宇宙刑事ギャバン、シャリバン、シャイダーのコンバットスーツを振り返ってみる
なかでも初代から3代まで続いた「宇宙刑事」といえば、ギャバン・シャリバン・シャイダーの名前がすぐに出てくる人も多いのではないでしょうか。
それぞれ「蒸着!」「赤射!」「焼結!」のコマンドとともにカッコいいコンバットスーツに身を包み、凶悪な敵と戦っていましたね。
宇宙刑事たちの「蒸着!」「赤射!」「焼結!」
宇宙刑事ギャバンの「蒸着!」
蒸着時の身長:200cm、体重:90kg、ジャンプ力:150m(ブースターの補助で300m)
胸のディメンションコントローラーにより、異次元や宇宙空間でも活動可能。頭部の電飾は人間に化けた敵も見破る獣星人センサー。
ギャバン最大の必殺技「ギャバン・ダイナミック」
第24話からは巨大化したダブルモンスターも倒せる程の威力を持つようになった。後期は放つ前に前方宙返りを数回決めて破壊力を増したパワーアップバージョンになる。
「宇宙刑事ギャバン」メタルヒーローとしての特徴
村上克司のデザインによる黒と銀のスタイリッシュなボディ、全身をFRPの装甲で包み、メッキと電飾で輝くスーツ、と、ギャバンはデザインと造形次第では大人の鑑賞に耐えうる新時代のヒーローを作れることを示した。
アップ用のFRP製メッキスーツは変身コールにも引用された蒸着と呼ばれる加工技術が使われており、パーツの内部に気泡があればメッキを施す際の熱で膨らんでそこから破損してしまうため、造形的に非常に注意の要る手間の掛かるものであった。
このメッキスーツには周囲の光景が映り込むため賛否両論を呼んだが、カメラマンの瀬尾脩が「宇宙刑事なんだから何が映ったって当たり前だ」と断言し、撮影会では事なきを得た。
反射への対処としてツヤ消しスプレーが吹かれる場合もあった。後に普通の銀塗装のスーツも製作され、ウレタン・ラッテックス製のアクション用スーツと共に、状況によって使い分けられた。
しかしながらアクション用スーツであっても、太陽光線や人工照明の照り返しが大きく、撮影に困難が生じたため、「魔空空間」という設定を作って、戦闘は主にそこでなされるようになった。
電飾で光るその目は恐ろしさを抱かせるほど鋭く、子供が怖がるのではないか?との意見もあったが、村上克司は「悪に対しての怒りを燃やすヒーロー像が必要」として断行したという。結果的にこの目論見は見事に当たり、以降のシリーズでも強面のマスクデザインが多い。