこの映画は私たちに語り掛けている。
あらすじ
夏に向かうある日、青葉中学1年A組から菊地英治(菊池健一郎)ら男子生徒8人が姿を消した。学校側は体面を考え、騒ぎを大きくしないよう保護者らをなだめ、生徒たちの行方を必死に探す。町はずれの自衛隊の廃工場に集結して意気上がる生徒たち。学級委員の中山ひとみ(宮沢りえ)、橋本純子(五十嵐美穂)、堀場久美子(安孫子里香)らも菊地らの様子を見に行く。
やがて近所の人の通報で生徒たちの居場所が学校側にばれてしまった。翌日、教頭の丹羽(笹野高史)を筆頭に担任らが母親を率いてやってきた。対峙する両陣営。果たしてこの勝負、どちらが勝つか?史上最大のイタズラがいま爆発する…!
キャスト&スタッフ
中山ひとみ/宮沢りえ 橋口純子/五十嵐美穂 堀場久美子/安孫子里香
相原徹/工藤正貴 菊池英治/菊池健一郎 安永宏/鍋島利匡
柿沼直樹/田中基 中尾和人/大沢健 日比野朗/金浜政武
天野健二/石川英明 宇野秀明/中野愼
◆青葉中学校教職員
榎本勝也/金田龍之介 丹羽満/笹野高史 野沢拓/大地康雄
西脇由布子/賀来千香子 八代謙一/佐野史郎 酒井敦/倉田保昭
◆菊池家
菊池詩乃/浅茅陽子 菊池英介/出門英
監督/菅原比呂志 脚本/前田順之介・菅原比呂志
原作/宗田理 製作/角川春樹 音楽/小室哲哉
主題歌/TM NETWORK「SEVEN DAYS WAR」
製作会社/角川春樹事務所 配給/東宝
いいです、ホントに。
宮沢りえ、いまでは、日本アカデミー賞最優秀主演女優賞を獲得する演技派に!
しかし、近年は人気、実力とも押しも押されぬトップ女優となっている。2002年、山田洋次監督の『たそがれ清兵衛』で日本アカデミー賞の最優秀主演女優賞を獲得。その後、多くの映画、舞台、ドラマなどに出演。2013年、天海祐希が軽度の心筋梗塞で入院したときに代役を務め、ほんの数日だけの稽古で2時間20分の舞台をほぼ完璧に演じ切り、その女優魂と演技力と‟男気(?)”が多くの人から称賛を浴びた。
さらに、2014年の映画『月の紙』では、卓越した表現力、体当たりの演技が評価され、日本アカデミー賞で2度目の最優秀主演女優賞ほか、さまざまな映画賞を総なめにしている。
ワンランク上のオーラはまとった「特別な女優」の中でも、
一歩も二歩もリードしている大女優なのだ。
『ぼくらの7日間戦争』は、そんな宮沢りえのデビュー作なのだ、何度も言いますが。
この輝きを誰が止められたのだろう。