歴代日本アカデミー賞最優秀作品賞をまとめてみました。
2017年2月22日 更新

歴代日本アカデミー賞最優秀作品賞をまとめてみました。

1977年度第1回日本アカデミー賞から第39回まで最優秀作品賞を取った作品を紹介させていただきます。 見逃している作品もあるんじゃありませんか?

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『敦煌』(佐藤純彌)

【映画チラシ】敦煌

【映画チラシ】敦煌

北宋のころ、主人公・趙行徳は科挙の最終試験殿試を受けるため首都開封府にやってきた。
行徳に出された問題は「西夏対策を述べよ」であったが、
西夏が単なる辺境だと思っていた行徳はまともに答えることが出来ず、受験に失敗する。
次回の科挙は3年後……。失望感のあまり自暴自棄になっていた行徳は、
西夏出身の女と知り合ったことから西夏に興味を持ち、西へと旅する。
しかし、途中で西夏の傭兵の漢人部隊に捕獲されてその兵に編入されてしまう。
さすがに現地中国各地でのロケだったのでスケールの大きな作品というのが
第一印象です。ただキャストが全て日本人ということもあり、当然セリフは日本語
中国側からの協力もあったにもかかわらず如何にも「日本の映画」となってしまっていたのが
残念でした。
それでも原作(井上靖の同名の小説)の出来の良さとしっかりとした構成と演出、各俳優陣の
演技で誰が見ても楽しめる作品だと思います。

第13回

『黒い雨』(今村昌平)

映画プレスシート 黒い雨

映画プレスシート 黒い雨

原爆による“黒い雨”を浴びたたために人生を狂わされた一人の若い女性とそれを温かく見守る叔父夫婦のふれあい、そして被爆後遺症に苦しむ人々の姿を静かに淡々と描いていく。1945年8月6日、広島に原爆が投下される。その時、郊外の疎開先にいた矢須子は直後に降ってきた真っ黒な雨を浴びてしまう。5年後、叔父夫婦に引き取られた矢須子のもとへは縁談の話が持ち込まれるが、“ピカに遭った女”という噂からいつも破談になってしまう……。
もう絶望しかない。モノクロのフィルムを使い、特撮もかなり使っていたのでしょうが、
やけにリアル感があり、悲惨としか言いようのない情景を現代の映像と繰り返し入れ替えながら
表現していたんですが、印象に深く残ってしまい頭から離れなくなってしまいました。
本当の苦しみはこの後、被爆後遺症を抱えたまま生きていく女性とそれを支える叔父夫婦の
淡々とした物語なのですが、その「淡々と」表現されることから余計に絶望しか残らなく
なりました。子供にはチョット刺激が強すぎると思われますが、見ておかなくてはいけない
と思わせる1本です。
それとこの作品の作成に当たり少し面白い記事があったので下記に引用させていただきます。
当初の予定を変更して原作通りの追加撮影をすることになったため、製作費が逼迫してしまった影響からメインスタッフの技師らはノーギャラを宣告されてしまう。スタッフらは「餅代くらいは出すから」と言うプロデューサーの言葉をシャレや冗談だと思っていたが、後日、プロデューサーは本当に市販されている真空パックの切り餅を1個ずつ配った。

第14回

『少年時代』(篠田正浩)

映画パンフレット 「少年時代」

映画パンフレット 「少年時代」

昭和19年10月、戦局が悪化の一途を辿る中、東京の小学5年生だった風間進二は、富山に縁故疎開することになった。ひ弱な優等生タイプの進二は学校ではよそ者扱いを受ける。そんな進二にガキ大将の武が近づいてきた。徐々に打ち解ける二人だったが、権力を誇示する武は学校では進二に冷たく接するのだった……。いまや“日本の夏”を代表する名曲となった井上陽水作詞作曲の『少年時代』はこの映画のために書き下ろされた。やはり心に沁みる。
これも時代考証というのだろうか?それとも誰かの記憶の中の画像なのだろうか?「なるほど」
と思わせる教室や建物の説得力は、安っぽいテレビドラマとは違い、まず特筆したいです。
子供の頃、自分が物事をどう見て、どう感じていたのか(ふと)思い出してしまうのは
物語が子供の感覚、視点、そんなものを大事にして撮影されている感じでした。
ラストシーンには音楽も含めて驚くほどの感動を与えてくれましたね。

第15回

『息子』(山田洋次)

息子 [DVD]

息子 [DVD]

 東京でフリーアルバイターとして生活を送る哲夫。母の一周忌に岩手の田舎に帰るが、フラフラした生活に不満を持つ父・昭男とはギクシャクしたままだった。東京へ戻った哲夫は、下町の鉄工場で働き始める。そこで取引先の倉庫で働く征子と出会う。やがて、哲夫は征子が聾唖であることを知る……。
普通でどこにでもありそうな物語なんです。でもなんでこんなに感動的にえがけるのでしょうか?
主役の三国連太郎の演技力や和久井映見の自然な美しさだけでは説明できない何かがあります。
やはり監督の「力量」というものなのでしょうか?そういえば山田洋次監督の作品は
いたって普通の人々の普通の出来事を映画化している作品が多いように思います。
この物語も「家族」という普通の題材をテーマとしていますが、ラストシーンにはやはり
感動させられてしまいました。
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