異例の「2」
78年8月5日公開の映画「さらば宇宙戦艦ヤマト 愛の戦士たち」の後となっています。
TVアニメが好評なので、総集編を映画で、続編を映画で、という流れはよく聞きますが、
なぜヤマトは映画「さらば」の後にTV「2」なのか、、
たんに続編を映画でつくったら人気だったので、TV版もつくった、、ということでないのは、映画からTVまで2ヶ月という点で明らかです。
、、ここで、先に公開された映画版「さらば」がどういうおハナシだったか、まったくご存じないか、TV版と記憶がごっちゃになっている方のために、振り返りましょう。
(文中、「前作」といっているのは、すべて1作目「宇宙戦艦ヤマト」のことです)
先行した映画版「さらば宇宙戦艦ヤマト 愛の戦士たち」
映画「さらば」のあらすじ
正体不明のメッセージを受信した主人公古代進は、再びヤマトを発進させ、発信源に向かいます。目的地テレザート星に到着した古代たちは、メッセージの発信者テレサを救出。地球に白色彗星帝国の攻勢が近づいていることを知ります。
時すでに遅く、白色彗星帝国の攻撃に地球艦隊は全滅。残ったヤマトは波動砲で帝国を滅ぼしたかに見えたが、その中には超巨大戦艦が。
闘いのなかで次々と乗組員を失っていくヤマト。古代は恋人森雪の亡骸と二人、ヤマトで己を捨てて超巨大戦艦へと向かいます。そのヤマトとともに、自分の命を犠牲とするテレサ。
白色彗星帝国は宇宙の光となって消えます。
登場人物
「さらば」と「2」のおハナシの違いを挙げる前に、
「2」の登場人物を紹介しておきます。
(まあ「さらば」の登場人物も同じです。状況やその運命が違うだけで、、)
3人目: 森雪(声:麻上洋子)
左端: 島大介(声:仲村秀生)
右端: 真田志郎(声:青野武)
年齢は、前作で古代、森、島の3人が18歳の同い年だったので、今作では21歳前後。
真田は3人の10歳上だったので31歳前後。
前作ではヤマトの戦闘班長、のちに艦長代理。神奈川県三浦半島出身。ガミラスの遊星爆弾で両親を失う。
前作の航海で島大介とは親友に、森雪とは恋人の関係に。
2ではヤマトに乗り当初は外周艦隊の司令を務めている。
森雪
前作でヤマトの生活班長。2では密かにヤマトに潜り込むが、前作同様、同班長を任命される。
島大介
古代とは宇宙戦士訓練学校の同期。前作からヤマトの航海班長。
2でもさらばでも、古代の無断でのヤマト発信を諌めるが、最終的にはヤマトに乗り込む。
真田志郎
古代進の兄である守とは宇宙戦士訓練学校での同期で親友。子どもの時の事故で姉を亡くし、自らの手足も失う。義手義足は取り外して爆弾としても使える。
前作からヤマト工作班長。2では当初、地球防衛軍科学局局長。
前作でのヤマト艦長沖田十三と同期というので、54歳前後か。
前作では登場しないが、宇宙戦士訓練学校の校長で、古代進達の教官であった。
2では、地球防衛軍連合艦隊司令長官、および新造戦艦アンドロメダ艦長兼務。
白色彗星帝国の帝国支配庁長官
右:デスラー(声:伊武雅刀)
前作でヤマトと地球を苦しめたガミラス帝国総帥。ヤマトとの戦いに破れ宇宙を漂流していたところを、ズォーダーが回収し蘇生させ、同盟を結ぶ。タランら腹心のもと再集結したガミラス残存艦隊を率い、再びヤマトに闘いを挑む。
主要キャラクターが次々と死んでいく「さらば」。そこから、、^^;
ヤマトとの白兵戦で傷つき、古代との一騎打ちで敗北を認めたデスラーは、母星を守る武人としての自分は地球人に近いと語り、白色彗星の弱点を仄めかし、宇宙空間に散っていきます。
白色彗星に覆われていた都市帝国との闘いでは、雪が命を落とし、医務室もやられ佐渡先生にアナライザー、猫のミーくんまでもが、機関室では徳川機関長が被弾の爆風に巻き込まれ亡くなります。
さらばではヤマトに収容され艦長を務めていた土方も、古代に後を任せ死亡。
決死隊として突入した真田、斉藤も、敵内部を爆発させ戦死。艦載機コスモタイガー隊で唯一ヤマトに戻った加藤も、コクピットのなかで息絶えています。
最終的に、都市帝国内部から現れた超巨大戦艦に向けて、古代が雪の亡骸と、テレサと特攻し命を落とすのは、前述の通りです。
、、死屍累々。ひどいハナシです>_<
プロデューサーの西崎義展氏は、
1978年5月の製作発表記者会見で西崎義展プロデューサーは「これで、ヤマトを最後にしたい」と語っており[8]、最後に表示される観客向けのテロップの字句は、初公開時は「もう二度と姿を現すことはない」と明言したものであった。
え、「初公開時は」?
そう。そうなのです。もうほとんどみなさんご存知か、そうでなくても思い出されたように、
ヤマトはこの「さらば」の後にも、いまご紹介しておる「2」、それどころか何作もの続編がつくられるのです。それも最近つくられた「リメイク」じゃなくて、「続編」ですよ。
ほとんどみんな死ぬハナシなのに?、、「初公開時は」?
こんなハナシに続編をつくるとしたら、登場人物がほとんどか全員新しいハナシを立ち上げるか、、
いえ、もっと安直な、根本的な方法があります。
、、そうです、ずいぶん引っぱりましたが、そんな登場人物の多くが死ぬようなハナシはなかったことにしまうのです!∑( ̄ロ ̄|||) いやいや、さらに踏み込んで、「歴史を塗り替えてしまう」のです!∑( ̄ロ ̄|||) ∑( ̄ロ ̄|||)
そうです。その、さらばの「歴史の塗り替え」がこの2なのでした、、
ですから、2はさらばの続編でもTV拡大版でもなく、別バージョン。その後も続編を続けるための「修正」だったのです。
ですから、その後の続編は、「2」の続編であって、「さらば」の物語はここで終わるのでした。
左上は、白色彗星帝国を覆う彗星部分が消え去ったなかに出現する、都市帝国