『昭和オカルト大百科』
『昭和ちびっこ怪奇画報』
『昭和ちびっこ未来画報』
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ご本人にインタビュー!!
著書『昭和こどもゴールデン映画劇場』の対象年代は、初見さんの小学生から中高生の頃と重なっています。初見さんにとって、昭和後期に上映されていた映画と現代の映画ではどういった違いを感じますか?
80年代以前の映画には、個人が撮りたいものを勝手に撮ったという感じの作品が多かった気がします。今のようにマーケティング的な発想でテーマを決めたりしてないし、集客の見込みが立たないような企画も平気で通ったりしている。だからクオリティもピンからキリまであって、「なんだこりゃ?」と思うような駄作も多いんですけど、とにかくすごく多種多様で種々雑多だった。当時、例えば角川映画の露骨なマーケティング戦略が「商売くさい」と批判されていましたが、今見るとものすごく自由でめちゃめちゃなことをやってる。現在の映画界では、もうあまり無謀な博打はできなくなっていると思います。
同書ではホラーをはじめカンフー、SF、アクションなどの幅広いジャンルの映画が題材にされています。そのなかで“青春映画”を多く選出した事が、ご自身でも意外だったとコメントされています。他にも意外な選出となったジャンルや映画タイトルはありましたか?
レイ・ハリーハウゼンの特撮映画について長々と書いたんですが、あれは自分でも意外でした。僕は特撮マニアでもないし、ハリーハウゼンの映画についてもあまりちゃんと意識して考えたことはなかったんですけど、ああやって子ども時代の記憶をまとめてみると、自分は『スターウォーズ』以前のB級SFやファンタジー映画の独特の匂いが好きだったんだな、とあらためて発見した感じでした。あとはシリーズの「2」が好きらしい、ということ。特に『エクソシスト2』とか『ポセイドン・アドベンチャー2』とか、世界中で駄作として切り捨てられている「2」に妙なシンパシーを感じる癖があるらしい。
初見さんは“オカルトライター“のイメージも強いのですが、初めてオカルトに触れられたのはいつ頃ですか?
園児時代から小1にかけてのころです。これは僕の世代はみんなそうだったと思います。73年ごろからのオカルトブームは凄まじいもので、男の子のカルチャーのメインストリームがオカルトでした。心霊番組がガンガン放映されるようになったのもこのころですし、円谷プロも『怪奇大作戦』や『恐怖劇場アンバランス』などを手がけていて、好き嫌いは別にして、普通にテレビを見ていればオカルト的なものが目に入ってくる時代でした。ちなみに、僕のオカルト入り口は小学館の『なぜなに学習図鑑』という児童書のシリーズでした。