歴代日本アカデミー賞最優秀作品賞をまとめてみました。
2017年2月22日 更新

歴代日本アカデミー賞最優秀作品賞をまとめてみました。

1977年度第1回日本アカデミー賞から第39回まで最優秀作品賞を取った作品を紹介させていただきます。 見逃している作品もあるんじゃありませんか?

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『お葬式』(伊丹十三)

伊丹十三DVDコレクション お葬式

伊丹十三DVDコレクション お葬式

突然、妻の父がなくなったことで初めてお葬式を出すことになった一家の途方に暮れるさまと、お葬式に集まった多彩な人々の生態をアイロニーを交えてユーモラスに描く。俳優の夫婦である井上佗助と雨宮千鶴子は、二人でCF撮影中に千鶴子の父の訃報を聞く。さっそく家族で父のいた別荘へ向かった佗助だったが、お葬式を出すのは初めてとあって、何もかも勝手が分からないことばかりだった……。
お葬式あるあるネタの映画です。コメディータッチなんですが、確かに「そうなんだよねー」
と納得できる細かいネタを繋ぎ合わせて1本の作品にまとめています。
初めての身内の葬式ということで何もわからない夫婦の物語なんですが、特に
田舎では今でもこうなんじゃないかな~。最近では葬儀社任せで全てお任せすれば
問題ないんですが、それどころかもっと簡略化されたお葬式もあると聞いています。
撮影の仕方も面白い視点からのものもありモノクロを使ったりと印象に残るシーンを
うまく取り混ぜていた今見ても妙に納得、笑える作品だと思います。

第9回

『花いちもんめ』(伊藤俊也)

花いちもんめ。 [VHS]

花いちもんめ。 [VHS]

ボケが進行していく祖父を抱えた一家が、それがもとで逆に家族の亀裂を修復、絆を強めていく異色のホーム・ドラマ。もと大学教授の鷹野冬吉は、ミスがもとで勤務先をクビになってしまう。またある時は、遊びに来た孫を連れて、山陰の洞穴遺跡を訪れるが、帰り道を忘れてしまう。冬吉は病院で“アルツハイマー型老年痴呆症”と診断される。やがて、長男の治雄一家が冬吉を引き取る。治雄の愛人問題に悩む妻・桂子だったが冬吉の世話にやりがいを見出す……。
実はわたくし自身が障がい者です。私を支えてくれている家族や、周囲の方々の苦労は
見ていて私のほうが辛くなってしまいます。この物語の主人公も私とは症状は違いますが
同じような事を感じたことでしょう。
形としてはホームドラマなんですが、扱っている題材が私自身には問題点が多く
考えさせられる作品でした。
この作品のように家族の亀裂が修復されていくような良い関係に発展してくれればよいのですが
必ずしもそうではありません。却って悪化する場合のあることも見聞きしていますので・・・
ただ映画として楽しめたのは「ボケ」た主人公の可愛らしさでした。罪がないのです。
自分もいつかはこういう時期が来るかもしれませんが、
愛される「ボケ老人」となりたいものです。

第10回

『火宅の人』(深作欣二)

映画チラシ 「火宅の人」

映画チラシ 「火宅の人」

作家・桂一雄は、先妻に先立たれ後妻としてヨリ子をもらう。ヨリ子は腹違いの一郎をはじめ5人の子どもを育ててきた。が、子どものひとりが日本脳炎にかかり重い障害が残ってしまうと、怪しげな宗教にすがるようになっていく。同じ頃、一雄は新劇女優の恵子の虜になり、やがて家を出て恵子と同棲を始める……。
この作品、原作者の作家・壇一雄の自伝的同名小説だそうです。
人の人生とは色々あって当然である意味皆さんが気づいていないだけで、状況の違いこそあれ
似たようなものなのではないでしょうか?「自由奔放」なのは却って普通の生活を送っている
ごくごく普通の人たちのような気がしています。
言ってしまえばどこにでもあるストーリーだと思います。
各俳優たちの演技は申し分なく、必要なエピソードもおそらく全て使われているのでしょう。
見応えは確実にある作品です。題材としては暗いイメージのものを想像しますが、
意外とサバサバした感じが残ったのは人間の普遍的な問題が原作者の体験を通して
描かれていたせいではないでしょうか?

第11回

『マルサの女』(伊丹十三)

伊丹十三DVDコレクション マルサの女 コレクターズセット

伊丹十三DVDコレクション マルサの女 コレクターズセット

 国税局査察部(マルサ)に勤める女性が、ラブホテル経営者を脱税で摘発するまでを描いた痛快娯楽作品の傑作。税務署の調査官・板倉亮子は脱税を徹底的に調べ上げるやり手。ある日、一軒のラブホテルに目をつけるがオーナーの権藤はなかなかシッポを出さなかった。そんな時、亮子は国税局査察部に抜擢される。マルサと呼ばれる摘発のプロとして経験を積んでいった亮子は、上司の花村と組んで再び権藤と相対するのだった……。「お葬式」「タンポポ」についで監督第3作目となる伊丹十三監督が、マルサというそれまで馴染みの薄かった職業にスポットを当て、巧妙な手口で脱税を行う事業家たちとそれを鮮やかに見破る捜査官たちとの手に汗握る虚々実々の対決をテンポよくスリリングに描いていく。
この映画を見た人の中では震え上がった人たちも数多くいたんじゃないでしょうか?
当時の僕はまだ社会人としては駆け出しで、実体験としてこのような機関の存在を
見たことも聞いたこともありませんでした。
しかし先輩たちの中ではかなりこの作品の話でもちきりになっていたことを憶えています。
それまでは「脱税」などという言葉自体、全くの無縁だったせいかタイトルを見たときは
「なんだ?」といった感じで対して興味も持たなかったような気がします。
それでも日本アカデミー賞最優秀作品ということで映画館に足を運んでみました。
これがホントに面白い!文句なしに「痛快」そのもの。もちろん題材は犯罪に立ち向かう
査察官たちの活躍を描いたものなのですが、今まであった刑事もの、探偵ものなどとは
全く違う地味な捜査なんですが、ここまでやるか!と驚く内容でした。
とにかくおすすめの一本です。

第12回

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