歴代日本アカデミー賞最優秀作品賞をまとめてみました。
2017年2月22日 更新

歴代日本アカデミー賞最優秀作品賞をまとめてみました。

1977年度第1回日本アカデミー賞から第39回まで最優秀作品賞を取った作品を紹介させていただきます。 見逃している作品もあるんじゃありませんか?

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『ツィゴイネルワイゼン』(鈴木清順)

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ドイツ言語学者の青地豊二郎(藤田敏八)と、放浪の中砂糺(原田芳雄)は、旅の途中で3人の盲目の旅芸人とすれ違う。宿で、自殺で弟を亡くしたばかりの芸者小稲(大谷直子)と出会い、旅芸人の噂話。中砂は旅を続け、青地は湘南に戻る。暫くして青地の元に中砂の結婚の知らせが届き、青地が中砂の家を訪れるが、そこで見たのは、宿で出会った芸者の小稲にそっくりの青地の妻、園の姿であった。
とにかく長い映画です。一言で言えば「難解なアート」とでもいえばいいのでしょうか?
ファンタスティックなのはもちろんなのですが、この作品も不気味な感じを持っています。
チョット理解できないようなキャラクターを次々に登場させては見る者に時間を感じさせなく
なってしまいます。
この時代には結構こう言った難解で不気味な感覚を表現することが流行だったのでしょうか?
でもこの醜悪さは日本人ならではの感受性でしか作れないし、
受け止められないものだと思いました。

第5回

『駅 STATION』(降旗康男)

駅 STATION [VHS]

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 オリンピックの射撃選手でもある刑事と3人の女性の宿命的出会いと別れを3部構成で描いた人間ドラマ。1967年。警察官の英次は過酷な仕事とオリンピックの射撃選手として練習が続いたことが原因で妻・直子と離婚した……。1976年。オリンピック強化コーチのかたわら、連続通り魔を追う英次。犯人として浮かんだ吉松五郎を捕まえるため、妹のすず子の尾行を開始する……。1979年。故郷の雄冬に帰る英次だったが、連絡船が欠航となったため仕方なく居酒屋“桐子”に入る……。
八代亜紀の「舟歌」が印象的でしたね。
この作品は倉本聰脚本でしたね。如何にも高倉健の演技とも思いましたが
意外と深く考えさせる作品だったと思います。
3人の女性との出会いはそれぞれに意味合いが違い本来の事件とかけ離れたところで
見る者を引き付けていくのを感じました。
いずれにせよ「これぞ昭和」を感じさせてくれていたと思います。

第6回

『蒲田行進曲』(深作欣二)

「蒲田行進曲」 [DVD]

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時代劇映画華やかなりし頃の京都撮影所では、大作『新撰組』の撮影が行われていた。主役の土方歳三を演ずるのは時代劇スターの倉岡銀四郎(風間杜夫)、映画の見せ場は、新撰組隊士が池田屋へ討ち入った際に大階段の上にいる浪士の一人を土方歳三が斬り落とし、斬られた浪士は派手に大階段を下まで転げ落ちていくという”階段落ち”のシーンだ。
しかし危険すぎるという理由で映画会社からは許可が得られず、大階段を半分以下に縮小して撮ろうかという案が出されたが、銀四郎は納得せず配下の大部屋俳優達に階段落ち役の志願を強要するが、誰もがしり込みする。そんな中に銀四郎を銀ちゃんと慕うヤス(平田満)がいた。
僕は「幕末」の時代に凄く興味があり様々な小説や歴史書、資料まで追い続けてきています。
しかしその時代を映画という作品に仕上げるという視点の物は初めてでした。
大河ドラマやスペシャル番組など色々バージョンがあるなか、作成する人たちのことを
考えたことは一度もありませんでした。
勿論「新選組」の関係した事件、エピソードなどは皆さんもよくご承知のことと思います。
しかしこの映画はどこが映像として「キモ」になるかをよく考えてる人たちの物語です。
コメディータッチの作品とは思いますが、
そこにも「感動」という大切なものをよく表現したな~。と感心させられたのを憶えています。
個人的には「興味」「ストーリー」「感動」を満足させてくれた逸品だと思っています。

第7回

『楢山節考』(今村昌平)

楢山節考 [DVD]

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歯が丈夫だということは、食糧の乏しい村の年寄りとしては恥かしいことである。そこでおりんは自分の歯を石臼にぶつけて欠いた。これで支度はすっかり出来上り、あとは冬を待つばかりである。おりんはねずみっ子(曽孫)が生れるまでに楢山へ行かねばと決心し、あと四日で正月という日、「明日山へ行く」といい出した。辰平をせかして山へ行ったことのある人々を招び、酒を振舞ってお山まいりの作法を教示された。次の夜、おりんはしぶりがちな辰平を責めたてて楢山へ向った。辰平に背負われたおりんは一語も発せず、けわしい山道をひたすらに辿った。楢山の頂上近く、あたりに死体や白骨が見えはじめた。おりんは死体のない岩陰に降り立った。顔にはすでに死相が現われていた。おりんは辰平に山を降りるよう合図した。雪が降り出した。辰平は禁を犯して山頂まで駈け登り、念仏を称えているおりんに「雪が降って来て運がいいなあ」と呼びかけた。おりんはうなずいて帰れと手を振った。
こんな時代があったのです。こんな「常識」も確かにあったのです。
そのすべては「貧困」から生まれていました。今、「飽食の時代」に生きる我々が
この作品を見た時にそのお全てを何故か自然と受け入れてしまうのは受け継がれた
前時代の記憶なのかもしれません。
これは日本だけではなく世界中のあちこちで形の違いはあったかもあしれませんが
理解できる共通の「記憶」だと思います。
また現在も引き継がれ続けているかもしれない「常識」かもしれません。
この作品はそれをもっともシンプルな「親子の情愛」で語っています。
親が子を産み、育み、育てるそして子供は親にこれ以上ない「安心と信頼」を
寄せ育っていく。そしてその別れを「常識」として受け入れなければならない。
こんなつらい別れが見る者すべての人の「感動」を揺り動かさざるを得なくなるのでしょう。
物語の内容は見てくれればわかる通りです。まだ見ていない人々に必ず見てほしい
1作品です。

第8回

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